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1.地域資源を活かした産業の育成と雇用の拡大(平成25年度:施政方針)

記事ID:0004329 更新日:2021年3月1日更新 印刷ページ表示

[平成25年度:2013年度]施政方針(8ページ中:3ページ目)


本ページの目次

  1. 農林水産業の振興
  2. 商工業の振興

昨年は36年ぶりに自然界でトキのひなが誕生し、8羽のひなすべてが巣立ち、佐渡の大空を羽ばたいています。市民のみならず国内外の方々のトキへの思いが叶った瞬間でもあり、本市が農家やNPO、企業、大学等とともに取組を進めているトキと共生する島づくりの成果であると感じています。しかしながら、過疎・少子高齢化によりその母体である農林水産業の後継者不足に歯止めがかからない状況になっています。

商工業においては、日本経済の長引く不況により、市内各企業とも引き続き厳しい経営状況となっており、連動して有効求人倍率や新卒者求人の低迷など、依然として厳しい雇用情勢が続いています。

(1)農林水産業の振興

本市の農業は、従事者数が産業別で最も多く、食料生産だけでなく就業の場を確保する基幹産業として重要な位置付けにあります。トキの餌場づくりから始まった「朱鷺(とき)と暮らす郷(さと)づくり認証米」は、佐渡産米全体の価値を高める取組となっており、消費者ニーズに対応するためには今後とも栽培面積を拡大することが重要であります。しかしながら、労力の増大による生産コストの問題、さらにはスケールメリットが追及できない離島においては所得向上策が必要です。また、品質が不安定であり、特に平成24年産コシヒカリにおいては一等米比率が県平均よりも低いという現状にあり、品質向上策も必要であります。

加えて、中山間地域を中心に過疎・少子高齢化が進み、担い手不足や耕作放棄地の増加が深刻な状況となっており、外部からの人材確保や集落営農が求められています。

農林水産業は、その生産面だけでなく販売面を両輪として振興する販売戦略が不可欠です。規模拡大の地域においてはスケールメリットによる有利販売が必要であり、それ以外の地域においては高価格販売を目指し、一物一価でなく「一物数価」に対応した多チャンネルの販売網の整備が必要です。また、地産地消による販路拡大も重要であり、これには高齢者や女性の働き方の仕組みが必要となります。

さらに、ブランド力の向上を図るためには、佐渡の強みである環境イメージを最大限活用すべきであると考えています。

これらの課題と対応方針を踏まえた具体的な施策として、所得向上策については、佐渡版戸別所得補償制度を拡充し、農家所得の向上を目指します。米の品質向上策としては、農家が他の地元農家へ基本技術の励行を徹底する仕組みをつくります。

人材確保や集落営農については、集落の実態に即した担い手の育成や地域農業の在り方を明確にする地域農業システムを人・農地プランと組み合わせて推進します。また、国の青年就農給付金を活用しながら、農地確保の負担軽減を図るとともに、公社による研修の受入れや農業の実践的な技術指導をする里親制度を創設し、新規就農者の確保と育成を進めます。

さらに、地域おこし協力隊の充実を図り、佐渡に関心のある都市住民の定住を促進し、農業を活かした都市との交流や地域の情報発信など地域活性化に取り組める体制づくりを目指します。

耕作放棄地対策としては、棚田協議会の積極的な活動を進め、地域の特性を活かした棚田ブランドの米作り等により棚田農業の所得向上を図るとともに、島外の方から棚田保全に協力していただく棚田サポーター制度を創設し、棚田オーナー制度、農業体験等と合わせて都市住民や企業との連携を深めます。

販売戦略については、佐渡産品の販路の開拓と拡大に向け、島外のホテルや百貨店等との連携を進め、都市部の消費者に知ってもらい、選んでもらい、品質にあった高価格販売を目指します。

地産地消については、高齢者や女性等が栽培した野菜を学校給食での利用や直売所等での販売を推進し、さらに和牛、豚、ノドグロ、マグロなどの食材をホテル等で活用できる仕組みをつくり、生産者の所得確保と合わせ佐渡産食材と観光の連携を推進します。また、酒米の生産を促進し、酒造業における地産地消を進めるとともに、産業間連携の増大を図ります。

水産業では、水産業者とホテル等の連携を促進し、加工・販売が可能な生産体制の構築や地場産水産物の販路拡大を目指します。さらに、氷の安定供給のため、佐渡水産物地方卸売市場の製氷貯氷施設の整備への支援を行います。

環境ブランド戦略としては、環境と経済の好循環に地域資源の活用を推進するため、大学や民間事業者と協力しながら、もみ殻や竹を活用した燃料化と培土化や、海藻等を活用した循環型農法の実証を行います。

また、太陽光等の新エネルギーの利活用や低公害車の普及促進、BDFの需要拡大を図るとともに、河川等を活用した小水力発電の導入の可能性について調査を実施し、環境イメージを付加します。

さらに、事業所や家庭から排出される生ごみの堆肥化・減量化を促進し、「エコアイランド佐渡」を強くアピールしていきます。

 

(2)商工業の振興

本市の産業は企業間や産業間の連携意識が弱く、産業間生産波及力が小さいため、加工、流通、販売部門を島外に依存していますが、まずこれを取り戻し、雇用の場を確保していきたいと考えています。本市には、豊富な地域資源があるにも関わらず、それらを活かしきれていない現状にあり、地域資源を活用した農商工連携の促進策が必要であります。

また、佐渡産品の出荷には海上輸送費が上乗せになり、本土との競争において不利であることから、流通コスト対策が必要です。

雇用情勢が不安定な原因として、求人需要の高い業種と求職需要の高い業種の不一致による業種間ミスマッチと、能力や経験などの条件が不一致による条件ミスマッチがあり、雇用のミスマッチ対策を講ずる必要があります。

具体的な施策として、農商工連携の促進策については、企業が農林水産業等の異業種に進出する第二創業化や起業を推進するため、セミナーの開催や企業への専門家派遣により事業者の意識の高揚を図るとともに、設備費等の助成制度を創設し経済的支援を実施します。

また、企業間の連携により地域資源を活用したオリジナル商品の開発を推進するため、助成制度を創設するとともに、新製品の販路開拓のため見本市や物産店など各種イベントへの出店を支援します。さらに、首都圏の大学と連携し、観光土産品の調査・研究を行い、商品開発やパッケージの工夫について製造関係者へ具体的に提案をしていきます。

流通コスト対策については、農林水産物の流通効率化を図るための機械・設備の導入に対し支援を行います。

業種間ミスマッチの対策としては、高校生等に市内での就業意識の醸成を図るとともに、市内で開催される就職面接会への参加や島内企業に就職するU・Iターンの学生等に対し支援を行い、若者就職者の拡大を図ります。

条件ミスマッチの対策としては、経営者や従業員を対象とした人材育成セミナーの開催や、研修会参加への支援等により人材の資質向上、能力開発、技術向上を図るとともに、失業者や事業所の従業員が就業に必要な資格取得について支援を行います。また、将来の労働力確保と若者定住、企業の意識改革を図るため、企業の積極的なインターンシップの受入を促進します。

これらと合わせ、より効果的な雇用施策を展開するため、市内の雇用実態を常に詳細に調査・分析を行い、雇用対策の充実を図ります。

さらに、農商工連携など産業振興の強化を図るため、市の組織を再編し産業振興課を新設します。

 

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