ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ

本文

佐渡市指定 民俗文化財:金掘り絵馬

記事ID:0005145 更新日:2021年3月1日更新 印刷ページ表示

佐渡市指定 民俗文化財

金掘り絵馬(かなほりえま)

金掘り絵馬の画像

指定種別(員数) 有形民俗文化財(1点)
指定年月日 平成16年3月1日
所在地 佐渡市相川坂下町
所有者または管理者 法輪寺、相川郷土博物館管理

相川地区の相川下寺町に伝わるこの絵馬は、「弘化三年(1846)」と「弥十郎間歩かなこ市郎兵衛付若者仲間弥十郎間歩繁栄所祈」の銘があり、上部に1対のムカデが描かれ、その下に腰当カマスをあてている坑夫、採掘している坑夫、鉱石をカマスに集める穿子(ほりこ)、梯子に上る抗夫、タバコを吸って休憩する抗夫、仮眠をとっている坑夫が描かれている。

絵馬にムカデが描かれているのは、鉱脈の走る様子がムカデの姿に似ていたことや、ムカデ一足一福神信仰と結びつき、金山繁栄をもたらす神の使いとして当時ムカデが信仰されていたためと思われる。

佐渡金銀山の全盛時代、その繁栄の華やかさに反して抗夫たちは常に落石・転落などの危険にさらされ、「鏨(タガネ)を空打ちしない」、「口笛を吹かない」、「ムカデを殺さない」などの禁忌を自らに課し、坑口や坑内に「舗内安全」、「金銀湧出」と書いたお札を貼り、寺社に絵馬などを奉納し、坑内安全と金銀山繁栄を祈願していたとされる。

当時の過酷な作業環境を伝えるとともに、絵馬に込められた抗夫たちの心情もうかがえる。