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指定種別(員数) | 書跡・典籍(612帖) |
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指定年月日 | 平成13年3月23日 |
所在地 | 佐渡市千種 |
所有者または管理者 | 大和田薬師教会 |
高さ39cm、縦58cm、横38cmの大箱6箇の中に、高さ7.5cm、縦31.5cm、横26cmの小箱10箇があり、そこに約10巻ずつ、計612巻の写経が納められている。すべてが手書きによるもので、元弘元年(1331)から延元5年(1340)と9年がかりで書写されたものである。
写経主は叡山の僧朗覚上人とされ、写経は叡山延暦寺大講堂落成紀念写経とみられる。元々は叡山より讃州仲郡子松庄(現香川県琴平町)の石井八幡宮と榎井(えない)大明神宮の別当社に伝わり、所有されていたが、その後佐渡に渡り、慶長10年(1605)に法印快秀により畑野地区長谷の長谷寺にもたらされ、いつの頃か大和田薬師教会に伝わった。
この写経は、肉筆600巻余の書跡として貴重であるばかりでなく、南北朝時代の史料として、その伝来経路及び附記にも重要性がある。なお、写経には慶長〜寛政年間(1596〜1800)に補修された痕跡が確認されている。