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指定種別(員数) | 有形民俗文化財(1棟) |
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指定年月日 | 平成9年3月28日 |
所在地 | 佐渡市新穂武井 |
所有者または管理者 | 熊野神社 |
杉林を背景にして開けた境内に建つ能舞台で、参道正面には社殿があり、すぐその右手から橋掛りが延び、舞台につながっている。
現在の建物は明治2年(1869)に建築されたもので、本舞台は間口5.5メートル、奥行5.5メートル、正面入母屋造、背面切妻造、桟瓦葺である。床板は本舞台と、後座を縦と横に張り分け、天井は棹縁天井で鐘穴があり、後座部分は一段低く、鏡板に向けて下り勾配の天井である。
鏡板には松と竹の絵が描かれ、水引(虹梁)には舞台の古い呼称である「加具良殿」の4文字が1字ずつ彫られた4面の蟇股と、その上の肘木、さらに木鼻のついた三ツ斗組に装飾的な細部の意匠が見られる。また、地謡座は下屋を出し、架木の高さまで板壁になっており、一部は桟敷席となる。
演能の歴史は古く、最古の記録としては、『佐渡国略記』に宝暦元年(1751)の神事能が記されており、文久3年(1863)の「文久三年社人届定能場」にも記載が見られる。現在も6月に薪能が上演されている。