○佐渡市議会基本条例

令和5年12月26日

条例第41号

目次

前文

第1章 総則(第1条・第2条)

第2章 議会及び議員の活動原則(第3条―第7条)

第3章 市民と議会との関係(第8条―第10条)

第4章 議会と市長等との関係(第11条―第15条)

第5章 議会の組織(第16条―第19条)

第6章 議員の政治倫理、身分及び待遇(第20条―第22条)

第7章 見直し手続等(第23条・第24条)

附則

佐渡市は、平成16年3月1日に1市7町2村が一つに対等合併し、トキと共生する自然、金銀山に象徴される歴史や文化を有する離島の自治体である。少子高齢化が進む中で、多様性あふれる素晴らしい佐渡を次世代に継承し、発展させていかなければならない。

地方議会は、二元代表制の一翼として、執行機関に対して、監視と政策提案機能など持てる権能を十分に駆使し、活力と責任ある議会活動が求められている。

佐渡市議会は、主権者である市民との協働のもと、市民の意思を市政に反映し、合議制の機関としての特性を最大限生かしていくため、透明性、公平性及び公正性の保持、積極的な情報の公開や政務活動を行いながら、市民参加による自治の拡充を図り、住民福祉の向上に努め開かれた議会を目指す責務が求められている。

よって、佐渡市議会は市民の主権による自治の推進を図り、不断の議会改革を進めながら、全力で市民の負託に応えていくことを決意する。ここに議会及び市議会議員の活動原則等の基本的事項を定め、議会の最高規範としてこの条例を制定する。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、佐渡市議会(以下「議会」という。)及び佐渡市議会議員(以下「議員」という。)について、活動の活性化及び充実のために必要な議会運営の基本的事項を定めることにより、佐渡市民(以下「市民」という。)の負託に応え、市民の福祉の向上及び市政の発展に寄与することを目的とする。

(最高規範性)

第2条 この条例は、議会における最高規範であり、議会に関する他の条例、規則等の制定、改廃並びに解釈及び運用に当たっては、この条例の趣旨を尊重し、この条例との整合を図るものとする。

2 議会は、議員にこの条例の理念を浸透させるため、改選後、速やかに、この条例の研修を行わなければならない。

第2章 議会及び議員の活動原則

(議会の活動原則)

第3条 議会は、次に掲げる原則に基づき活動しなければならない。

(1) 議会は、民主的かつ効率的な議会運営を行うとともに、議員間における討議を通じて合意形成を図るよう努めるものとする。

(2) 議会は、市民を代表する議決機関であることを常に自覚し、市民の意見の把握に努め、開かれた議会運営を行うものとする。

(3) 議会は、市政運営の監視及び評価を行うとともに、積極的に政策立案及び政策提言を行うものとする。

(4) 議会は、議案等の審査又は調査に当たり必要があると認めるときは、公聴会、参考人及び学識経験者等による専門的調査などの制度を積極的に活用するものとする。

(5) 議会は、継続的に議会改革を推進するものとする。

(6) 議会は、議会の機能を保持し、円滑な議会運営を実現するため、予算の確保に努めるものとする。

(7) 議会は、審議及び政策提言の能力を高めるため、先進自治体等に対する研修並びに専門家及び有識者による研修会を積極的に実施するものとする。

(議員の活動原則)

第4条 議員は、次に掲げる原則に基づき活動しなければならない。

(1) 議員間の自由な討議を重んじるとともに、議会が言論の府であること及び合議制の機関であることを十分に認識すること。

(2) 市民の多様な意見を的確に把握し、市政に反映させること。

(3) 市政に関する必要な調査研究を行い、政策立案及び政策提言を行うよう努めること。

(4) 議会活動及び市政に関する自らの考えについて、市民への説明責任を果たすこと。

(5) 市民の福祉向上を目指し、市政全体を見据え、普遍的な利益のために活動すること。

(6) 高い倫理観を持って、誠実にその職務を遂行し、自らの言動等に責任を持つこと。

(7) 不断の研鑽に努め、自己の資質を高めること。

(附属機関の設置)

第5条 議会は、議会の諸活動に関する審査、諮問又は調査のため必要があると認めるときは、別に条例で定めるところにより、附属機関を置くことができる。

(災害時の議会対応)

第6条 議会としての災害対応は、いかなる災害においても、市長の招集等に応じて議会活動を行うことを本分とする。

2 議長は、いかなる災害においても、市が提供する災害情報を一元管理し、議員へ周知するものとする。

3 議員は、いかなる災害においても、可能な範囲で、各地域における災害対応に積極的に従事するものとする。

(議長の責務)

第7条 議長は、議会を代表して中立公正な職務遂行に努めるとともに、議会の品位を保持し、民主的かつ効率的な議会運営を行わなければならない。

第3章 市民と議会との関係

(市民参加及び協働)

第8条 議会は、市民参加の機会を多様に設けて、市民との協働を推進するよう努めるものとする。

2 議会は、請願及び陳情の審議においては、必要に応じて、当該請願者又は陳情者の意見を聴くよう努めるものとする。

3 議会は、市民の意見及び専門的知見を審議に反映させるため、公聴会制度及び参考人制度の活用に努めるものとする。

4 議会は、重要な条例の制定、改正若しくは廃止又は政策等を提言しようとするときは、市民の意見を聴くために必要な措置を講じて、当該意見に対する議会の考え方及び結果を公表するよう努めるものとする。

5 議会は、本会議及び委員会について、市民等の傍聴を促進するよう努めるものとする。

(市民意見交換会等)

第9条 議会は、議案等の審議及び審査の内容について市民に報告する場として議会報告会を開催し、また、市政について市民と積極的に意見を交換する場として市民意見交換会を開催することができる。

(議会の広報及び公聴の充実)

第10条 議会は、議会の諸活動について、広く市民に周知するよう努めるものとする。

2 議会は、市民が議会における意思決定に関わる重要な情報や、討議を含む審議過程等の決定経過及び、結果に関する情報を入手することができるようケーブルテレビの利用、インターネットの利用、議会広報紙の発行やその他の方法により、広報の充実に努めなければならない。

3 議会は、市民の意見を広く聴取し議会活動に反映させるため、議会モニターを設置することができる。

第4章 議会と市長等との関係

(執行機関との関係)

第11条 議会は、執行機関との対等な緊張関係を常に保持し、事務の執行の監視及び評価その他の議決機関としての責務を果たしていくものとする。

2 市長及び行政委員会の長は、本会議及び委員会において、議員の質問又は意見に対し、議長又は委員長の許可を得て反問することができる。

(政策等の形成過程の説明要求)

第12条 議会は、議案、重要な計画等について、市長等に対し、必要な情報を明らかにするよう求めるものとする。

2 議会は、市長が議決事件に含まれない重要な計画等を策定又は変更するときは、あらかじめ、市長に対し、議会の意見を聴く機会を設けるよう求めるものとする。

(政策立案及び政策提言)

第13条 議会は、条例の制定、議案の修正、決議等を通じて市長に対し、積極的に政策立案及び政策提言を行うものとする。

(地方自治法第96条第2項の議決事件)

第14条 議会と執行機関がともに市民に対する責任を担いながら、計画的かつ市民の視点に立った透明性の高い市政の運営に資するため、総合計画基本構想のほか、市政における重要な計画、提携及び協定のうち、議会が必要と認めるものについては、地方自治法(昭和22年法律第67号)第96条第2項の規定に基づく議決事件として別に条例で定めるものとする。

(附帯決議)

第15条 議会は、本会議において可決した附帯決議について、執行機関に対し最大限尊重することを求めるとともに、当該附帯決議に関する事後の状況、対応等を議会に報告するよう求めるものとする。

第5章 議会の組織

(委員会)

第16条 委員会は、議案の審議等について、委員間討議を保障した運営を行うとともに、議会の政策立案及び政策提言につながるよう努めなければならない。

2 常任委員会は、精力的に所管事務調査を行うものとする。

3 委員会は、その所管する議案等の審査を行った結果、審議経過を報告するとともに、必要と認めるときは、委員会として意見を付すことができるものとする。

4 委員長は、委員会の議事整理や秩序の保持について、その責務を果たさなければならない。

(会派)

第17条 議員は、議会活動を行うため、会派を結成することができる。

2 会派は、同一の理念を有する議員で構成し、政策立案、政策決定に関し、議論を尽くして合意形成に努めるものとする。

3 議長は、円滑な議会運営のための各会派の協議等の場として、各会派の代表者からなる会議を開催することができる。

(議会事務局の体制整備)

第18条 議会は、議会の政策立案能力を向上させ、議会活動を円滑かつ効率的に行うため、議会事務局の機能強化を図るものとする。

2 議会事務局の職員は、議会活動を補佐するのみにとどまらず、議会の使命を果たすべきことを自任し、職務に当たるものとする。

(議会図書室)

第19条 議会は、議員の調査研究に資するため、議会図書室の図書等の充実に努め、その有効活用を図るものとする。

2 議会図書室は、誰でも利用することができるものとする。

第6章 議員の政治倫理、身分及び待遇

(議員の政治倫理)

第20条 議員は、佐渡市議会議員政治倫理条例(令和元年佐渡市条例第14号)を遵守するものとする。

(政務活動費)

第21条 政務活動費の交付を受けた会派及び議員は、政務活動費を適正に活用し、積極的に調査研究を行わなければならない。

2 政務活動費の交付を受けた会派及び議員は、政務活動費の執行に当たっては、佐渡市議会政務活動費の交付に関する条例(平成16年佐渡市条例第5号)を遵守し、市民への説明責任を果たさなければならない。

(議員定数等)

第22条 議員の定数及び報酬(以下「議員定数等」という。)は、別に条例で定める。

2 議会は、議員定数等の見直しに当たっては、行財政改革の視点だけではなく、市政の現状、課題及び市民の意見等を十分考慮するものとする。

第7章 見直し手続等

(検証及び見直し)

第23条 議会は、年1回、この条例の目的が達成されているかどうかを検証するものとする。

2 議会は、前項の検証の結果、改善の必要があると認められる場合は、この条例の改正を含めて適切な措置を講じるものとし、見直した場合には、当該検討経過等を市民に明らかにするものとする。

(委任)

第24条 この条例に定めるほか、本条例の施行に関し必要な事項は、別に定める。

この条例は、令和6年4月1日から施行する。

佐渡市議会基本条例

令和5年12月26日 条例第41号

(令和6年4月1日施行)