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指定種別 | 天然記念物 |
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指定年月日 | 平成16年3月1日 |
所在地 | 佐渡市戸中〜金井新保(トネ山) |
所有者または管理者 | 新潟県、佐渡市 |
このブナ林は、大佐渡山地の金北山の西方約4km、通称「北岳」の海抜1,000メートル付近に分布している。ブナ林は尾根をまたいで東側(金井地区金井新保)8ヘクタール、西側(相川地区戸中)10ヘクタールにわたって純林を形成し、西側のブナは冬の季節風により矮化(小形のまま成熟)の風衝樹形をなして樹高約8メートル、東側のブナは尾根が風除けとなって素直に伸長し、樹高約20メートル、胸高幹囲は平均で40cm、最大のもので93cmとなっている。
その林床にはサワフタギ・オオカメノキ・オオバクロモジ・エゾユズリハ・ハイイヌツゲ・ツルシキミ・ヒメモチ・カラスシキミ・ミヤマカンスゲ・ツクバネソウ・オオイワカガミ・シラネワラビ・オオバシヨリマ・ナライシダなどがあり、日本海側地域特有のブナ林を構成している。
ブナは温帯上部の落葉広葉樹林の代表的な樹木であるが、佐渡では大佐渡山系の海抜約600メートル以上の山地の所々にわずかに残るのみであり、自然保護の観点からは貴重な樹木である。また、このブナ林は佐渡の天然林としては最も規模が大きく、大佐渡山地の原植生を伝える林として重要である。