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[平成28年度]市長の要求に基づく監査結果(元職員による不適正な予算執行について)

2016年4月20日、掲載

監査委員事務局(0259-63-3112)

本ページの目次

佐監公表第1号
平成28年4月13日

佐渡市長、甲斐元也様
佐渡市議会議長、根岸勇雄様

佐渡市監査委員、清水一次
佐渡市監査委員中川隆一

監査の種類

地方自治法第199条第6項の規定による市長の要求に基づく監査

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監査委員の氏名

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監査要求事項及び要求の概要

監査要求事項

元佐渡市職員(省略)(以下「元職員」という)による不適正な予算執行(以下「預け金」という)において、現時点で市に損害がないこと。

要求の概要

預け金とは、予算の執行において、業者と架空取引の契約を行い、その契約が履行されていないのに履行されたとする虚偽の会計書類により公金を支出し、その支出金を業者に保有させ、後日これを利用して契約とは異なる内容の取引を行う不適正な会計処理である。

元職員は「(省略)」の屋号でコンピュータに関する情報処理業を営んでいた者(代表者(省略)。以下「当該業者」という)に、物品等の納入が行われていないのに、虚偽の請求書を提出させて公金を支出し、預け金として管理させていた。

預け金による金員は必要に応じて引き出され、元職員が在席した総務課人事係で使用する電子計算機器のシステム改修や、物品の購入等の費用に充てられていた。

元職員と当該業者により行われた預け金行為は、平成22年度から平成26年度までの予算執行において31回にわたり行われ、その総額は153万5288円であった。

市の調査では、預け金によって購入された物品等は、公用で実際に使用されており、元職員による私的流用はないこと、また当該業者によるシステム改修等の業務委託にかかる費用や物品の販売価格は市場価格と比較しても相当であり、預け金の収支において残金はないことから、現時点での預け金による市の損害はないとして監査を求めている。

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監査要求受理日及び監査の期間

  1. 監査要求受理日:平成27年12月14日
  2. 監査期間:平成27年12月18日から平成28年4月12日まで

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監査の主な着眼点

  1. 預け金に関する市の調査は適正か
  2. 預け金以外の当該業者と市との取引は適正に行われていたか

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監査の方法

監査にあたっては、市及び当該業者に調査資料、関係帳簿及び証拠書類等の提出を求め書類の調査、検討を行うとともに、実地調査を行い、また関係人に対しては聞き取り調査を行った。

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監査の結果

預け金に関する市の調査は適正か

市が調査した内容について

預け金について、市では当該業者や関係部署から提出された証拠資料の調査や、当該業者、元職員及び予算執行担当者に対し聞き取り調査等を行った結果、元職員と当該業者により行われた預け金行為は、平成22年度から平成26年度までの予算執行において31回にわたり行われ、その総額は153万5288円であったとしている。

預け金の当初の目的は元職員が在席していた総務課人事係で使用する電子計算機器のシステム改修等にかかる業務委託費を捻出することだったが、必要な時に用立てるためにある程度まとまった金額で預け金を行うようになり、その結果、当初の目的であったシステム改修等の業務委託費以外にも物品の購入等に使途を広げていったと考えられる。 預け金の使途及び内訳は、システム改修等業務委託費75万7064円、備品、消耗品等物品購入費73万4196円、パソコン修理費4万4028円である。

市の調査では、預け金153万5288円について当該業者に収支表を提出させて確認した結果、預け金の収支に残金はないとしている。

その根拠として、預け金によって行われたシステム改修等の業務委託費や物品の購入価格について市場価格との比較調査を行い、ある程度相当な価格であったこと、また、購入された物品は、公用で実際に使用されており、元職員や当該業者による私的流用はないことを挙げ、現時点での預け金による市の損害はないとしている。

総務課人事係の電子計算機器のシステム改修等の業務委託費について

預け金によって行われたとされるシステム改修等の業務委託は、市の調査では、自己申告書個別シート作成(1回)、臨時職員年末調整サポート(4回)、臨時職員年末調整マクロ修正作業(3回)、郵政送信データサポート(1回)の計9回である。

監査では、これらのシステム改修等について、関係人の聞き取り調査の結果、業務上の作業の必要性は認められ、また実際に作業が完了しているという事実を確認した。

作業にかかる費用の算出について、当該業者は営業基本料金基準を設けており、その明細によるとシステム開発等の人工単価はおおむね1人月50万円程度とされている。サポート料金は1時間あたり5千円程度で、営業時間外については1時間あたり3千円程度の割増料金を加算することとされている。また、月単位のサポート契約は対応内容により顧客と金額を協議し、5万円から10万円程度の範囲で決められている。

一般的なシステム開発等の費用は、作業内容や作業者の技術によって単価の設定に幅があり、業者によって異なるのが現状であり、当該業者の料金基準の設定については、市の調査による市場価格等を確認した結果、一般的な相場を著しく逸脱しているものではなかった。

預け金によって行われた9回のシステム改修等についても、基本的にはこの基準により費用が算出されていたが、当該業者からの聞き取り調査の結果、預け金を年度毎に精算し残額をゼロにするため、システム改修等の業務委託費用で金額を調整していたことが分かった。その調整は、基準額からの値引きにより行っていたという事実を当該業者の提出した算出資料により確認した。

以上のことから、システム改修等の業務委託費については、市が不利となる価格設定とは言えないものであることが認められた。

なお、総務課人事係以外で、当該業者に作業を依頼したことのある部署に見積書等の資料を提出させ確認したが、料金の算出方法に差異がない点についても確認している。

物品の購入について

預け金で購入したとされる物品について、市の調査では実際に公用で使用されており、元職員及び当該業者が私的に流用した形跡は認められないとしている。

監査では、それらの購入目的と物品の所在について確認した。

結果は次のとおりである。

対象物品数は66件あった。

うち物品の所在が確認できたもの(総務課人事係で使用)57件
うち物品の所在が確認できたもの(総務課人事係以外の部署で使用)7件
うち物品が廃棄済のもの1件
うち物品の所在が確認できなかったもの1件

対象物品は2件を除く64件について所在が確認できた。

購入目的は総務課人事係で使用するための備品及び事務用品がほとんどである。中にはホールモップ、スライドロック、セラミックヒーター等総務課人事係以外の部署で使用されているものもあったが、公用として使用されていることは間違いないと認められた。

物品等の購入価格について

預け金で購入したとされる物品の購入価格について、市の調査ではインターネット通販会社での通常価格等を一般的価格として金額の比較を行い、ある程度相当な価格であると判断している。

監査では、当該業者に仕入納品書を提出させ、預け金で購入した物品について、仕入れ値と購入価格との金額の比較を行ったが、極端な儲けが発生しているものはなく、一般的な売買取引の範疇を逸脱するものではないことを確認した。

預け金以外の当該業者と市との取引は適正に行われていたか

当該業者は平成18年に個人事業所として開業した。市との取引は平成18年8月から開始し、平成27年3月まで行われている。取引の内容は主に電子計算機器のシステム改修作業、パソコン等修繕及び備品、消耗品等物品の販売である。

監査では、当該業者及び市の関係部署に取引に関する出納資料等の提出を求め、会計処理が適正に行われているか調査した。また、当該業者と物品購入取引のあった部署に対し、当該業者から購入した物品の所在調査を行った。

当該業者及び市の会計処理について

当該業者に提出させた通帳等の出納資料と、市の支出伝票及び財務会計システムの支出データを照合したところ、取引期間における当該業者と市の間での会計処理は正しく行われており特に問題は認められなかった。

なお、預け金については、架空の請求書により支出伝票が起票され支出行為が行われている不適正な処理であり、物品等の取引は架空であるものの、入出金にかかる会計処理は適正に行われていることを確認した。

当該業者との物品購入取引について

預け金以外で取引期間に市が当該業者から購入した物品について、コピー用紙等短期間で消耗され所在が確認できないものを除く、購入単価1万円以上の物品の所在調査を行った。

結果は次のとおりである。

調査対象部署は9課、対象物品数は61件あった。

うち物品の所在が確認できたもの44件
うち物品が廃棄済みのもの12件
うち物品の所在が確認できなかったもの5件

一部物品の所在を確認できなかったものはあったが、消耗品という性質や購入時期を考慮するとやむを得ないものであり、特に問題は認められなかった。

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監査委員の判断

市長からの要求に基づき行った監査について、前述の監査結果による監査委員の判断を述べる。

まず、預け金以外の当該業者と市の取引については、平成18年度に始まり平成26年度まで行われていたが、当該業者から提出された通帳等の出納資料と市の支出伝票等を確認した結果、取引期間における当該業者と市の会計処理は双方とも正しく行われていた。

預け金以外で市が当該業者から購入した単価1万円以上の物品について行った調査でも、特に問題は認められなかった。

これにより、預け金以外の当該業者と市との取引においては問題となるような内容は発見されず、当該業者と市の取引は概ね適正に行われていると認められた。

次に、預け金の総額153万5288円の収支に残額がないことについては、預け金によって行われた電子計算機器のシステム改修等の業務委託費及び物品等の購入価格を確認した結果、どちらも一般的な取引の範疇を逸脱するものではなかった。

当該業者からの聞き取りにより、システム改修等の業務委託費をもって、預け金を年度毎に精算し残額をゼロにするための金額調整を行っていたことが判明したが、この調整によって市に不利益が発生するものではなかった。

また、預け金によって購入された物品等は公用で使用されていた。

監査では、預け金による不当な利益の発生や物品等の私的流用などは認められず、預け金の収支に残額がないとする市の調査は適正と考えられる。

以上のことから、監査要求事項である元職員による不適正な予算執行における市の損害はないと判断する。

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監査委員の意見

終わりに、この監査についての監査委員の意見を付す。

預け金という不適正な予算執行が長年にわたり行われるとともに、この行為が発見されなかったことは甚だ遺憾とするところである。

また、このことにより市の行政運営に対する市民の信頼を大きく損ねることとなった。

今後、市は市長をはじめ職員一丸となって適正な事務の執行を図り再発防止に努め、失った市民の信頼を一刻も早く回復するよう取り組まれることを強く望むものである。

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