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木崎神社拝殿 この奥に本殿がある。
指定種別(員数) | 建造物(1棟) |
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指定年月日 | 昭和61年3月28日 |
所在地 | 佐渡市小木町 |
所有者または管理者 | 木崎神社 |
建物は8.04尺四方(約2.4メートル)の一間社春日造で、屋根は桟瓦葺、正面は覆屋で囲われ、他は外部に面し、円柱を地長押、内法長押頭貫で固め、斗拱(とこう)は出組(支輪)、軒は二軒である。また、背面は切妻造で丸桁の上に古風な大瓶束を置き、正面は幣軸構えの桟唐戸、斗拱は詰組形式、向拝部分には海老虹梁を渡し、軒は二軒の先に上部へ湾曲した打越捶を延ばす。角柱の向拝柱の柱頭には水引虹梁を置き、先端に象鼻形式の木鼻をつける。平三ツ斗の上に丸桁を廻すが、先端は切り縮められている。縋破風は両側とも当初材であるが、中蟇股は欠落している。
木崎神社は、佐渡代官の大久保長安が佐渡金銀山の繁栄と金銀輸送の安全を祈願し、慶長14年(1609)に創建した社である。建物には創建時の棟札に加え、元禄8年(1695)に中興したとの棟札もあることから、現在の本殿は火災焼失後に再建されたものと思われる。
本殿は虹梁や木鼻などの渦巻絵様が軽快かつ力強く、軸組・軒回材などの残存度も高いことから、完成度の高い近世建築である。