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市長随想「ゆめ夢飛行」第2回

市報さど(2006年6月号:第28号)から転載

2008年2月15日、掲載

総務課 秘書係(0259-63-3111)

この4月に大幅な佐渡市の組織改革が行われ、このところ、ゆっくりとではあるが着実に機能し始めて、仕事にゆとりができてきたので、以前から友人に読むことを勧められていた藤原正彦の「国家の品格」を買い求めた。

小説家新田次郎の次男である筆者は著名な数学者で、今の世の「近代合理精神」の限界を説いている。「論理だけでは世界が破綻する」と主張して、誰もが常識としていた「合理性」重視の考え方を批判して、大ベストセラーとなった。

今の社会に常識とされている「自由」と「平等」も欧米流の考え方であって、この二つは両立しない。人は自由に行動すればどうしても強者弱者が生まれ、社会に「格差」が生ずるのは当たり前だ。本当に大切なのは弱いものを思いやる心、「惻隠(そくいん)の情」を重んじるべきで、民主主義より「武士道精神」が大切だという。

今日、日本に求められているのは「国家の品格」であり、それにはわが国のように狭い国土と乏しい資源しかない国には次の世代を担う子供たちの初等教育がもっとも大切になる。国の存在感はその国の人材が作り上げるもので、そのための教育が必要である。かつ人材を生む土壌として国土が「美しい存在であること」ついで国民が「跪く(ひざまづく・敬虔な気持ちとも言おうか)心」を持つこと、そして「精神性を尊ぶ風土」が大切であると訴えている。

日本は、今までその三つの条件を満たしてきて、一時の経済の繁栄をみたが、昨今の経済優先で崩れかけている本来の美しい心や情緒を涵養(かんよう)して、自身を失いつつある日本を建て直し、世界の尊敬を勝ち得て「国家の品格」を確立すべきであるとする著者の考え方に耳を傾ける必要があると思う。

そういえば過去、「佐渡」は小さな島国でありながら、数多くの学者、芸術家、思想家等々を世に輩出し、現在も活躍されておられる方も多い。美しい自然に守られ、神々に感謝し、思い上がらず、薫り高い文化歴史を築いてきた。その伝統を大切にし、美しく精神性豊かな島づくりに励みたいものである。

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