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佐渡市指定 有形文化財:庚門塚出土陶硯

記事ID:0005094 更新日:2022年1月1日更新 印刷ページ表示

佐渡市指定 有形文化財

庚門塚出土陶硯(こうもんづかしゅつどとうけん)

庚門塚出土陶硯

指定種別(員数) 考古資料(1)
指定年月日 平成16年3月1日
所在地 佐渡市真野新町
所有者または管理者 個人蔵

明治41〜42年(1908〜1909)頃、真野地区真野新町の庚門塚(国登録有形文化財 森医院敷地内)で溜池掘りが行われた際に出土した須恵器の陶硯である。

形態は風字硯に属し、縦16cm、横14.5cmでほぼ完形を保ち、全体に鼠色を帯びている。表面は馬蹄状に縁をめぐらし、後辺に縁はなく、面上内部にも外縁に沿って5mm前後の隆起を作り、外側の海の部分と内側の陸の部分に分かれる。裏面は板目紋が一面に見られ、後辺に近い両端には2cmの高さの短脚2個を付け、硯面全体に傾斜をもたせてある。

出土した庚門塚遺跡の詳細は明らかではないが、羽茂地区羽茂小泊の須恵器窯跡から出土した陶硯(風字硯5点、円硯1点)と形態焼成が共通することから、同窯で平安時代に焼成されたものと考えられる。当時、陶硯を使用する場所は官衙か大寺院以外になく、この陶硯は出土地の性格や当時の文化を知る上で貴重な資料であり、完形を留めているところにも大きな価値が認められる。