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平成28年度:財政援助団体等監査結果(株式会社両津TMO)

記事ID:0001592 更新日:2021年3月1日更新 印刷ページ表示
本ページの目次

佐監公表第4号
平成28年12月6日

佐渡市長、三浦基裕様
佐渡市議会議長、岩崎隆寿様

(「崎」は、正式には「たつさき」です。)

佐渡市監査委員、渡部直樹
佐渡市監査委員、猪股文彦

地方自治法第199条第7項の規定により実施した財政援助団体監査の結果について、同条第9項の規定に基づき別紙のとおり報告します。

監査の種類

地方自治法第199条第7項の規定による財政援助団体等(出資団体)に対する監査

なお、出資団体とは佐渡市が資本金、基本金その他これらに準ずるものの4分の1以上を出資している法人をいう

監査の期間

平成28年9月5日から平成28年12月6日まで

監査委員の氏名

渡部直樹
猪股文彦

監査の対象及び出資金等の概要

監査の対象

市が出資した次の団体が行う会計処理及びその他の事務

対象団体名及び補助金交付額等

団体名(事務局) 出資額(出資比率) 所管課
株式会社両津TMO(両津商工会) 900万円(90%) 産業振興課

出資団体の概要及び沿革

株式会社両津TMOは、資本金1,000万円のうち佐渡市(旧両津市)が900万円、両津夷本町商店街協同組合が95万円、残りの5万円を両津商工会が出資して平成16年2月4日に設立され、それぞれの出資団体等から選任された取締役3名及び両津夷本町商店街協同組合から選出された監査役1名で構成されている。

平成14年度に旧両津市が策定した「両津市中心市街地活性化基本計画」を受け、都市開発に関する企画、調査、設計及びコンサルタント業務や商店街の販売促進のための事業に関する企画、調査、設計及び受託など全14事業を営むことを目的として定款に掲げ事業を開始した。

平成26年度において、地産地消の推進を図ることを目的として販売事業者を当初から選定した上で、新穂地区の佐渡市トキの森公園内に1,000万円を投じて物産販売所を建設し、不動産賃貸業を開始している。

これは、佐渡市が地産地消の推進を図ることを目的として物産販売所を公設公営で計画し、関連予算を平成23年6月議会に提案したところ、議会から計画を見直すよう意見が付されたことにより方針を変更し、その受け皿として株式会社両津TMOを指名したためである。

平成27年度の事業報告において次の3点を活動実績としているが、中心市街地活性化対策事業の具体的事業活動がないこと、また、トキの森公園内の物産販売所の販売事業者が同年11月から営業を中止し、その後撤退したことにより、現在の事業活動は両津港北埠頭駐車場管理事業が主なものとなっている。

  1. 両津港北埠頭駐車場管理事業
    両津港北埠頭駐車場管理協議会との委託契約による管理業務
  2. 中心市街地活性化対策事業
    両津地区で行われるイベント等への協力
  3. 地域振興事業
    佐渡市トキの森公園内の物産販売所の不動産賃貸業

監査の場所

両津商工会事務所及び佐渡市役所監査委員室

監査の着眼点

出資団体

  1. 事業が定款に基づき、適正かつ効率的、効果的に運営されているか
  2. 会計処理及び財務諸表等の作成が法令等に準拠して適正に行われているか

所管課

  1. 出資団体への指導及び監督は適切に行われているか
  2. 出資団体の経営状況等を十分に把握し、事業の適正性、経済性、効率性及び有効性を検証しているか

監査の方法

出資団体及び所管課に対し、関係資料及び諸帳簿等の提出を求め書面による調査を行うとともに、代表取締役、事務局職員及び所管課職員からの説明聴取を行った。

監査の結果

監査の結果、出資団体における会計処理及び財務諸表等の作成に関しては、関係諸帳簿等が整理され法令等に準拠して適正に行われていると認められたが、次の事項において改善を要する事例が見受けられた。

また、所管課の産業振興課においては、出資団体に対する指導も含め改善を要する事例が次のとおり認められた。

出資団体に対する指摘事項

  1. 佐渡市から選任された取締役である前副市長の辞任届が平成28年5月31日に提出されているが、辞任に伴う登記等の手続きが行われておらず、また、新たな役員の選出も行っていないため定款第19条に規定する取締役の員数3名以上の要件が事実上満たされていないことから、早急に後任の取締役を選任されたい。
  2. 設立の主たる目的である両津地区の中心市街地活性化対策事業が具体的に行われていないことから、早期に事業計画を策定し実施されたい。
  3. 不動産賃貸業の物件である物産販売所については、販売事業者が経営不振により撤退し、平成27年10月から平成28年5月までの8か月の賃貸収入80万円が未回収となっていることから、早期の債権回収に努められたい。
  4. 不動産賃貸業の物件である物産販売所の建屋が当初の販売事業者の撤退により空き家となっており、賃貸収入が得られず団体の経営に影響を及ぼしている。また、トキの森公園の景観を損ねて来場者に対して不快感を与えかねない状況であることから、早急に物産販売所の建屋を活用されたい。

産業振興課に対する指摘事項

  1. 出資団体に対する指摘事項1に記載のとおり佐渡市から選出すべき取締役が事実上不足しているが、その状況を生じさせた原因は佐渡市が後任の役員を選出していないことにあり、産業振興課は所管課として責務を全うしていない。現在の状況を解消するために、早急に佐渡市から取締役を選出されたい。
  2. 出資団体は設立の目的である事業をほとんど行っておらず、産業振興課は所管課としてその経営状況を把握しながら、指導等を具体的に行っていないことから、早急に出資団体に対して、適切な指導及び監督をされたい。

監査委員の意見

トキの森公園における物産販売所の建設について、出資関係者に対し意見聴取を行ったところ、株式会社両津TMOの事業実施における三者の認識が異なっていたことが分かった。両津夷本町商店街協同組合及び両津商工会は、「両津市中心市街地活性化基本計画」を基に設立していることから、事業実施は両津地区に限定して行うものと理解しており、物産販売所を新穂地区に建設することについては、少なからず違和感があったとしている。

一方、佐渡市は、両津地区に限定する必要はないと考え、取締役を通じて新穂地区での物産販売所建設を提案し、販売業者を選定した上で不動産賃貸業を行うよう誘導した。

その結果、株式会社両津TMOは、物産販売所を建設し不動産賃貸業を開始したが、販売事業者が経営不振により短期間に撤退し未収債権が発生したこと、また、物産販売所の建屋が販売事業者撤退後空き家となっており、トキの森公園の景観を損ねている状況が生じている。

佐渡市は、物産販売所を公設公営で計画し、議会から計画を見直すよう意見が付されたことにより方針を変更し、株式会社両津TMOに物産販売所の建設を誘導しているが、議会の意見を真摯に受け止め十分検討した上で行ったとしても、この状況を引き起こした責任は重大である。

更に、現在、株式会社両津TMOは、定款に掲げた事業のうち両津港北埠頭駐車場管理事業以外に主な活動を行っておらず、物産販売所の未収債権の回収が進んでいないこと、また、物産販売所の建屋が活用されていないことにより、安定した経営を行っているとは言い難い。

佐渡市は、再三に渡って株式会社両津TMOの取締役の選任を依頼されているにもかかわらずその選任を怠っており、そのことにより会社の業務に支障を生じさせていないとは言い難く、責任は重大である。

早急に佐渡市からの取締役を選出し、これまでの取組みについて検証した上で今後の経営方針を明確にし、株式会社両津TMOに対し適切な指導及び監督をされたい。