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1 人口減少対策(平成26年度:施政方針)

記事ID:0004337 更新日:2021年3月1日更新 印刷ページ表示

[平成26年度:2014年度]施政方針(7ページ中:3ページ目)


本ページの目次

人口減少率の抑制対策

本市の人口動態は、平成22年国勢調査によると平成17年度からの5年間でマイナス6.9パーセントと県内20市では減少率が2番目に高くなっており、平成25年度の推計人口ではついに6万人を下回る状況です。死亡数が出生数を上回る自然減は約700人、転出数が転入数を上回る社会減は約300人で、毎年約1千人ずつ減少しています。

人口減少に伴う最重要課題として、地域経済活動の低下があり、平成17年度に2,138億円だった市内総生産は、平成22年度には1,912億円まで落ち込んでいます。

(1)自然減の改善

本市では平成24年度の出生数が初めて400人を下回り、少子化が深刻化しています。その原因の一つとして子育て世代の経済的な負担が挙げられます。また、未婚化や晩婚化が進み、少子化に拍車をかけています。

一方で、市民の健診受診率は、特に若年層における受診率が低く、生活習慣病の増加が懸念され、健康づくりへの対策が必要です。

これらの課題と対応方針を踏まえた具体的な施策として、少子化対策については、現在、在園する3人目以降の園児に対し全額免除している保育料を、県内では初めてとなる2人目以降の園児まで拡充するとともに、中学生までの医療費助成を継続することで、更なる経済的な負担軽減や就業促進を図ります。

あわせて、保育園の環境を整備するため、地元のご理解をいただきながら老朽化施設の解消と、適正規模の配置に向けた統廃合に取り組みます。

未婚化や晩婚化の対策としては、結婚適齢期の独身男女の出会いの場を創出します。

また、不妊に悩む夫婦が特定不妊治療を行う場合は、島外での治療が必要であることから、従来の保険外診療の特定不妊治療費助成に加え、船賃に対する助成を行い、安心して妊娠・出産できるよう経済的負担を軽減します。

健康づくりへの対策については、若年層の健診受診の勧奨や健診データを活用した生活習慣病対策に加え、市民グループによる元気度チェックの実施等を行い、健康寿命の延伸と若年層の受診率向上を図ります。

さらに、産官学連携による新しい社会システムの実践研究を進めるCOIトライアル事業により、情報通信技術を活用した高齢者の健康づくりの“見える化"による健康増進に取り組みます。

 

(2)社会減の改善

本市の高卒者は、進学と就職を合わせて80パーセント以上が市外に転出し、大学等の卒業後も市外に就職する若者が多くなっており、佐渡から出ても戻ってきてもらう対策が必要であります。

具体的な施策については、大学生の就労支援として、インターンシップ受入企業の拡充と受入期間の通年化に取り組みます。

また、若者U・Iターン者の面接費用の助成や就職への奨励金制度の活用を促進するとともに、若者夫婦世帯のU・Iターンには、家賃や住宅購入費等の助成制度を拡充します。

あわせて、U・Iターンの経験がある促進協力員等と連携しながら、田舎暮らしを希望する人たちに佐渡を選んでもらうため、佐渡の魅力や暮らしの情報を発信し、短期滞在の助成や空き家紹介等、移住への誘導を行い、二地域居住を含め定住の促進を図ります。

また、学校において郷土愛の醸成と職業観の育成を行う「キャリア教育」の推進により、文化・芸能といった佐渡の魅力を学ぶとともに、職場体験を通じ島内企業を理解することによって児童・生徒が将来、佐渡に残りたくなる、佐渡に帰ってきたくなる意識の醸成を図ります。

 

人口減少による地域経済力低下の防止対策

(3)農林水産業の振興

規模拡大による競争力の強化、米の生産調整廃止などの農政改革が示されていますが、条件不利地の多い佐渡では規模拡大が難しいため、耕作放棄等の増加や農道、水路等の共同管理体制の崩壊が懸念されます。

このような中で、これからの佐渡の農業については、独自の販売戦略、販売を支える品質の維持向上、担い手確保、企業参入の対策が必要であります。

具体的な施策として、販売戦略については、GIAHSを活用した棚田サポーター制度の充実や寄附講座の結果を踏まえた国際的・学術的な証明を示すことにより、佐渡米の更なる高付加価値化を図ります。また、果樹等のプレミアム性の高い品目では、富裕層などへの販売アプローチや国外での販売を視野に入れた佐渡産品取扱店舗等の販路を開拓します。

さらに、佐渡の知名度を国内外に押し上げるため、行政だけではなく、企業、関係団体等が一体となった「チーム佐渡」を立ち上げ、農林水産物の販売戦略のみならず、観光や定住対策等あらゆる分野において情報を共有し、佐渡のPRを一丸となって全力で取り組みます。

また、地域資源である竹やもみ殻を新エネルギーに変える仕組みを構築するため、産学官連携による研究調査事業を行い、更なる環境イメージアップによるブランド力の向上を図ります。

品質向上策としては、佐渡米の高品質・良食味米生産を推進する100人の品質向上サポーターによる生育情報の発信や栽培技術研修の拡大により、基本技術の励行を一層徹底し、一等米比率の向上を図ります。

担い手確保対策としては、集落営農組織づくり、里親研修支援制度と併せ、新規就農者や地域農業を支える担い手への設備投資支援施策の拡充を図るため、地域農業システムの早期確立を推進します。

さらに、生物多様性保全の取組を農業経費として加算するなど、佐渡版戸別所得補償制度の拡充により、農家所得の向上と経営の安定化を進め、生物多様性農業の普及と担い手の育成・確保につなげます。

企業参入については、農地の所有権移転も視野に入れながら、地域と企業が安心して営農できる仕組みを構築します。

 

(4)商工業の振興

本年4月の消費税率の引上げが、市民生活や市内経済、特に商工業に与える影響は大きいものと懸念されます。

本市の商工業は、原材料や製品の多くを市外からの移入に依存しており、市内における産業間の生産波及力が小さいため、産業間取引の拡大を図る必要があります。

また、人口減による購買力の低下が懸念されるため、市内における消費の拡大と市外における佐渡産品の販路拡大が必要です。

具体的な施策として、消費税増税対策については、国の経済対策の動向を注視しながら、市独自の経済対策として、プレミアム商品券の発行や商工業者の制度融資に対する利子補給を実施します。

また、産業間取引の活性化を促すため、起業への支援、資質向上や能力開発のための支援を行い、先端技術の習得や企業競争力の向上を促進します。

さらに、市内における農林水産物の生産・流通・消費の仕組みづくりを進めることにより、農林水産業と企業の農商工連携や6次産業化の促進、商品の高付加価値化を図ります。

加えて、佐渡産品の販路拡大とブランド力向上のため、市外の佐渡にゆかりのある飲食店等を佐渡産品提供店「サドメシラン」として登録し、佐渡産品の消費地への橋渡しの機会の拡大や消費者への周知する仕組みを構築することにより、新たな佐渡ファンの獲得や顧客の常連化を図ります。

 

(5)観光等交流人口の拡大

現在の佐渡観光の旅行形態は、ツアーコースが定番化しており、宿泊数の減少や旅行単価の低廉化に陥っています。旅行単価の低廉化は価格競争を招き、結果として顧客満足度の低下につながっており、県が2年に1度実施している観光地満足度調査では、県平均のリピート率47.6パーセントに対し、佐渡は豊かな観光資源を有しているにもかかわらず、37.8パーセントと低い値となっており、満足度とリピート率向上への対策が必要です。

また、来春に迫った北陸新幹線金沢延伸や将来の北海道新幹線開業に伴う上越新幹線の影響への対策として効果的な誘客対策が必要です。

さらに、2020年オリンピック・パラリンピックの東京開催が決定し、世界の目が日本に向かっている中、本市においても、世界遺産登録や世界ジオパーク認定に向けた取組を推進するとともに、外国人旅行者の誘客対策が重要となります。

具体的な施策として、宿泊数の減少や旅行単価の低廉化の対策については、滞在型観光を推進するため観光戦略官を採用し、本物の佐渡を知ってもらえるようアクティビティ群の整備や旅行コンテンツの開発を戦略的に行います。

顧客満足度とリピート率の向上への対策としては、佐渡の旬の食材と使った「グルメ旅」などの造成や、まち歩きガイドや世界的3資産のガイドと連携した企画募集型旅行商品の造成を促進します。

誘客対策については、小木港開港400年を迎えることから、記念イベント等の実施を促進するとともに、北陸新幹線の開業を見据え、佐渡を上越新幹線との周遊の要として位置付け、中型高速カーフェリーの就航など官民一体となった周遊型広域観光を推進するため、対岸市と連携して首都圏や関西圏へのPRの強化を行い、能登地域と連携したチャーター船運航の促進や観光客の利便性に配慮した島内定期観光バスの運行体制を確保します。

また、上越新幹線への対策として、JRの新潟デスティネーションキャンペーンと連携し、全国に向けた積極的な誘客活動に取り組むとともに、会津など新たな地域と連携した誘客にも着手します。

世界遺産登録の推進については、世界的3資産と合わせた市民の機運醸成を図るとともに、推薦書の作成を進めます。

また、ジオパークについては、県と連携しながら関係地域との広域的な交流を図ります。

外国人旅行者への対策としては、国際競争力の高い魅力ある観光地域づくりを促進するため、富裕層をターゲットとしたクルーズ船誘致を国、県の協力を得ながら地域の受入団体と連携して取り組みます。

 

(6)交通インフラの整備

昨年12月に施行された交通政策基本法には、離島の交通事情への配慮のほか、大規模災害時の代替交通手段や観光客の円滑な往来に必要な交通手段の確保について規定されており、先の参議院予算委員会で佐渡空港問題が議論されたところであります。

離島である本市にとって、産業の活性化や防災対応等のためには、大都市圏と直結した航空路の開設や小木・直江津航路における変則ダイヤの解消等、利便性の向上が必要不可欠です。

具体的な施策として、航空路については、滑走路2千メートル化を目指し、地権者全員の同意を取得したうえで、国と県に事業化に向けた働きかけをします。

航路については、北陸新幹線の開業による佐渡を要とした周遊型広域観光を促進するため、両津・新潟航路において4月から航路運賃の大幅な割引を行うとともに、小木・直江津航路の船舶建造を引き続き支援し、運賃の低廉化や変則ダイヤの改善に取り組みます。

 

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