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指定種別(員数) | 彫刻(1躯) |
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指定年月日 | 平成25年3月26日 |
所在地 | 佐渡市長谷 |
所有者または管理者 | 長谷寺 |
長谷寺の観音堂内、かつて秘仏の本尊十一面観音像(国重文)を納めていた厨子の右脇壇上に安置されている。本像は、一木造の構造や大きめの頭部、太づくりの体躯をもつ点に平安前期の余風をとどめているが、内刳りが深く材厚約3cmに及ぶこと、膝前の浅く穏やかな衣文や臂釧の彫口に藤原和様を認めうることから、11世紀に入っての造像とみられる。
平安時代にさかのぼる国宝・重文の木造不動明王像は84例にすぎず(立像・五代明王中の像を含む)、この像はその制作年代とともに坐像中の数少ない大作としても貴重である。像容においても、一木造の悠揚たる作風と藤原和様の穏やかな彫口をともにそなえた優作であり、古刹長谷寺の往昔の伽藍の規模と佐渡の文化的特長をうかがうことができる。