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指定種別 | 天然記念物 |
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指定年月日 | 平成16年3月1日 |
所在地 | 佐渡市下川茂 |
所有者または管理者 | 佐渡市教育委員会 |
赤泊地区下川茂の北向き斜面、通称「大杉山」の海抜280メートル地点の展望台に保管された切り株である。この切り株は、古くから良質なスギとして名高い「川茂杉」の中でも過去最大とされる「太郎杉」のもので、中央はすでに朽ち、現存する地上1メートルの外周部は長径5.4メートル、短径3.6メートル、幹囲14.5メートルで、伐採当時は樹齢2100年以上であったと推定されている。
地元の民話によると、村の娘に恋をした太郎杉は若者の姿で娘と逢瀬を重ねるようになり、娘に種子を宿した。やがて太郎杉は伐採されるが、娘の体から出た種子はスギの木に育ち、いつしか杉山になったという。
言い伝えによると、太郎杉は江戸時代末期に用材とするために伐採されることになったが、幹があまりにも巨大なために佐渡のきこりだけでは手に負えず、能登から来たきこりの助けも借りながら、半年がかりでようやく伐採した。伐採後、きこりたちは切り株にむしろ8枚を敷き、その上に13人が輪になって酒盛りをしたという。