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第5章:成長力強化戦略

[HTML版]佐渡市将来ビジョン(2013年12月見直し)(計画年度:平成22〜31年度)(6ページ中:6ページ目)

2014年2月28日、掲載

総合政策課 政策推進係(0259-63-3802)

本ページの目次
  1. 産業の振興
    1. 農林水産業の振興
    2. 生物多様性を基本とした販売戦略
    3. 産業間連携と雇用の確保
  2. 観光等交流人口の拡大
    1. 観光の振興
    2. 交流人口の拡大
  3. 交通インフラの整備
    1. 航空路の整備
    2. 佐渡航路の安定と充実
    3. 島内公共交通体系の整備
    4. 道路の整備
  4. 安全・安心な地域づくり
    1. 災害に強い島づくり
    2. 医療・福祉・介護体制の整備
    3. 過疎化に対応した地域づくり
  5. 佐渡活性化のための人材の育成・確保
    1. 次世代を担う人材育成
    2. 地域や産業のための人材の育成・確保
  6. 佐渡市将来ビジョン成長力強化戦略指標

本市の産業等の構造は、市内総生産に占める公共事業や政府サービスの割合が県内の他の地域に比較して高いこと、さらに、平成31年は平成25年と比較して人口が5千人以上減少すると推計(平成25年3月27日 国立社会保障・人口問題研究所公表)されており、税収減や地域内購買力の低下などが懸念される。あわせて、今後の地方交付税の減少による市の歳出規模の縮小は地域経済に大きな影響を及ぼすと考えられる。

人口減少対策を始め人材育成・確保対策、高齢者・障がい者対策及び防災対策は、本市が早急に取り組まなければならない重要な課題である。

第一に人口減少を最小限に食い止めること及び人口減少による地域内購買力の低下をカバーするため、島外からのU・I・Oターン者の定住環境整備の充実を図り、「佐渡の豊かな自然の恵みを活かした付加価値の高い産業おこし」と、「佐渡の魅力を活かした観光等交流人口の拡大によるにぎわいの島づくり」を進める。

まず産業おこしについては、農林水産物を中心とした産学官連携による6次産業化や企業の第二創業化を推進し、付加価値の高い産業化により、平成22年度は1,912億円である市内総生産を平成19年度まで維持していた2,000億円以上を目指す。

また、観光等交流人口の拡大については、リピート率の向上を目標に、佐渡にある歴史・文化・芸能等に加えて、金銀山、ジオパーク、GIAHSの世界的3資産を活用した滞在交流型観光を充実し、観光入込数70万人を目指す。

これらを達成するためには、地域における自主的な活動となる「芽出し」の支援と関係団体の需要開拓となる「橋渡し」を一体的に進める。

第二に、佐渡の活性化をリードする人材が必要であるため、U・I・Oターン者等、島外からの積極的導入を目指した定住環境整備対策の充実による人材の確保と、小・中・高校生の郷土愛醸成と職業観の育成のための「キャリア教育」、企業での人材教育、高齢者・女性の働き方の仕組みづくり等を通じた人材育成を進める。また、島外からのU・I・Oターンを促進し、人口減少対策と併せて、積極的な人材確保を図る。

第三に、地域住民が一体となった「支えあい」を基本とした高齢者や障がい者対策の充実を図り、安心して働き、暮らせる地域づくりを進める。特に、高齢者の生きがい対策や子どもの発達支援・若者支援対策のため、社会福祉や高齢福祉分野だけでなく、産業と教育分野との連携を進める。

第四に、市民の安全・安心の確保のため、緊急時の情報連絡等の体制整備、離島であるがゆえの迅速なハード・ソフト両面での避難対応の構築等、災害に強い島づくりを進める。

これらを基本として、産業の振興、観光等交流人口の拡大、交通インフラの整備、安全・安心な地域づくり、佐渡活性化のための人材の育成・確保を重点においた成長力強化戦略を定めるものとする。

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1 産業の振興

離島である佐渡は、大企業の誘致による雇用の拡大や規模拡大によるスケールメリットの追求が困難であることから、産業間の連携により各産業の生産波及力を高め合う「総合産業化」が必要である。その中で、地産地消による経済波及力を高めることと地域資源を活かし6次産業化等での付加価値の高い商品の生産を進める必要がある。

また、人口減少等による生産労働力の低下については、女性・高齢者の力でカバーする生産体制の整備、さらに経営の安定のための販売網の構築等を総合的に進める必要がある。

あわせて、産業間や企業間の連携を促進することによって雇用の場を創出する必要がある。

(1) 農林水産業の振興

農林水産業は、朱鷺と暮らす郷づくり認証米やGIAHS認定などにより国内外で評価を得ているものの、生産性が低く担い手が減少していることや、離島の特性から小規模多品目経営が多く、ロットを中心とした従来の市場流通だけでの対応は困難である。

佐渡の強みである豊かな自然と環境を高付加価値化の材料として位置付け、それを武器とした生産と販売を両輪に生物多様性販売戦略を進める。

また、高齢者等の働く仕組みづくりを取り入れ、「なりわい」の拡大による産地化を進める。

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持続的な経営の展開

農業は、本市の基幹産業として重要な位置付けにあり、その担い手の確保のためには、経営の安定化を目指すことが喫緊の課題である。このため、米の「佐渡版所得補償制度」の継続による所得の確保と、地域農業システム作りによる担い手の明確化、地域ビジョンの作成など、将来の営農体制の見える化から再生産可能な経営体の育成を図ることとする。

米以外の農林水産物においても、顔の見える販売体制や地域の特性を活かした生産と販売を両輪として振興する販売戦略を作物に合わせて構築するとともに、多様な販売網を確保した経営安定を進めることとする。

水産業については、将来の持続可能な漁業環境に向けた魚場造成や栽培漁業の推進など、資源管理回復と製氷施設や流動氷の積極的な活用による鮮度管理を重視した佐渡産水産物のブランド力の強化と提供体制の充実を図ることとする。また、販売力を強化するため、生産・流通・販売が連携した取組を推進するとともに、首都圏における産地直送の仕組みの構築を目指し、漁業所得の向上と産地間競争に負けない産地づくりを図ることとする。

林業については、地域でまとまった森林施業と森林作業道整備、施業集約化を進めることに加え、高性能機械の導入を促進し、佐渡産材の低コスト化などにより販売促進を図ることとする。また、森林資源は環境負荷の少ない再生産可能な優れた資源であるため、木材や竹材、もみ殻等を活用した燃料化や培土化を推進し、循環型社会を支える新たな産業の育成を図ることとする。

組織化と法人・団体等の参入促進

農林水産業従事者の高齢化等により、経営の持続が困難となっていることから、地域農業システム作りに取り組み、地域に合った組織化、協業化、法人化を進め、営農や農地保全が安定的に継続できる個人経営を含めた多様な経営体の育成を図ることとする。

農林水産業への法人・団体等の参入を促進するとともに、特に本市の主要産業である建設業が、その保有する人材、機材やノウハウ等を活用して異業種参入し、各産業間の連携を図る第二創業化の促進をすることとする。

多様な担い手の確保

産業活性化に不可欠な若い担い手を確保するため、若者が島に定住、あるいは将来島に戻ってくる人材育成の仕組みを構築することとする。

また、近年、田舎暮らしを希望する若者や退職者世代等が増えていることから、これらのU・Iターン者を多様な担い手として位置付け、農業の里親制度や新規就農者の受入態勢の整備を図るとともに、地域農業システム作りと連携する青年就農給付金等を活用した支援体制により、積極的な担い手の育成を図ることとする。

さらに、地域おこし協力隊など佐渡に関心のある都市住民の移住の促進による人材確保を図るため、農業を活かした都市との交流や地域の情報発信等を積極的に行い、地域活性化につながる仕組みづくりを進めることとする。

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(2) 生物多様性を基本とした販売戦略

産業振興は、生産面と販売面を両輪として捉えていくことが必要であるため、担い手の確保等の生産力強化とあわせ、出口の販売力強化が重要である。

それには、トキやGIAHS認定、棚田ブランド等を最大限に活かしながら、一物一価ではなく「一物数価」に対応した多チャンネルの販売網整備や地産地消による販路拡大に取り組むこととする。

外貨獲得のための島外販売と島内供給体制の整備

販売戦略にとって重要なことは、「外貨獲得」のため島外への販売をしっかりと行うことである。そのため、他の自治体、企業、大学等と連携しながら、多様な販売網の構築を進めることとする。

また、首都圏や京阪神圏における姉妹都市交流や観光交流イベント等、あらゆる機会を通じて佐渡に関心のある購買層を掘り起こし、消費者との結び付きを強める「顧客の常連化」を図るとともに、小ロット生産のプラットホーム化等により島内の供給体制を整備・強化することとする。

さらに、高度成長期の大量消費・大量販売により個性の強い商品が淘汰されてきた時代から独自性を売り出す時代に移行していることから、佐渡の農産品や加工品等が持つ独自性と本物の価値を国内販売のみならず海外に輸出することで、ブランド化による所得の拡大を図ることとする。

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地産地消(地産地商)による島内消費の拡大

景気の動向等により変動するおそれがある市場販売を下支えするためには、島内消費を拡大することが必要である。そのため、生産者、消費者及び事業者が地産地消の意味を理解して、地元でとれた物(作った物)を地元で消費(販売)する地産地消(地産地商)を推進することが重要である。

(ア) 市民が佐渡の物を消費する仕組みづくり

家庭、学校、地域において、地場産品の良さを知り、「佐渡の物を買おう」という意識啓発を行うとともに、6次産業化の推進による地産地消への理解を深めることとする。

特に市内の飲食店や小売店、保育園、学校、福祉施設での地場産品の活用や市民が消費しやすい環境づくりを促進することとする。

(イ) 観光客等に佐渡の物を提供する仕組みづくり
市民の消費拡大を図る一方で、観光等により佐渡に来られる方々に、農林水産物などの佐渡産品をホテル等の食事や土産物に活用する取組を進めることとする。

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販売ブランド力の構築

販売を支えるためには、ブランド力の構築が不可欠である。そのため、朱鷺と暮らす郷づくり認証米のように、寒ブリや椎茸等、米以外の農林水産物においても生きものが共生する環境づくりへの取組を、販売ブランド力の向上につなげることが重要である。

(ア) 生物多様性佐渡戦略の推進

多様な生きもののつながりがもたらす恵みの中で人間は生きているという生物多様性が世界でも注目されており、本市は、里山、里海の整備やレジ袋ゼロ運動等、トキの野生復帰に向けた環境への取組が、「エコアイランド佐渡」として、循環型社会のイメージ向上につながっている。

そこで、トキをはじめとする生きものが共生する環境づくりに向けた様々な取組を販売ブランド力の向上につなげるため、GIAHSにより証明された国際的な価値や大学等と連携した学術的な証明を付加価値として、佐渡の農林水産物等の販売につながる仕組みづくりを行うこととする。

(イ) 更なる環境イメージアップ

エコアイランド推進のための環境施策として、太陽光等の自然エネルギーの活用、電気自動車等低公害車の普及促進、天然杉の保存と活用等の環境関連事業は、生物多様性佐渡戦略の一環として取り組むこととする。

また、地域資源を活用した環境と経済の好循環を図り、本市の環境への取組をアピールし、大学や企業との交流を通して島外資本の活用とイメージアップを図ることとする。

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(3) 産業間連携と雇用の確保

本市では多くの原材料や製品を島外からの移入に依存しており、市内の産業間取引が十分に形成されていないのが現状である。このため、生産・加工・流通・販売に係るあらゆる産業を連携させる仕組みづくりを進める。

また、雇用対策においては、人材の資質向上や能力開発、資格取得に対する考え方を、求人者(企業)から情報を得ながら求職者(就労希望者)とマッチする体制づくりに取り組むこととする。

生産から販売までを連携させる産業構造改革

産業間の生産波及力を高め、佐渡全体の所得向上を図るため、6次産業化、農商工連携、企業連携、第二創業化など、加工・流通・販売の一貫した体制を整備するとともに、商品開発や販売促進のため企業・公的・産学連携を進めることとする。

雇用の確保

求人と求職における業種や条件によるミスマッチが生じているが、これは地域産業に対する認識が不足していることが大きな原因であるため、キャリア教育による小中学生の職場体験や、インターンシップ等を通じた地域産業の学習機会の充実を図ることとする。

また、学校・家庭・地域の連携・協働体制づくりを進め、市内での就業意識の醸成を図るとともに、専門知識の習得や資格取得を促進することとする。

若年の雇用促進

市内事業所の優秀な人材の確保及び定住促進を図るため、若者のU・Iターンによる就業を支援するための取組を進めることとする。

また、福祉、教育分野との協力のもとハローワークや地域若者サポートステーションと連携し、若年無業者等に対する職業的自立支援の取組を促進することとする。

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2 観光等交流人口の拡大

長引く景気の低迷などにより、佐渡観光における入込数は、平成3年をピークに年々減少し、近年ではピーク時の半分以下の53万人程度で推移している。

佐渡は、トキや世界的3資産を有する島であり、また、食・文化・芸能・自然等他に類を見ないほど豊富な観光資源を有しているオンリーワンの島であるにもかかわらず、これらのオリジナリティを最大限に発揮した取組ができていないのが現状である。

観光等交流人口の拡大は、人口減少の歯止めと地域内購買力低下をカバーする効果があることから、島民一丸となった観光誘致が必要である。

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(1) 観光の振興

他に類を見ないほど豊富な資源を有しているオンリーワンの島であること、また、北陸新幹線の開通により上越新幹線との周遊の要としての佐渡が位置付けられることなど、佐渡にとって絶好の機会といえることから、観光振興の方向性を認識するとともに、観光地「佐渡」の戦略的なイメージづくりやブランドの確立と効果的な情報発信が必要不可欠である。

そもそも観光は、観光関連業者だけでなく地域全体の産業に及ぶものであり、強みである第1次産業との連携を通して地域でお金が循環する仕組みを作り、地域全体が当事者であることを理解しあうことが重要である。

また、佐渡観光の大きな課題はリピート率の低さである。この要因として、島民全体のウェルカム精神の低さや着地型観光、滞在・交流型観光への対応の遅れ、案内板の不足等が指摘されておりこの対応が急務である。

多様化する顧客ニーズへの対応

(ア) 顧客ニーズ別戦略
常に変化する顧客ニーズをしっかりと分析し、ニーズに合ったシーズ(資源)のマッチングを図るとともに観光戦略をアクティブに構築する。そして本物のアクティビティ群の開発と発信を行うことで、「本物の価値ある旅」を提供することにより、リピート率の向上や宿泊日数の増加を図ることとする。
(イ) 「おもてなし」の向上

リピート率の向上や宿泊日数の増加のためには、顧客ニーズ別の戦略とともに、観光客に佐渡を選んでもらう「おもてなし」の向上が必要である。何よりも島民が一丸となっておもてなしの心で迎える意識啓発と、観光サービス業関係者が中心となって意識改革を図ることとする。

旅行の満足度を向上させるため、地域の専門ガイドやボランティアガイドを養成し、本物の価値を島民が伝えることにより、人と人の結びつきを生み、リピーターにつなげるとともに、多様な顧客ニーズに対応する仕組みづくりを進めることとする。

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観光資源の整理と活用

(ア) 観光資源の発掘・整理・活用
佐渡は豊富な観光資源を有しているにもかかわらず、迎え入れる島民が「その魅力に気が付いていないこと」や「体験メニューが体系的に整理されていないこと」など、観光地としての魅力向上に十分活かしきれていない。そのため、観光資源の発掘・整理を行った上で、それぞれを点で終わらせるのではなく、環境や歴史・文化などにより物語性を付加し、点から線、線から面的に連携させ活用を図る必要がある。市と関係団体は連携して組織体制等を強化し、世界的3資産を始めとする取組とニューツーリズムとの融合を推進することにより新たな観光資源の発掘と活用を図ることとする。
(イ) 観光施設等の整備

観光施設等の利用者の満足度を向上させるため、公共の観光施設等の整備を行うとともに、通信環境の改善等を目的とした民間施設の整備を促進することとする。

あわせて、きめ細やかな観光情報の案内機能の充実や、観光客の利便性と快適性の向上に必要な施設の充実を図ることとする。

誘客対策

トキや金銀山によって佐渡の知名度は高まっているが、それ以外の資源等についてはあまり知られていないのが現状である。世界的3資産や伝統芸能、伝統料理などのオンリーワンの魅力を効果的に発信するシティープロモーションを行うとともに、佐渡の魅力を案内できる人材を育成し、佐渡旅行へのきっかけ作りを促し、各関係団体等と連携し積極的に島外での宣伝活動を行うこととする。

観光と他の産業との連携

リピーターや宿泊数の増加により、観光客の市内支出総額や観光消費の生産波及効果を高めるとともに、他地域では需要の高い産物を事業者間で取引することで、地域オリジナルを求める消費者ニーズに応えると同時に、産業間連携の仕組みづくりを市が中心となって行うこととする。

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(2) 交流人口の拡大

交流人口の拡大に向けては、交流の相手や目的を明確にし、その受入体制を整備することとする。また、交流を定住につなげる取組を図ることとする。

ターゲットの明確化

(ア) 大学、姉妹都市、ツーリズム等

大学、姉妹都市、GIAHS関係都市との交流には、滞在交流型、体験交流型などのニューツーリズム等多様な交流形態がある。

「光を観る」と言われた旅行形態から「別の地域で体験・交流・学習」などに変化している時代のニーズをしっかりと捉え、ターゲットを明確にした交流を推進し、市の活性化につなげることとする。

特に、大学生等については授業の一環とした仕組みを構築することとする。

(イ) 国際交流
アース・セレブレーションなどの国際交流イベントや、ホームステイなどの身近な交流をきっかけに外国人観光客を増やすことが必要である。そのため、欧米や東アジアを中心とした外国への情報発信や受入体制の整備を進めるとともに、世界的3資産を活用した海外の観光客の増加や登録地域との交流の拡大を図ることとする。

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受入施設の整備

学生のフィールドワーク(現地学習などの長期滞在)や各種スポーツ団体などの合宿誘致を推進するとともに、滞在形態に合わせた受入施設の整備を、市が所有する遊休施設の再活用により図ることとする。

定住の促進

(ア) 交流から定住への展開
潜在的な移住希望者を定住につなげていくことが重要である。そのため、佐渡での就業や医療・福祉・子育て環境等の暮らしの情報、移住に関する支援策の情報を発信し、観光等の交流から、短期滞在や二地域居住(Oターン)等をとおして、定住へとつなげる仕組みづくりを行うこととする。
(イ) 定住環境の整備

定住希望者にとっては、就業の場と住居の確保が重要となる。そのため、農林水産業や観光の振興における産業間連携による幅広い就業機会の創出を図るとともに、空き家や既存市有施設の活用等、定住希望者のニーズに合った住居の提供を図ることとする。

一方で、介護・看護職等では人材が不足している状況にあり、人材ニーズをしっかりと把握し、定住希望者との求人・求職のマッチングを図ることとする。

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3 交通インフラの整備

市民の安全・安心、産業振興及び観光客をはじめとする交流人口の拡大を推進するためには、交通インフラ整備は重要であり、成長力強化の基盤となるものである。

(1) 航空路の整備

本市は、本土との交通手段のほとんどを航路に頼っている現状にあるが、長い移動時間、冬季欠航による孤立等のハンディは、医師確保や企業進出、交流人口の拡大等に大きく影響し、島外者が佐渡を体験する機会を阻害する原因にもなっている。他方、国内における高速交通網は整備が進められ、本市以外の離島は着実に空港整備が行われてきた。

現在、新潟空港と佐渡空港とを結ぶ空路はあるが、就航率・搭乗率が伸びず交流人口の増加等に寄与しているとは言い難い状況であり、安定した運行及び更なる利用促進を図る必要がある。

市内には世界的3資産を有することや、トキの野生復帰などにより国際的な注目も高まっていることから、現空港の利用促進とともに国内外の一層の交流を促進するため、ジェット機等による海外チャーター便就航や首都圏等との直行便が可能な2,000メートル滑走路の整備が必要不可欠である。また、災害などの緊急時に人員・物資輸送強化の観点から、自衛隊機を含めより多くの救援機を受け入れるためにも、滑走路延長2,000メートル級の拡張整備を事業化し、首都圏等との直行便を開設するよう、県とともに取り組むこととする。

平成3年に第6次空港整備5か年計画への組み入れが閣議決定されてから数十年経ってもいまだに事業化に至っておらず、喫緊の課題として早急に対処しなければならない。

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(2) 佐渡航路の安定と充実

佐渡航路は、島民のみならず観光客・ビジネス客などの移動手段として重要な交通インフラである。人の往来や物資の輸送手段として課題となっている航路運賃の低廉化を図るとともに、航路の安定運航及び運航体制の充実が不可欠である。

航路全体の活性化

北陸新幹線と上越新幹線の2つの新幹線を最大限に活用し、佐渡を扇の要とする周遊型広域観光を促進することとする。

佐渡航路を取り巻く環境の変化や高速輸送に対応するため、小木・直江津航路に高速カーフェリーを、両津・新潟航路に新型カーフェリーの導入を促進するなど、国、県、対岸市及び航路事業者と連携して航路の利便性向上に取り組むこととする。

また、赤泊・寺泊航路の赤字縮小を図るため、本土と最短距離にある航路の優位性を高め利用の促進を図ることとする。

運賃低廉化等による航路の利用促進

観光誘致や交流人口の拡大、中でもリピート率の向上を図るうえで、航路運賃の高さが常に障害となっている。運航事業者の経営努力を促すとともに、離島活性化交付金など国の様々な支援制度を活用して、運賃の低廉化を図ることとする。

また、快適な船旅の提供や社会情勢に見合った取組を進め、交流人口の拡大及び利用者の利便性の向上を図ることとする。

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(3) 島内公共交通体系の整備

地域活性化、観光二次交通の充実及び環境負荷の軽減等のため、抜本的な島内公共交通体系の見直しが必要である。

具体的には、過疎化・高齢化に対応した効率的な路線網への見直しを行うとともに、佐渡総合病院を中心とした利便性の高い公共交通網を構築し、学生や高齢者などの交通弱者が使いやすい生活交通を維持することとする。

また、北陸新幹線開業による周遊型観光を促進するため、利用者のニーズにあった路線の見直しや多様な交通手段の提供など、交通事業者と連携した取組を進めることとする。

(4) 道路の整備

道路は市民誰もが、安全・安心に暮らせる豊かな地域を実現していく上で必要不可欠であるほか、地域産業・経済への波及効果をもたらす重要な交通インフラである。市全体を広域的視野に入れ、市民生活に支障をきたしている未改良区間の整備を優先して進め、周辺地域の格差解消を図るとともに、病院や福祉施設、港湾、空港、観光施設等へのアクセスも考慮しながら、魅力ある島づくりなど交流人口の拡大に資する道路整備を県と連携を図りながら進めることとする。

また、既存道路施設の計画的な修繕・更新により道路ネットワークの信頼性を高め、広域防災、緊急医療の観点からも災害に強い道路づくりを県とともに進めることとする。

4 安全・安心な地域づくり

高齢化や人口減少等が進行する中、市民が安全・安心に暮らすことのできる地域づくりは、成長力強化の基盤となるものである。

特に防災上の観点では、東日本大震災の教訓から「災害への対応力の強化」が求められている。さらに、水道等のライフラインの整備・更新及び持続、公共施設等の整備及び適正管理などのインフラ整備は必要不可欠である。

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(1) 災害に強い島づくり

災害から命や地域を守るため、地域の組織力の向上と人材育成や体制の整備、減災対策において、ハード・ソフト両面での対策を進める。

組織力の向上と人材育成

自主防災組織や事業所などに防災リーダーを養成し、防災訓練等の活動の活発化、地域防災力の強化及び防災意識の高揚を図るとともに、消防団の機動力強化や消防団員が地域に密着した活動ができる環境整備を進めることとする。

市内全域で高度な救急医療行為を迅速かつ的確に行えるよう、救急救命士の養成や救急隊員の資質向上に努めるとともに、市民に対する応急手当の知識・技術の普及啓発を図ることとする。

体制整備

東日本大震災の教訓から、「早く知らせること、早く逃げること、早く対応すること」を実現するため、緊急情報伝達システムを核とした迅速かつ確実な情報連絡網を整備し、地域ハザードマップ、避難路整備、防災訓練等による避難態勢の再構築、自主防災組織等の各種団体との連携による対応力の強化を図ることとする。

非常時に市民のライフラインを確保するため、水道・下水道施設等の整備・更新における耐震化や維持管理体制の充実を図るとともに、離島に必要不可欠な耐震岸壁等の事業化を推進し、災害に強い島づくりを進めることとする。

減災対策

公共施設の耐震改修を最優先とし、民間住宅等の耐震化を促進するとともに、道路等の点検により減災対策に取り組むこととする。

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(2) 医療・福祉・介護体制の整備

過疎化、高齢化が進む本市においては、誰もが平等に医療・福祉・介護サービスを受けられる体制の整備が必要である。とりわけ、介護サービスが重要となっており、そのための人材確保や環境整備が不足しているため、民間活力を活用した多様なサービスの提供に全力をあげて取組むとともに、希望をもって安心して暮らせる環境・地域づくりを進める。

拠点づくりと人材確保

福祉版コンパクトシティ構想により、医療・福祉・介護分野の連携の取れた拠点づくりの推進と、介護保険基盤整備による待機者解消と在宅サービスの充実を図る必要があるため、医療・福祉・介護の現場で喫緊の課題となっている医療や介護の従事者等が住みやすく働きやすい環境を整備することにより、市内外からの医療・介護等の有資格者等の確保に取り組むこととする。

また、平成25年4月にスタートした患者情報を共有する医療連携ネットワークを活用し、市民が迅速な治療を受けられる体制づくりを促進するとともに、市内医療資源の確保に取り組むこととする。

民間・地域活力の導入

多様なサービス提供の担い手として民間の持つ柔軟性・効率性を活用するため、NPO団体等の民間事業者の育成支援や、参入しやすい環境の整備を行うこととする。

さらに、支所・行政サービスセンターにおける地域コーディネート機能の強化を図り、自助・共助・公助体制の再認識を行うとともに、教育と福祉及び福祉と雇用の連携を図り、高齢者や障がい者及びその家族等が安心して働き、暮らせる地域づくりを進めることとする。

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(3) 過疎化に対応した地域づくり

過疎化や少子高齢化により、伝統芸能の継承や集落運営が困難になるなど、地域コミュニティの弱体化が進んでいるため、企業・NPO団体・大学等との連携・協働体制の仕組みや、福祉版コンパクトシティ構想の推進による地域自立組織化に向けた連携支援の仕組みづくりを行い、地域力の向上を図ることとする。

また、地域の特色ある発展を目指すため、支所等が地域の拠点となって住民との協働による地域づくりを推進することとする。

5 佐渡活性化のための人材の育成・確保

本市の活性化を図るためには人づくりは極めて重要であり、福祉、文化、産業等のあらゆる分野において、人材の育成・確保が必要である。

学校教育では、学校のみでなく家庭・地域・行政が一体となり「知・徳・体」を育むことを地域の課題として取り上げ、一人ひとりの良さを尊重し、伸ばしていく教育環境の整備・充実を推進する。

また、人口減少が進行する中、減少に伴う問題を地域一丸となって解決する行動力が必要であるため、高齢者と女性の力を活かせる仕組みづくりとそれを活かす取組を進める。

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(1) 次世代を担う人材育成

人材育成については、次世代を担う子どもの教育を推進するとともに、女性の社会参加の環境づくりと子育て支援により、子どもが健やかに育つ環境づくりを進める。

次世代の教育

郷土への誇りと夢を合わせもつ豊かな人間性・社会性を備えた人材を育てるためには、学校・家庭・地域による協働体制づくりが必要であるため、市内教育機関における佐渡学や地域産業を学び、郷土愛を醸成するためのキャリア教育を徹底する。

また、キャリア教育を推進するための課題や解決策を協議する体制整備に取り組み、将来的に自立した人材を育成することとする。

女性の社会参加の環境づくり

女性の社会参加の進行により、多くの場面で女性が活躍している一方、未婚化、晩婚化による出生率の低下などが人口減少の一因となっている。

このため男女共同参画を推進することにより、結婚や出産を経ても女性が働き続けられる雇用環境の整備や、男性の家庭への参画を推進するなど、女性の仕事と生活の調和を図ることとする。

子育ての支援

子育てを取り巻く環境が大きく変化する中、多様なニーズへの対応や保護者の就労と子育ての両立を支援するため、乳幼児期から青年期までのそれぞれのライフステージに応じた切れ目のない支援体制の構築が求められている。

このため、保健・医療・福祉・教育が連携し、健やかな妊娠・出産をサポートするとともに、発達支援などの個に応じた適切な支援を行うなど、地域社会全体の子育て機能の向上を図りながら、全ての子どもが健やかに育つ環境づくりを進めることとする。

また、子どもたちが地域で安心して育つための社会教育の充実を図り、地域全体で支える仕組みづくりに取り組むこととする。

あわせて、子育てに係る経済的負担と精神的負担の軽減を図るなどの支援体制を強化することにより、子育てしやすい島づくりに取り組むこととする。

さらに、結婚適齢期の男女の出会いの場を創出し、結婚を奨励することにより少子化対策を図ることとする。

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(2) 地域や産業のための人材の育成・確保

本市の産業や地域の活性化には、産業横断的・客観的な視点を持った人材が不可欠であると同時に、地域産業に精通した人材が不可欠である。

このため、島外の企業や大学との人材交流の促進や、島外企業や先進地域への研修を通じ、あらゆる分野での企画力、指導力のある人材の育成を推進する。あわせて、外部の優秀な人材を導入することにより、地域や産業の活性化を図ることとする。

また、インターンシップや大学生、U・Iターン者等の活用により、専門性の高い技術を有する人材の確保を推進することとするとともに、地域の産業を盛り上げるため、高齢者と女性の力を活かした働く仕組みを構築し、活動人口の増加を推進することとする。

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6 佐渡市将来ビジョン成長力強化戦略指標

1.産業の振興

  1. 農林水産業の振興
    1. 持続的な経営の展開
      主要農産物の販売額
      • 現状:6,294百万円(年間)
      • 平成31年度目標:6,400百万円(年間)
    2. 組織化と法人・団体等の参入促進
      農業生産法人及び生産組織数
      • 現状:35団体(累計)
      • 平成31年度目標:75団体(累計)
    3. 多様な担い手の確保
      新規就農者数
      • 現状:14経営体(年間)
      • 平成31年度目標:34経営体(年間)
  2. 生物多様性を基本とした販売戦略
    1. 外貨獲得のための島外販売と島内供給体制の整備
      認証米取扱店舗数(米穀店)
      • 現状:252店舗(累計)
      • 平成31年度目標:380店舗(累計)
    2. 地産地消(地産地商)による島内消費の促進
      1. 市民が佐渡の物を消費する仕組みづくり
        地産地消の市民理解度
        • 現状:-
        • 平成31年度目標:90%
      2. 観光客等に佐渡の物を提供する仕組みづくり
        地産地消プラン取組ホテル軒数
        • 現状:2軒(累計)
        • 平成31年度目標:佐渡観光旅館連盟加盟数の80%(累計)
    3. 販売ブランド力の構築
      1. 生物多様性佐渡戦略の推進
        朱鷺認証米取組農家数
        • 現状:684戸(累計)
        • 平成31年度目標:800戸(累計)
      2. 更なる環境イメージアップ
        電気自動車及び太陽光エネルギー補助件数
        • 現状:57件(年間)
        • 平成31年度目標:80件(年間)
  3. 産業間連携と雇用の確保
    1. 生産から販売までを連携させる産業構造改革
      市内総生産
      • 現状:1,912億円(年間)
      • 平成31年度目標:2,000億円(年間)
    2. 雇用の確保
      有効求人倍率
      • 現状:0.78倍(年間)
      • 平成31年度目標:県平均並み
    3. 若年の雇用促進
      若者U・Iターン支援数
      • 現状:-
      • 平成31年度目標:80人(年間)

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2.観光等交流人口の拡大

  1. 観光の振興
    1. 多様化する顧客ニーズへの対応
      1. 顧客ニーズ別戦略
        佐渡観光旅館連盟加盟旅館延べ宿泊数
        • 現状:364,493泊(年間)
        • 平成31年度目標:492,000泊(年間)
      2. 「おもてなし」の向上
        リピート率
        • 現状:37.8%(年間)
        • 平成31年度目標:55%(年間)
    2. 観光資源の整理と活用
      1. 観光資源の発掘・整理・活用
        着地型旅行商品利用者数
        • 現状:1,100人(年間)
        • 平成31年度目標:20,000人(年間)
      2. 観光施設等の整備
        観光・文化施設満足度
        • 現状:63.6%
        • 平成31年度目標:67.0%
    3. 誘客対策
      観光入込数
      • 現状:53万人(年間)
      • 平成31年度目標:70万人(年間)
    4. 観光と他の産業との連携
      観光客一人当たり平均宿泊日数
      • 現状:1.56泊
      • 平成31年度目標:1.61泊
  2. 交流人口の拡大
    1. ターゲットの明確化
      1. 大学、姉妹都市、ツーリズム等
        修学旅行人数
        • 現状:18,761人(年間)
        • 平成31年度目標:19,000人(年間)
      2. 国際交流
        外国人観光客数
        • 現状:1,510人(年間)
        • 平成31年度目標:5,000人(年間)
    2. 受入施設の整備
      合宿誘致延泊数
      • 現状:5,059泊(年間)
      • 平成31年度目標:7,000泊(年間)
    3. 定住の促進
      1. 交流から定住への展開
        移住者数
        • 現状:11組(年間)
        • 平成31年度目標:15組(年間)
      2. 定住環境の整備
        新規空き家情報登録件数
        • 現状:24件(年間)
        • 平成31年度目標:25件(年間)

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3.交通インフラの整備

  1. 航空路の整備
    佐渡・新潟航空路利用者数
    • 現状:4,959人(年間)
    • 平成31年度目標:10,000人(年間)
  2. 佐渡航路の安定と充実
    1. 航路全体の活性化
      航路利用者数
      • 現状:1,690,656人(年間)
      • 平成31年度目標:2,000,000人(年間)
    2. 運賃低廉化等による航路の利用促進
      航路利用者数
      • 現状:1,690,656人(年間)
      • 平成31年度目標:2,000,000人(年間)
  3. 島内公共交通体系の整備
    路線バス利用者数
    • 現状:649,670人(年間)
    • 平成31年度目標:720,000人(年間)
  4. 道路の整備
    道路改良率
    • 現状:47%(累計)
    • 平成31年度目標:49%(累計)

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4.安全・安心な地域づくり

  1. 災害に強い島づくり
    1. 組織力の向上と人材育成
      普通救命講習修了者
      • 現状:487人(年間)
      • 平成31年度目標:700人(年間)
    2. 体制整備
      自主防災組織の組織率
      • 現状:87.8%(累計)
      • 平成31年度目標:100%(累計)
    3. 減災対策
      道路ストック総点検実施率
      • 現状:-
      • 平成31年度目標:100%(累計)
  2. 医療・福祉・介護体制の整備
    1. 拠点づくりと人材確保
      ケアカフェ設置数(ものわすれ相談会併設)
      • 現状:-
      • 平成31年度目標:10か所(累計)
    2. 民間・地域活力の導入
      市民後見人数
      • 現状:-
      • 平成31年度目標:15人(累計)
  3. 過疎化に対応した地域づくり
    元気な地域づくり活動支援件数
    • 現状:-
    • 平成31年度目標:50件(年間)

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5.佐渡活性化のための人材の育成・確保

  1. 次世代を担う人材育成
    1. 次世代の教育
      市制度奨学生数
      • 現状:15人(年間)
      • 平成31年度目標:71人(年間)
    2. 女性の社会参加の環境づくり
      合計特殊出生率
      • 現状:1.82(年間)
      • 平成31年度目標:2.08(年間)
    3. 子育ての支援
      平均月額保育料順位(低額順、県内20市内)
      • 現状:1位(年度間)
      • 平成31年度目標:1位(年度間)
  2. 地域や産業のための人材の育成・確保
    誘致専門学校島内出身入学者数
    • 現状:17人(年間)
    • 平成31年度目標:40人(年間)

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