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指定種別 | 工芸技術 |
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指定年月日 | 平成16年3月1日 |
所在地 | 佐渡市相川北沢一丁目 |
所有者または管理者 | 佐渡無名異焼の会 |
相川地区相川北沢の窯元を拠点とする佐渡の代表的な焼物「無名異」の焼成技術である。無名異は無名異土(酸化鉄を多量に含んだ赤土)を原料とする焼物で、19世紀初頭に無名異土を混ぜる赤色の楽焼が最初に始まり、明治時代に高温で硬質に焼成する現在の無名異焼が完成した。
技術的には、水簸(すいひ=水を使った土の精製作業)を行ってからさらに絹目に通すため、他の陶土より粒子が細かく収縮率が大きいのが特徴で、成形後は生の内に石や鉄へらなどで磨いて光沢を出し、焼成後には佐渡金山の精錬滓でさらに磨き、独特の光沢を出す。完成した焼物は堅く焼き締まっているために金属音を発する特徴をもち、その色合いは使用するほどに光沢を増し、独特の落ち着いた趣となる。
無名異焼は佐渡で産出する陶土と釉薬原料を使用することが原則であるが、技術の進歩や陶工たちの長年の工夫により、近年は釉薬原料や造形が多様となり、窯元ごとに特徴の異なる製品が作られるようになった。