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指定種別(員数) | 考古資料(471点) |
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指定年月日 | 平成12年3月24日 |
所在地 | 佐渡市相川長坂町 |
所有者または管理者 | 佐渡市 |
佐渡奉行所跡は、平成6年に佐渡金山遺跡の一部として国史跡に指定され、平成6〜10年にかけて保存整備事業に伴う発掘調査が実施された。発掘調査では、大御門から役所玄関に至る石畳や役所礎石の一部、井戸などの遺構と、陶磁器、瓦、木製品をはじめとする生活用具とともに、多数の金銀精錬関連遺物が出土し注目された。
主な出土遺物は、鉛板、荷札木簡、寄勝場跡出土の船、桶、笊などの木製品、1600点以上の石磨、扣石などである。鉛板は、役所跡南側の空地で検出された土坑から一括出土したもので、金銀の精錬(灰吹法)に必要なものである。寛永18年(1641)に備蓄のために埋納され、享保3年(1718)に灰吹法の鉛不足から一部を掘り出した残りと考えさせられる。
鉱山関係遺跡の調査例は全国的にも未だ少なく、出土遺物も極めて少ない状況である。佐渡奉行所跡出土の金銀精錬関連遺物は、わが国における近代以前の精錬技術を考えるために欠くことのできない貴重な資料である。