○佐渡市職員の懲戒処分等に関する要綱
平成20年8月26日
訓令第24号
(目的)
第1条 この訓令は、佐渡市職員(特別職を除く。以下「職員」という。)の懲戒処分並びに訓告及び厳重注意の措置(以下「懲戒処分等」という。)の量定について、その基準を定めることを目的とする。
(懲戒処分等)
第2条 懲戒処分等を行うに当たっては、事件及び事故(以下「事件等」という。)の原因及び結果等を総合的に判断して任命権者が決定する。
(1) 非違行為の動機、態様及び結果
(2) 故意又は過失の度合い
(3) 非違行為を行った職員の職責と非違行為との関係
(4) 他の職員及び社会に与える影響
(5) 当該職員の過去における非違行為の有無及び内容
4 訓告及び厳重注意の措置は、第2項の懲戒処分に至らない程度の行為に対し反省を促し、職員の資質の向上と業務の遂行の改善に資するため、文書により行うものとする。
5 行為が複数の懲戒事項に該当する場合は、その中で一番重い基準を適用する。
6 懲戒事項に該当する複数の行為があった場合は、併合して処分することができる。
8 行為者が自らの非違行為が発覚する前に自主的に申し出た場合及び事件等の情状が酌量すべきものである場合は、その事件等の程度によって、その処分を軽減し、又は免除することができる。
9 次の各号のいずれかに該当する場合は、その処分を加重する。ただし、基準となる処分が停職又は減給の場合は、処分する日数又は率を加算することにより加重とすることができる。
(1) 過去に同種の事件による懲戒処分等を受けているとき。
(2) 第6項の規定により併合処分を行うとき。
(3) 行為者が管理又は監督の地位にあるなどその職責が特に高いとき。
(4) 職務上の立場を利用したとき。
(5) 発生した事件等を隠ぺいしたとき。
(6) 事件等が著しく悪性なとき、又はその結果が重大なとき。
(7) 事件等の公務内外に及ぼす影響が特に大きいとき。
10 懲戒処分等を軽減し、又は加重する場合は、おおむね次の例による。
懲戒処分等 | 軽減する場合 | 加重する場合 |
免職 | 停職又は減給6月 |
|
停職 | 減給 | 免職又は停職日数の加算 |
減給 | 戒告 | 停職又は減給する日数若しくは率の加算 |
戒告 | 訓告 | 減給 |
訓告 | 厳重注意 | 戒告 |
厳重注意 | 不問 | 訓告 |
(平27訓令12・一部改正)
(懲戒処分等を受けた者に対する昇給等の取扱い)
第3条 懲戒処分等後最初に昇給させる場合における昇給の区分は、次を基準として決定するものとする。
(1) 自らの非違行為による訓告 佐渡市職員の初任給、昇格、昇給等の基準に関する規則(平成16年佐渡市規則第40号。以下「初任給規則」という。)第36条第1項第3号
(2) 戒告 初任給規則第36条第1項第3号
(3) 減給及び停職 初任給規則第36条第1項第4号
(非違行為を知得した職員の申告)
第4条 職員の非違行為を知り得た職員は、被害者又は管理監督者の別を問わず、市長に申告しなければならない。
(平27訓令12・追加)
附則
(施行期日)
1 この訓令は、平成20年9月1日から施行する。
(佐渡市職員の懲戒処分の基準の廃止)
2 佐渡市職員の懲戒処分の基準(平成18年佐渡市訓令第24号)は、廃止する。
附則(平成27年7月1日訓令第12号)
この訓令は、平成27年7月1日から実施する。
附則(令和3年12月23日訓令第19号)
この訓令は、令和3年12月23日から施行する。
別表(第2条関係)
(平27訓令12・全改、令3訓令19・一部改正)
非違行為の内容 | 処分の内容 | |||||
免職 | 停職 | 減給 | 戒告 | |||
一般服務関係 | 欠勤 | 10日以内 | ○ | ○ | ||
11日以上20日以内 | ○ | ○ | ||||
21日以上 | ○ | ○ | ||||
遅刻・早退 | 1月につき5日以上 | ○ | ||||
1月につき10日以上 | ○ | |||||
休暇の虚偽申請 | ○ | ○ | ||||
勤務態度不良 | ○ | ○ | ||||
職場内秩序びん乱 | 他の職員に対する暴行 | ○ | ○ | |||
他の職員に対する暴言 | ○ | ○ | ||||
虚偽報告 | ○ | ○ | ||||
違法な職員団体活動 | 同盟罷業等の争議行為 | ○ | ○ | |||
上記の企画、共謀、そそのかし | ○ | ○ | ||||
秘密漏えい | 故意の秘密漏えい | ○ | ○ | |||
情報セキュリティ対策のけ怠による秘密漏えい | ○ | ○ | ○ | |||
個人秘密情報の目的外収集 | ○ | ○ | ||||
政治目的の文書配布 | ○ | ○ | ||||
兼業承認手続の怠り | ○ | ○ | ||||
入札談合等に関与する行為 | ○ | ○ | ||||
公文書の不適正な取扱い | 偽造・変造・虚偽公文書作成、毀棄 | ○ | ○ | |||
決裁文書の改ざん | ○ | ○ | ||||
公文書の改ざん・紛失・誤廃棄等 | ○ | ○ | ○ | |||
セクシャルハラスメント行為 | 暴行、脅迫、上下関係の影響力行使 | ○ | ○ | |||
わいせつな言辞等の性的な言動の繰り返し | ○ | ○ | ||||
わいせつな言辞等の性的な言動の繰り返しによる精神疾患り患 | ○ | ○ | ||||
上記以外 | ○ | ○ | ||||
パワーハラスメント行為 | 暴行又は脅迫的な言動による職務上の指揮監督権の行使等 | ○ | ○ | |||
暴行又は脅迫的な言動を起因とする相手の被害発生又は精神疾患り患 | ○ | ○ | ||||
上記以外 | ○ | ○ | ||||
公金官物取扱関係 | 横領 | ○ | ||||
窃取 | ○ | |||||
詐欺 | ○ | |||||
紛失 | ○ | ○ | ||||
盗難 | 重大過失あり | ○ | ○ | |||
市有物損壊 | 故意又は重大な過失によるもの | ○ | ○ | |||
出火・爆発 | 過失によるもの | ○ | ○ | |||
諸給与の違法支払い・不適正受給 | ○ | ○ | ||||
公金官物処理不適正 | ○ | ○ | ||||
コンピュータの不適正使用 | ○ | ○ | ○ | ○ | ||
公務外非行関係 | 放火 | ○ | ||||
殺人 | ○ | |||||
傷害 | ○ | ○ | ||||
暴行・けんか | ○ | ○ | ||||
器物損壊 | 故意によるもの | ○ | ○ | |||
横領 | 公金及び官物を除く | ○ | ○ | |||
窃盗・強盗 | 他人の財物窃取 | ○ | ○ | |||
暴行、脅迫による強取 | ○ | |||||
詐欺・恐喝 | ○ | ○ | ||||
賭博 | 常習でないもの | ○ | ○ | |||
常習 | ○ | |||||
麻薬・覚せい剤の所持・使用 | ○ | |||||
酩酊による粗野な言動等 | ○ | ○ | ||||
淫行 | 18歳未満の者に対するもの | ○ | ○ | |||
痴漢行為 | ○ | ○ | ||||
盗撮行為 | ○ | ○ | ||||
交通事故・交通法規違反関係 | 飲酒運転 | 酒酔い運転 | ○ | |||
酒気帯び運転 | ○ | ○ | ||||
酒酔い運転への同乗等 | ○ | ○ | ||||
酒気帯び運転への同乗等 | ○ | ○ | ○ | |||
飲酒以外での人身事故 | 死亡、重篤傷害事故 | ○ | ○ | ○ | ||
上記の措置義務違反 | ○ | ○ | ||||
傷害事故 | ○ | ○ | ||||
上記における措置義務違反 | ○ | ○ | ||||
無免許運転 | ○ | |||||
速度超過(物損の措置義務違反なし) | 一般道30km以上40km未満 | ○ | ||||
一般道40km以上50km未満 | ○ | |||||
一般道50km以上 | ○ | |||||
高速道40km以上50km未満 | ○ | |||||
高速道50km以上 | ○ | |||||
速度超過(物損の措置義務違反あり) | 一般道30km以上40km未満 | ○ | ||||
一般道40km以上50km未満 | ○ | ○ | ||||
一般道50km以上 | ○ | |||||
高速道40km以上50km未満 | ○ | |||||
高速道50km以上 | ○ | |||||
監督責任関係 | 指導監督不適正 | ○ | ○ | |||
非行の隠ぺい、黙認 | ○ | ○ |
摘要
1 勤務態度不良
勤務態度不良の行為類型としては、例えば次の場合が該当する。
ア 勤務時間中の喫煙
イ 勤務時間中の勤務と関係のない外出又は離席
ウ 在勤庁外で職務に当たる際の必要以上の滞在
2 セクシャルハラスメント行為
「セクシャルハラスメント行為」とは、他の者を不快にさせる職場における性的な言動及び他の職員を不快にさせる職場外における性的な言動をいう。
「わいせつな言辞等の性的な言動」とは、わいせつな言辞、性的な内容の電話、性的な内容の手紙・電子メールの送付、身体的接触、つきまとい等の性的な言動をいう。
「暴行、脅迫、上下関係の影響力行使」とは、暴行若しくは脅迫を用いてわいせつな行為をし、又は職場における上司・部下等の関係に基づく影響力を用いることにより強いて性的関係を結び若しくはわいせつな行為をすることをいう。
「わいせつな言辞等の性的な言動の繰り返し」とは、相手の意に反することを認識の上で、わいせつな言辞、性的な内容の電話、性的な内容の手紙・電子メールの送付、身体的接触、つきまとい等の性的な言動を繰り返すことをいう。
3 パワーハラスメント行為
「パワーハラスメント行為」とは、同じ職場内で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいう。一般的には、職務上の指揮監督権を行使した職員による暴行又は脅迫的な言動により、相手が強度の心的ストレスの重積により、精神的・身体的苦痛が持続する状態をいう。
4 交通事故・交通法規違反関係
「酒酔い運転への同乗等」及び「酒気帯び運転への同乗等」とは、飲酒運転であることを知りながら同乗したこと、又は飲酒運転となることを知りながら飲酒を勧めたことをいう。
5 監督責任関係
部下職員の非違行為の知得に関し、過失により知り得なかった場合の監督責任は指導監督不適正として減給又は戒告の対象となるが、当該過失が重大な場合(以下「重過失」という。)は、次により懲戒処分を行う。
ア 行為者が免職となる非違行為を行ったとき 停職
イ 上記以外 減給
※ 「重過失」とは、指導監督の重責を担う管理職員において、当該管理職員の機知により少しの注意を払うだけでも非違行為の知得が十分可能であったにもかかわらず、漫然と非違行為の確認を見逃したという過失の度合いをいう。管理職員に求められる指導監督上の注意義務は一般の職員よりも高いのであり、その注意義務違反の度合いが「重過失」であるときは、「非行の隠ぺい・黙認」と同様に処分するものである。
6 非違行為の申告義務(4条関係)
非違行為を知得したときの告知義務については、そのうちの刑罰法規違反に関しては刑事訴訟法239条2項に公務員の告発義務が明記されている。本則4条は、非違行為全般について、それを知得したときの市長への申告義務の明文化である。
※ ここでの「知得」とは、間接的な情報によるうわさや思い込みではなく、事実として一定の証拠により客観的に確認できることをいう。