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指定種別(員数) | 有形民俗文化財(1) |
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指定年月日 | 平成16年3月1日 |
所在地 | 佐渡市二宮 |
所有者または管理者 | 個人蔵 |
これは、石を焼いて水を温める石風呂の浴槽で、石材には羽茂地区羽茂小泊産の石英安山岩が使用されている。
佐和田地区の個人宅にあるこの浴槽は、立方体の1石の内側が彫り込まれ、外周は横92cm、縦106cm、高さ49cm、内法は横71cm、縦84cm、深さ37cmである。浴槽の底面中央部には直径約30cmの穴が空いており、ここに金属板をはめて下から火を炊く構造となっている。なお、浴槽上面の緑には、内側に幅6cm、深さ2cmの掘り下げた部分があることから、かつては木製の上蓋が附属していたものと思われるが、現存していない。
なお、日本の風呂の歴史は、木製の桶に沸かしたお湯を膝まで入れて半身浴をする「蒸し風呂」が起源とされており、江戸時代の慶長末期に現在の風呂の原形となる、首まで湯につかる「据え風呂」が関東を中心に広まり、関西では「五右衛門風呂」が主流になっていたと伝わる。
この石風呂の前面には、中央に丸に違い鷹羽の紋章(鈴木家の家紋)、右に「文久三癸亥」、左に「石工 小泊村 勘左衛門」という刻銘が残っており、石工と製作年代が特定できる。