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指定種別 | 特別天然記念物 |
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指定年月日 | 昭和27年3月29日 |
所在地 | 佐渡市、他 |
所有者または管理者 | 新潟県(管理者) |
佐渡トキ保護センターが主に保護飼育し、放鳥により島内各地に生息している。トキはペリカン目トキ科に属し、日本の国名を学名(Nipponia nippon)に持つ1属1種の鳥である。体長75cm前後、翼開長約140cm、体重1,700〜2,000グラム、裸出した顔と脚、くちばしの先が赤く、羽毛は淡桃色である。この羽毛の色は色彩名の「トキ色」の由来にもなった。
かつてトキは日本・中国・朝鮮半島・ロシアのウスリー地方などの東アジア地域に広く生息する東北アジアの特産種であったが、1970年代に日本と中国を除く地域からは姿を消し、日本でも明治以降、乱獲と生活環境の悪化により激減したため、種は絶滅の危機に瀕していた。
このため、日本では明治41年(1908)に「狩猟法施行規則」の保護鳥にトキを追加し、昭和9年(1934)に国の天然記念物、同27年(1952年)に特別天然記念物に指定し、保護施策を強化した。さらにトキが再発見された中国と共同で人工繁殖にも取り組んだ。残念ながら純国産最後のトキ「キン」は平成15年(2003)に死亡し、日本産トキは絶滅したが、中国から贈呈されたペアによる人工繁殖が成功し、国内の個体数は増え続けている。
平成20年には試験放鳥も開始され、野生に放たれたトキたちは大空を元気に舞っている。