○佐渡市地域支援事業実施要綱

平成18年8月25日

告示第149号

(趣旨)

第1条 この告示は、本市が実施する地域支援事業として、介護予防・日常生活支援総合事業(以下「総合事業」という。)、包括的支援事業(地域包括支援センターの運営)、包括的支援事業(社会保障充実分)及び任意事業を行うことにより、被保険者が要介護状態等又は要支援状態(以下「要介護状態等」という。)となることを予防し、社会に参加しつつ、地域において自立した日常生活を営むことができるよう支援することを目的とし、地域における包括的な相談及び支援体制、多様な主体の参画による日常生活の支援体制、在宅医療と介護の連携体制及び認知症高齢者への支援体制の構築等を一体的に推進する。

(平20告示150・平28告示163・平29告示69・一部改正)

(実施主体)

第2条 事業の実施主体は、佐渡市とする。

2 市は、包括的支援事業の実施について、適切、公正、中立かつ効率的に実施することができると認められる在宅介護支援センターの設置者(佐渡市社会福祉協議会、社会福祉法人等)、医療法人、当該事業を実施することを目的として設立された民法法人、特定非営利活動法人その他市が適当と認める法人に委託することができる。この委託は、包括的支援事業の実施に係る方針を示した上で、包括的支援事業(地域包括支援センターの運営)についてはその全てにつき一括して行うものとする。なお、委託した場合においても、市と委託先は密に連携を図りつつ、事業を実施するものとする。

3 市は、利用者、サービス内容及び利用料の決定を除き、総合事業について、介護保険法施行規則(平成11年厚生省令第36号。以下「省令」という。)第140条の69に定める基準に適合する者(第1号介護予防支援事業(介護保険法(平成9年法律第123号。以下「法」という。)第115条の45第1項第1号ニに規定する第1号介護予防支援事業をいう。以下同じ。)については、地域包括支援センターの設置者に限る。)に対して、事業の実施を委託することができる。また、総合事業のうち、介護予防・生活支援サービス事業(法第115条の45第1項第1号に規定する第1号事業をいう。以下同じ。)については、市が事業者を指定して事業を実施することができる。

4 市は、利用者、サービス内容及び利用料の決定を除き、包括的支援事業以外の地域支援事業の全部又は一部について、在宅介護支援センターの設置者その他市が適当と認める者に対し、その実施を委託することができる。

5 第2項から第4項までの受託者に対して市が払う費用の額については、市において柔軟に決定することができる。なお、総合事業については、受託者に対する費用の審査・支払に係る事務を国民健康保険団体連合会に委託することができる。

6 法第13条第3項に規定する住所地特例適用被保険者に対する地域支援事業の実施に関しては、法第115条の45第1項により、当該住所地特例適用被保険者が入所又は入居する施設が所在する市町村(以下「施設所在市町村」という。)が行うものとする。ただし、任意事業については、転居前の市町村(以下「保険者市町村」という。)も行うことができる仕組みとなっており、事業の内容によっては、引き続き、保険者市町村が行うことができる。ただし、任意事業については、転居前の市町村(以下「保険者市町村」という。)も行うことができる仕組みとなっており、事業の内容によっては、引き続き、保険者市町村が行うことができる。

(平28告示163・平29告示69・一部改正)

(名称及び所在地)

第3条 包括的支援事業を実施する機関の名称及び所在地は、次のとおりとする。

名称

所在地

佐渡中地域包括支援センター

佐渡市畑野甲531番地2

佐渡東地域包括支援センター

佐渡市春日1150番地20

佐渡西地域包括支援センター

佐渡市河原田本町394番地

佐渡南地域包括支援センター

佐渡市羽茂本郷550番地

(平20告示150・平21告示29・平28告示163・令3告示201・一部改正)

(事業内容)

第4条 事業内容については、別表のとおりとする。

(設置の届出等)

第5条 第2条第2項の委託を受けた者は、地域包括支援センター(以下「センター」という。)の設置に関する事項を、市長に届け出なければならない。

2 前項の規定による届出事項に変更があったとき又は当該センターを廃止したときは、市長に届け出なければならない。

(平18告示187・追加)

(申請及び決定)

第6条 地域支援事業のうち、次条に規定する利用料を請求する事業及び別表1総合事業又は同表4任意事業の表に規定する次に掲げる事業を利用する者は、市長に申請をしなければならない。

(1) 住宅改修支援事業

(2) 介護用品支給事業

(3) 配食サービス事業

(4) 成年後見制度利用支援事業

2 市長は、前項の規定による申請があったときは、その内容を審査し、決定事項を、当該申請をした者に通知するものとする。

(平18告示187・旧第5条繰下・一部改正、平20告示73・平22告示165・平26告示172・平28告示163・平29告示69・令5告示94・一部改正)

(利用料)

第7条 市は、地域支援事業の利用者に対し、介護予防把握事業にかかる費用を除いて、利用料を請求することができる。

(平18告示187・旧第6条繰下、平20告示150・平22告示165・平28告示163・一部改正)

(守秘義務)

第8条 センターの設置者(法人である場合は、その役員)若しくはその職員又はこれらの職にあった者は、正当な理由なしに、その業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。

(平18告示187・旧第7条繰下・一部改正)

(評価)

第9条 地域支援事業の実施状況及び効果に関する評価は、保険者機能強化推進交付金に関する指標により、毎年度実施する。

(令3告示201・追加)

(その他)

第10条 この告示に定めるもののほか、必要な事項は、市長が別に定める。

(平18告示187・旧第8条繰下、令3告示201・旧第9条繰下)

この告示は、公布の日から施行し、平成18年4月1日から適用する。

(平成18年12月25日告示第187号)

この告示は、公布の日から施行する。

(平成19年5月31日告示第87号)

この告示は、公布の日から施行し、改正後の佐渡市地域支援事業実施要綱の規定は、平成19年4月1日から適用する。

(平成20年3月31日告示第73号)

この告示は、平成20年4月1日から施行する。

(平成20年7月1日告示第150号)

この告示は、公表の日から施行し、改正後の第1条及び第7条並びに別表第1項の表の規定は、平成20年4月1日から適用する。

(平成21年2月18日告示第29号)

この告示は、平成21年3月1日から施行する。

(平成21年6月16日告示第125号)

この告示は、公表の日から施行し、平成21年4月1日から適用する。

(平成22年3月31日告示第62号)

この告示は、平成22年4月1日から施行する。

(平成22年8月6日告示第165号)

この告示は、平成22年8月6日から施行する。

(平成25年10月15日告示第136号)

この告示は、公表の日から施行する。

(平成26年10月27日告示第172号)

この告示は、公表の日から施行し、改正後の佐渡市地域支援事業実施要綱別表3任意事業の表認知症地域支援推進員等設置事業の項及び認知症ケア向上推進事業の項の規定は、平成26年4月1日から適用する。

(平成28年3月31日告示第163号)

この告示は、平成28年4月1日から施行し、改正後の佐渡市地域支援事業実施要綱別表の規定は、平成27年4月1日から適用する。

(平成29年3月24日告示第69号)

この告示は、平成29年4月1日から施行する。

(平成30年3月15日告示第49号)

(施行期日)

1 この告示は、平成30年4月1日から施行する。

(佐渡市認知症対策総合推進事業実施要綱及び佐渡市生活支援体制整備事業実施要綱の廃止)

2 次に掲げる告示は、廃止する。

(1) 佐渡市認知症対策総合推進事業実施要綱(平成25年佐渡市告示第118号)

(2) 佐渡市生活支援体制整備事業実施要綱(平成28年佐渡市告示第177号)

(令和3年3月31日告示第201号)

この告示は、令和3年4月1日から施行する。

(令和5年3月31日告示第94号)

(施行期日)

1 この告示は、令和5年4月1日から施行する。

(佐渡市介護保険ボランティアポイント制度実施要綱の廃止)

2 佐渡市介護保険ボランティアポイント制度実施要綱(平成30年佐渡市告示第120号)は、廃止する。

別表(第4条関係)

(平19告示87・平20告示73・平20告示150・平21告示125・平22告示62・平22告示165・平25告示136・平26告示172・平28告示163・平29告示69・平30告示49・令3告示201・一部改正)

1 総合事業

事業名

目的

対象者

事業の種類

事業内容等

介護予防・生活支援サービス事業

要支援者等に対して、要介護状態等となることの予防又は要介護状態等の軽減若しくは悪化の防止及び地域における自立した日常生活の支援を実施することにより、一人ひとりの生きがいや自己実現のための取組を支援し、活動的で生きがいのある生活や人生を送ることができるように支援することを目的として実施する。また、要支援者等の多様な生活支援のニーズに対して、旧介護予防訪問介護等により提供されていた専門的なサービスに加え住民等の多様な主体が参画し、多様なサービスを充実することにより、要支援者等に対する効果的かつ効率的な支援等を可能とし、地域の支え合いの体制づくりを推進することを目的とする。

法第115条の45第1項第1号に規定する居宅要支援被保険者等(居宅要支援被保険者及び省令第140条の62の4第2号の規定に基づき厚生労働大臣が定める基準(平成27年厚生労働省告示第197号)に掲げる様式第1(以下「基本チェックリスト」という。)の記入内容が同基準様式第2に掲げるいずれかの基準に該当した者(以下「事業対象者」という。)を対象に実施する。

訪問型サービス(第1号訪問事業)

① 旧介護予防訪問介護に相当するサービス(以下「訪問介護員等によるサービス」という。)

要支援者等の居宅において、介護予防を目的として、訪問介護員等により行われる入浴、排せつ、食事等の身体介護や生活援助を行うものである。また、短時間の身体介護といったサービス内容も含まれる。

② 主に雇用されている労働者により提供される、旧介護予防訪問介護に係る基準よりも緩和した基準によるサービス(以下「訪問型サービスA」という。)

要支援者等の居宅において、介護予防を目的として、主に雇用される労働者(訪問介護員又は一定の研修受講者)が行う生活援助等のサービス。

③ 有償・無償のボランティア等により提供される住民主体による支援(以下「訪問型サービスB」という。)

要支援者等の居宅において、介護予防を目的として、主に住民ボランティア等、住民主体の自主活動として行う生活援助等の多様な支援。

④ 保健・医療の専門職により提供される、3~6か月の短期間で行われるサービス(以下「訪問型サービスC」という。)

特に閉じこもり等の心身の状況のために通所による事業への参加が困難で、訪問による介護予防の取り組みが必要と認められる者を対象に、保健・医療専門職がその者の居宅を訪問して、その生活機能に関する問題を総合的に把握、評価し、社会参加を高めるために必要な相談・指導等を実施する短期集中予防サービスである。

⑤ 介護予防・生活支援サービス事業と一体的に行われる移動支援や移送前後の生活支援(以下「訪問型サービスD」という。)

a 通院等をする場合における送迎前後の付き添い支援

b 通所型サービスや一般介護予防事業における送迎を別主体が実施する場合の送迎

通所型サービス(第1号通所事業)

① 旧介護予防通所介護に相当するサービス(以下「通所介護事業者の従事者によるサービス」という。)

要支援者等について、介護予防を目的として、施設に通わせ、当該施設において、一定の期間、入浴、排せつ、食事等の介護等の日常生活上の支援及び機能訓練を行う。

② 主に雇用されている労働者により又は労働者とともにボランティアが補助的に加わった形により提供される旧介護予防通所介護に係る基準よりも緩和した基準によるサービス(以下「通所型サービスA」という。)

高齢者の閉じこもり予防や自立支援に資する通所事業。

③ 有償・無償のボランティア等により提供される住民主体による支援(以下「通所型サービスB」という。)

住民主体による要支援者等を中心とした定期的な利用が可能な自主的な通いの場づくり。

④ 保健・医療の専門職により提供される、3~6か月の短期間で行われるサービス(以下「通所型サービスC」という。)

個人の活動として行う排泄、入浴、調理、買物、趣味活動等の生活行為に支障のある者を対象に、保健・医療の専門職が、居宅や地域での生活環境を踏まえた適切な評価のための訪問を実施した上で、おおよそ週1回以上、生活行為の改善を目的とした効果的な介護予防プログラムを実施する、短期集中予防サービスである。

その他生活支援サービス

① 栄養改善を目的とした配食や一人暮らし高齢者に対する見守りとともに行う配食等

② 定期的な安否確認及び緊急時の対応、住民ボランティア等が行う訪問による見守り

③ その他、訪問型サービス及び通所型サービスの一体的提供等地域における自立した日常生活の支援に資するサービスとして市町村が定める生活支援

介護予防ケアマネジメント(第1号介護予防支援事業)

要支援者等から依頼を受けて、介護予防及び日常生活支援を目的として、その心身の状況、置かれている環境その他の状況に応じて、その選択に基づき、訪問型サービス、通所型サービス、その他生活支援サービスのほか、一般介護予防や市町村の独自施策、市場において民間企業により提供される生活支援サービスも含め、要支援者等の状態等にあった適切なサービスが包括的かつ効率的に提供されるよう必要な援助を行う。

一般介護予防事業

高齢者を年齢や心身の状況等によって分け隔てることなく、住民主体の通いの場を充実させ、人と人とのつながりを通じて、参加者や通いの場が継続的に拡大していくような地域づくりを推進するとともに、地域においてリハビリテーションに関する専門的知見を有する者を活かした自立支援に資する取組を推進し、要介護状態になっても生きがい・役割をもって生活できる地域を構築することにより、介護予防を推進することを目的とする。

市の第1号被保険者の全ての者及びその支援のための活動に関わる者を対象に実施するものとする。

介護予防把握事業

地域の実情に応じ、効果的かつ効率的に収集した情報等を活用して、閉じこもり等の何らかの支援を要する者を早期に把握し、住民主体の介護予防活動へつなげることを目的とする。

介護予防普及啓発事業

1 介護予防に資する基本的な知識を普及・啓発するためのパンフレット等の作成及び配布

2 介護予防に資する基本的な知識を普及・啓発するための有識者等による講演会や相談会等の開催

3 介護予防の普及・啓発に資する運動、栄養、口腔等に係る介護予防教室等の開催

4 介護予防に関する知識又は情報、各対象者の介護予防事業の実施の記録等を管理するための媒体(介護予防手帳等)の配布

地域介護予防活動支援事業

1 介護予防に関するボランティア等の人材を育成するための研修

2 介護予防に資する多様な地域活動組織の育成及び支援

3 社会参加活動を通じた介護予防に資する地域活動の実施

一般介護予防事業評価事業

介護保険事業計画において定める目標値の達成状況等の検証を通じ、一般介護予防事業を含め、地域づくりの観点から総合事業全体を評価し、その評価結果に基づき事業全体の改善を図る。

地域リハビリテーション活動支援事業

1 住民への介護予防に関する技術的助言

2 介護職員等(介護サービス事業所に従事する者を含む。)への介護予防に関する技術的助言

3 地域ケア会議やサービス担当者会議におけるケアマネジメント支援

2 包括的支援事業(地域包括支援センターの運営)

業務名

目的

業務内容等

介護予防ケアマネジメント業務

介護予防・生活支援サービス事業の対象者が要介護態等となることを予防するため、その心身の状況、その置かれている環境その他の状況に応じて対象者自らの選択に基づき、総合事業その他の適切な事業が包括的かつ効率的に実施されるよう必要な援助を行うことを目的とする。

介護予防・生活支援サービス事業の対象者がどのような生活をしたいかという具体的な日常生活上の目標を明確にし、その目標を介護予防・生活支援サービス事業の対象者、家族、事業実施担当者が共有するとともに、介護予防・生活支援サービス事業の対象者自身の意欲を引き出し、自主的に取組を行えるよう支援するものとする。

総合相談支援業務

地域の高齢者が住み慣れた地域で安心してその人らしい生活を継続していくことができるよう、地域における関係者とのネットワークを構築するとともに、高齢者の心身の状況や生活の実態、必要な支援等を幅広く把握し、相談を受け、地域における適切な保健・医療・福祉サービス、機関又は制度の利用につなげる等の支援を行うことを目的とする。

1 地域におけるネットワークの構築

センターは、支援を必要とする高齢者を見い出し、保健・医療・福祉サービスをはじめとする適切な支援へのつなぎ、継続的な見守りを行い、更なる問題の発生を防止するため、地域における様々な関係者のネットワークの構築を図る。

2 実態把握

地域におけるネットワークを活用するほか、様々な社会資源との連携、高齢者世帯への戸別訪問、同居していない家族や近隣住民からの情報収集等により、高齢者や家族の状況等についての実態把握を行うものとする。特に、地域から孤立している要介護(支援)者のいる世帯や介護を含めた重層的な課題を抱えている世帯など、支援が必要な世帯を把握し、当該世帯の高齢者や家族への支援につなげるものとする。

3 総合相談支援

(1) 初期段階の相談対応

本人、家族、近隣の住民、地域のネットワーク等を通じた様々な相談を受けて、的確な状況把握等を行い、専門的・継続的な関与又は緊急の対応の必要性を判断し、適切な情報提供を行うことにより相談者自身が解決することができると判断した場合には、相談内容に即したサービス又は制度に関する情報提供、関係機関の紹介等を行う。

(2) 継続的・専門的な相談支援

初期段階の相談対応により、専門的・継続的な関与又は緊急の対応が必要と判断した場合には、より詳細な情報収集を行い、個別の支援計画を策定する。その支援計画に基づき、適切なサービスや制度につなぐとともに、定期的に情報収集を行い、期待された効果の有無を確認する。

権利擁護業務

地域の住民、民生委員、介護支援専門員などの支援だけでは十分に問題が解決できない、適切なサービス等につながる方法が見つからない等の困難な状況にある高齢者が、地域において尊厳のある生活を維持し、安心して生活を行うことができるよう、専門的・継続的な視点から、高齢者の権利擁護のため必要な支援を行うことを目的とする。

地域福祉権利擁護事業、成年後見制度などの権利擁護を目的とするサービスや制度を活用するなど、ニーズに即した適切なサービスや機関につなぎ、適切な支援を提供することにより、高齢者の生活の維持を図る。特に、高齢者の権利擁護の観点からの支援が必要と判断した場合には、次のような諸制度を活用する。

1 成年後見制度の活用促進

成年後見制度を説明するとともに、親族からの申立てが行われるよう支援する。また、申立てを行える親族がないと思われる場合や、親族があっても申立てを行う意思がない場合で、成年後見の利用が必要と認める場合、速やかに佐渡市高齢福祉課に当該高齢者の状況等を報告し、市申立てにつなげる。

2 老人福祉施設等への措置の支援

虐待等の場合で、高齢者を老人福祉施設等へ措置入所させることが必要と判断した場合は、佐渡市高齢福祉課に当該高齢者の状況等を報告し、措置入所を実施する。

3 高齢者虐待への対応

虐待の事例を把握した場合には、高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律(平成17年法律第124号)等に基づき、速やかに当該高齢者を訪問して状況を確認する等、事例に即した適切な対応をとる。

4 困難事例への対応

高齢者やその家庭に重層的に課題が存在している場合、高齢者自身が支援を拒否している場合等の困難事例を把握した場合には、センターに配置されている専門職が相互に連携するとともに、センター全体で対応を検討し、必要な支援を行う。

5 消費者被害の防止

訪問販売によるリフォーム業者などによる消費者被害を未然に防止するため、消費者センター等と定期的な情報交換を行うとともに、民生委員、介護支援専門員、訪問介護員等に必要な情報提供を行う。

包括的・継続的ケアマネジメント支援業務

高齢者が住みなれた地域で暮らし続けることができるよう、介護支援専門員、主治医、地域の関係機関等の連携、在宅と施設の連携など、地域において、多職種相互の協働等により連携し、個々の高齢者の状況や変化に応じて、包括的かつ継続的に支援していく包括的・継続的ケアマネジメントが重要であり、地域における連携・協働の体制づくりや個々の介護支援専門員に対する支援等を行うことを目的とする。

1 包括的・継続的なケア体制の構築

在宅・施設を通じた地域における包括的・継続的なケアを実施するため、医療機関を含めた関係機関との連携体制を構築し、地域の介護支援専門員と関係機関の間の連携を支援する。また、地域の介護支援専門員が、地域における健康づくりや交流促進のためのサークル活動、老人クラブ活動、ボランティア活動など介護保険サービス以外の地域における様々な社会資源を活用できるよう、地域の連携・協力体制を整備する。

2 地域における介護支援専門員のネットワークの活用

地域の介護支援専門員の日常的な業務の円滑な実施を支援するために、介護支援専門員相互の情報交換等を行う場を設定するなど介護支援専門員のネットワークを構築したり、その活用を図る。

3 日常的個別指導・相談

地域の介護支援専門員の日常的業務の実施に関し、介護支援専門員に対する個別の相談窓口の設置、居宅(介護予防)・施設サービス計画の作成技術の指導、サービス担当者会議の開催支援など、専門的な見地からの個別指導、相談への対応を行う。また、地域の介護支援専門員の資質向上を図る観点から、必要に応じて、センターの各専門職や関係機関とも連携の上、事例検討会や研修の実施、制度や施策等に関する情報提供等を行う。

4 支援困難事例等への指導・助言

地域の介護支援専門員が抱える支援困難事例について、適宜、センターの各専門職や地域の関係者、関係機関との連携の下で、具体的な支援方針を検討し、指導助言等を行う。

3 包括的支援事業(社会保障充実分)

事業名

目的

事業内容等

在宅医療・介護連携推進事業(法第115条の45第2項第4号)

医療と介護の両方を必要とする状態の高齢者が、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、在宅医療と介護を一体的に提供するために、医療機関と介護事業所等の関係者の連携を推進することを目的とする。

1 地域の医療・介護の資源の把握

地域の医療機関、介護事業所等の住所、機能等を把握し、これまでに自治体等が把握している情報と合わせて、リスト又はマップを作成する。作成したリスト等は、地域の医療・介護関係者間の連携等に活用する。

2 在宅医療・介護連携の課題の抽出と対応策の検討

地域の医療・介護関係者等が参画する会議を開催し、在宅医療・介護連携の現状の把握と課題の抽出、解決策等の検討を行う。

3 切れ目のない在宅医療と在宅介護の提供体制の構築推進

地域の医療・介護関係者の協力を得ながら、切れ目なく在宅医療と介護が一体的に提供される体制の構築に向けて必要となる具体的取組を企画・立案する。

4 医療・介護関係者の情報共有の支援

情報共有の手順等を定めた情報共有ツールを整備する等、地域の医療・介護関係者の情報共有を支援する。

5 在宅医療・介護連携に関する相談支援

地域の在宅医療・介護連携を支援する相談窓口の運営を行うために、在宅医療・介護の連携を支援する人材を配置し、地域の医療・介護関係者、地域包括支援センター等からの、在宅医療・介護連携に関する事項の相談を受け付ける。また、必要に応じて、退院の際の地域の医療関係者と介護関係者の連携の調整や、患者、利用者又は家族の要望を踏まえた、地域の医療機関等・介護事業者相互の紹介を行う。

6 医療・介護関係者の研修

地域の医療・介護関係者の連携を実現するために、多職種でのグループワーク等の研修を行う。また、必要に応じて、地域の医療関係者に介護に関する研修、介護関係者に医療に関する研修を行う。

7 地域住民への普及啓発

在宅医療・介護連携に関する講演会の開催、パンフレットの作成・配布等により、地域住民の在宅医療・介護連携の理解を促進する。

8 在宅医療・介護連携に関する関係市町村の連携

複数の関係市町村が連携して、広域連携が必要な事項について協議する。

生活支援体制整備事業(法第115条の45第2項第5号)

単身や夫婦のみの高齢者世帯、認知症の高齢者が増加する中、医療、介護のサービス提供のみならず、地域住民に身近な存在である市が中心となって、NPO法人、民間企業、協同組合、ボランティア、社会福祉法人、社会福祉協議会、地縁組織、介護サービス事業所、シルバー人材センター、老人クラブ、家政婦紹介所、商工会、民生委員等の生活支援サービスを担う事業主体と連携しながら、多様な日常生活上の支援体制の充実・強化及び高齢者の社会参加の推進を一体的に図って行くことを目的とする。

1 生活支援コーディネーター(地域支え合い推進員)の配置

高齢者の生活支援・介護予防サービス(以下「生活支援等サービス」という。)の体制整備を推進していくため、以下のとおり、生活支援等サービスの提供体制の構築に向けて、以下の(1)に掲げるコーディネート機能を有する者を「生活支援コーディネーター(地域支え合い推進員)」とし、市町村区域(第1層)及び日常生活圏域(中学校区域等)(第2層)に配置する。

(1) コーディネート機能

市が定める活動区域ごとに、以下のアからウまでの内容を踏まえ、多様な主体による多様な取組のコーディネート業務を実施することにより、地域における一体的な生活支援等サービスの提供体制の整備を推進する。

ア 資源開発(地域に不足するサービスの創出、サービスの担い手の養成、高齢者等が担い手として活動する場の確保等)

イ ネットワーク構築(関係者間の情報共有、サービス提供主体間の連携の体制づくり等)

ウ ニーズと取組のマッチング(地域の支援ニーズとサービス提供主体の活動のマッチング等)

(2) 活動範囲

コーディネートを実施する範囲としては、第1層の市町村区域、第2層の日常生活圏域(中学校区域等)、サービス提供主体の活動圏域(第3層)があるが、本事業の対象となるのは、以下のア及びイとする。

ア 第1層 市町村区域で、以下の(ア)から(オ)までを中心に行う機能

イ 第2層 日常生活圏域(中学校区域等)で、第1層の機能の下、以下の(ア)から(カ)までを行う機能

(ア) 地域のニーズと資源の状況の見える化、問題提起

(イ) 地縁組織等多様な主体への協力依頼等の働きかけ

(ウ) 関係者のネットワーク化

(エ) 目指す地域の姿・方針の共有、意識の統一

(オ) 生活支援の担い手の養成やサービスの開発(担い手を養成し、組織化し、担い手を支援活動につなげる機能)

(カ) ニーズとサービスのマッチング

(3) 配置

地域包括支援センターとの連携を前提とした上で、配置先や市町村ごとの配置人数等は限定せず、地域の実情に応じた多様な配置を可能とする。

(4) 資格・要件

地域における助け合いや生活支援等サービスの提供実績のある者又は中間支援を行う団体等であって、地域でコーディネート機能を適切に担うことができる者とする。

このように、特定の資格要件は定めるものでないが、市民活動への理解があり、多様な理念をもつ地域のサービス提供主体と連絡調整できる立場の者であって、国や都道府県が実施する研修を修了した者が望ましい。

なお、生活支援コーディネーターが属する組織の活動の枠組みを超えた視点、地域の公益的活動の視点、公平中立な視点を有することが必要である。

2 協議体の設置

(1) 目的

生活支援等サービスの体制整備に向けて、多様な主体の参画が効果的な取組につながることから、市が主体となって、生活支援コーディネーターと生活支援等サービスの多様な提供主体等が参画する定期的な情報の共有・連携強化の場を設置することにより、多様な主体間の情報共有及び連携・協働による体制整備を推進することを目的とする。

(2) 役割

・ 生活支援コーディネーターの組織的な補完

・ 地域ニーズ、既存の地域資源の把握、情報の見える化の推進(実態調査の実施や地域資源マップの作成等)

・ 企画、立案、方針策定を行う場(生活支援等サービスの担い手養成に係る企画等を含む。)

・ 地域づくりにおける意識の統一を図る場

・ 情報交換の場、働きかけの場等

(3) 設置主体

設置主体は市であり、地域の関係者のネットワーク化を図りながら設置することが重要である。

なお、地域の実情に応じた様々なネットワーク化の手法が考えられるため、既に類似の目的を持ったネットワーク会議等が開催されている場合は、その枠組みを活用することも可能である。例えば、既存の地域の住民会議を活用する等、市に事務局をおかないことも考えられ、地域の実情に応じた形で実施が可能である。

(4) 構成団体

協議体は、市、地域包括支援センター等の行政機関、生活支援コーディネーターのほか、NPO法人、社会福祉法人、社会福祉協議会、地縁組織、協同組合、民間企業、ボランティア団体、介護サービス事業者、シルバー人材センター等の地域の関係者で構成され、この他にも地域の実情に応じて適宜参画者を募ることが望ましい。

また、本事業は、市の生活支援等サービスの体制整備を目的としており、介護保険制度でのサービスのみならず、市実施事業や民間市場、あるいは地域の支え合いで行われているサービスを含めて市内の資源を把握し、保険外のサービスの活用を促進しつつ、互助を基本とした生活支援等サービスが創出されるような取組を積極的に進める必要があることから、地域の実情、ニーズに応じて配食事業者、移動販売事業者、移動支援団体等、地域の高齢者の生活を支える上で必要不可欠な民間企業等も参画することが望ましい。

なお、協議体の早期設置を推進する観点から、まずは協議体の機能を有するような既存の会議等も積極的に活用しつつ、最低限必要な参画者で協議体を立ち上げ、徐々に参画者を増やしていく等といった方法も有効である。

3 就労的活動支援コーディネーター(就労的活動支援員)の配置

役割ある形での高齢者の社会参加等を促進するため、「就労的活動支援コーディネーター(就労的活動支援員)」を配置することができる。

(1) 活動内容

就労的活動の場を提供できる民間企業・団体等と就労的活動の取組を実施したい事業者等とをマッチングし、高齢者個人の特性や希望に合った活動をコーディネートすることにより、役割がある形での高齢者の社会参加等を促進する。

(2) 配置

配置先や市町村ごとの配置人数等は限定せず、地域の実情に応じた多様な配置を可能とする。

(3) 資格・要件

地域の産業に精通している者又は中間支援を行う団体等であって、地域でコーディネート機能を適切に担うことができる者とする。

このように、特定の資格要件は定めるものでないが、生涯現役社会の実現や市民活動への理解があり、多様な理念をもつ地域のサービス提供主体や民間企業と連絡調整できる立場の者が望ましい。

認知症総合支援事業(法第115条の45第2項第6号)

1 認知症初期集中支援推進事業

認知症になっても本人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域のよい環境で暮らし続けられるために、認知症の人やその家族に早期に関わる「認知症初期集中支援チーム」(以下「支援チーム」という。)を配置し、早期診断・早期対応に向けた支援体制を構築することを目的とする。

1 実施体制

(1) 支援チームの配置と役割

支援チームは、市、地域包括支援センター、認知症疾患医療センターを含む医療機関に配置することとし、認知症に係る専門的な知識・技能を有する医師の指導の下、複数の専門職が家族の訴え等により認知症が疑われる人や認知症の人(以下「訪問支援対象者」という。)及びその家族を訪問、観察・評価、家族支援等の初期の支援を包括的、集中的に行い、自立生活のサポートを行うものとする。また、地域包括支援センター職員、認知症地域支援推進員、市保健師、かかりつけ医、認知症サポート医、認知症に係る専門的な知識・技能を有する医師、介護事業者との連携を常に意識し、情報が共有できる仕組みを確保する。

(2) 認知症初期集中支援チーム員の構成

認知症初期集中支援チーム員(以下「チーム員」という。)は、以下のアを満たす専門職2名以上、イを満たす専門医(3(2)エにおいて単に「専門医」という。)1名の計3名以上の専門職にて編成する。

ア 以下の要件を全て満たす者2名以上とする。

・ 保健師、看護師、准看護師、作業療法士、歯科衛生士、精神保健福祉士、社会福祉士、介護福祉士等の医療保険福祉に関する国家資格を有する者

・ 認知症ケアや住宅ケアの実務・相談業務等に3年以上携わった経験がある者

また、チーム員は国が別途定める「認知症初期集中支援チーム員研修」を受講し、必要な知識・技能を修得するものとする。

ただし、やむを得ない場合には、国が定める研修を受講したチーム員が受講内容をチーム内で共有することを条件として、同研修を受講していないチーム員の事業参加も可能とする。

イ 専門医は1名とし、認知症サポート医であって、認知症疾患の診断・治療に5年以上従事した経験を有する者とする。

(3) チーム員の役割

(2)のアを満たす専門職は、目的を果たすために訪問支援対象者の認知症の包括的観察・評価に基づく初期集中支援を行うために訪問活動等を行う。

(2)のイを満たす専門医は、他のチーム員をバックアップし、認知症に関して専門的見識から指導・助言等を行う。また、必要に応じてチーム員とともに訪問し相談に応需する。

なお、訪問する場合のチーム員数は、初回の観察・評価の訪問は原則として医療系職員と介護系職員それぞれ1名以上の計2名以上で訪問する。

2 訪問支援対象者

訪問支援対象者は、原則として、40歳以上で、在宅で生活しており、かつ認知症が疑われる人又は認知症の人で以下の(1)(2)のいずれかの基準に該当する者とする。

(1) 医療サービス、介護サービスを受けていない者、又は中断している者で以下のいずれかに該当する者

ア 認知症疾患の臨床診断を受けていない者

イ 継続的な医療サービスを受けていない者

ウ 適切な介護サービスに結び付いていない者

エ 介護サービスが中断している者

(2) 医療サービス、介護サービスを受けているが認知症の行動・心理症状が顕著なため、対応に苦慮している者

3 事業の実施内容

以下の(1)から(3)までについていずれも実施するものとする。なお、(3)については市が自ら実施する。

(1) 支援チームに関する普及啓発

地域住民や関係機関・団体に対し、支援チームの役割や機能について広報活動や協力依頼を行う等、各地域の実情に応じた取組を行うものとする。

(2) 認知症初期集中支援の実施

ア 訪問支援対象者の把握

訪問支援対象者の把握については、支援チームが地域包括支援センター及び認知症疾患医療センター経由で訪問支援対象者に関する情報を入手できるように配慮すること。チーム員が直接訪問支援対象者に関する情報を知り得た場合においても、地域包括支援センターと情報共有を図る。

イ 情報収集及び観察・評価

本人のほか家族等のあらかじめ協力の得られる人が同席できるよう調整を行い、本人の現病歴、既往歴、生活情報等に加え家族の状況等を情報収集するとともに、指定された観察・評価票を用いて、認知症の包括的観察・評価を行う。

ウ 初回訪問時の支援

初回訪問時に、認知症の包括的観察・評価、基本的な認知症に関する正しい情報の提供、専門的医療機関への受診や介護保険サービスの利用の効果に関する説明及び訪問支援対象者やその家族の心理的サポートや助言等を行う。

エ 専門医を含めたチーム員会議の開催

初回訪問後、訪問支援対象者毎に、観察・評価内容を総合的に確認し、支援方針、支援内容、支援頻度等を検討するため、専門医も含めたチーム員会議を行う。必要に応じて、訪問支援対象者のかかりつけ医、介護支援専門員、地域包括支援センター職員、認知症地域支援推進員、市保健師等の参加も依頼する。

オ 初期集中支援の実施

医療機関への受診が必要な場合の訪問支援対象者への動機付けや継続的な医療サービスの利用に至るまでの支援、介護サービスの利用等の勧奨・誘導、認知症の重症度に応じた助言、身体を整えるケア、生活環境等の改善等の支援を行う。(訪問支援対象者が医療サービスや介護サービスによる安定的な支援に移行するまでの間とし、概ね最長で6か月)

カ 引継ぎ後のモニタリング

初期集中支援の終了をチーム員会議で判断した場合、認知症疾患医療センター、地域包括支援センターの職員や担当介護支援専門員等と同行訪問を行う等の方法で円滑な引継ぎを行う。

また、チーム員会議において、引継ぎの2か月後に、サービスの利用状況等を評価し、必要性を判断の上、随時モニタリングを行う。

なお、訪問支援対象者に関する情報、観察・評価結果、初期集中支援の内容等を記録した書類を適切に管理、保管しなければならない。

(3) 認知症初期集中支援チーム検討委員会の設置等

市は、実施主体として、以下の体制を講じる。

ア 医療・保健・福祉に携わる関係者等から構成される「認知症初期集中支援チーム検討委員会」(以下「検討委員会」という。)を設置するとともに、検討委員会が関係機関・団体と一体的に当該事業を推進していくための合意が得られる場となるよう努める。

イ 支援チームと医療関係者との連携を図るため、地元医師会との事前協議や主治医(かかりつけ医)に対する連絡票等情報の共有化に向けたツールの作成やそれを用いた地域の連携システムの構築を図る。

ウ 検討委員会において、支援チームの設置及び活動状況を検討する。

2 認知症地域支援・ケア向上事業

認知症の人が住み慣れた地域で安心して暮らし続けるためには、認知症の容態の変化に応じ、全ての期間を通じて、必要な医療、介護及び生活支援を行うサービスが有機的に連携したネットワークを形成し、認知症の人に対して効果的な支援が行われる体制を構築するとともに、地域の実情に応じて、認知症ケアの向上を図るための取組を推進することが重要である。認知症疾患医療センターを含む医療機関や介護サービス及び地域の支援機関の間の連携を図るための支援や認知症の人やその家族を支援する相談業務、地域において「生きがい」をもった生活を送れるよう社会参加活動のための体制整備等を行う認知症地域支援推進員(以下「推進員」という。)を配置し、当該推進員を中心として、医療・介護等の連携強化等による、地域における支援体制の構築と認知症ケアの向上を図ることを目的とする。

1 実施体制

(1) 推進員の配置

推進員は、地域包括支援センター、高齢福祉課、認知症疾患医療センター等に配置することとし、以下のいずれかの要件を満たす者を1人以上配置するものとする。

ア 認知症の医療や介護における専門的な知識及び経験を有する医師、保健師、看護師、作業療法士、歯科衛生士、精神保健福祉士、社会福祉士、介護福祉士

イ 上記ア以外で認知症の介護や医療における専門的知識及び経験を有する者として市が認めた者(例:准看護師、認知症介護指導者養成研修修了者等)

(2) 嘱託医の配置

医療介護の連携を図るため、認知症サポート医養成研修修了者(以下「認知症サポート医」という。)、認知症疾患医療センターの専門医等の医師を地域包括支援センター、高齢福祉課等に配置し、以下の活動等を実施するように努める。

ア 推進員等からの相談に対する医療的見地からの助言

イ 認知症の人を専門医療機関につなぐための関係機関との調整

ウ 地域において認知症の人への支援を行う関係者の会議への出席・助言

2 事業実施内容

事業の内容は次に掲げるとおりとし、地域の実情に応じて(3)を実施するものとする。

(1) 認知症の人に対し、状態に応じた適切なサービスが提供されるよう、地域包括支援センター、認知症疾患医療センターを含む医療機関や、介護サービス事業者や認知症サポーター等地域において認知症の人を支援する関係者の連携を図るための取組

ア 認知症の人やその家族が状況に応じて必要な医療や介護等のサービスが受けられるような関係機関との連携体制を構築する。

イ 地元医師会や認知症サポート医、認知症疾患医療センターの専門医等とのネットワークを形成する。

ウ 認知症ケアパス(状態に応じた適切な医療や介護サービス提供の流れ)の作成・普及における主導的役割を担う。

エ 推進員が配置されていない他の地域包括支援センターに対する認知症対応力向上のための支援を行う。

(2) 認知症地域支援推進員を中心に地域の実情に応じて、地域における認知症の人とその家族を支援する相談支援や支援体制を構築するための取組

ア 認知症の人やその家族等から相談があった際、その知識・経験を活かした相談支援を実施する。

イ 支援チームと連携を図る等により、状況に応じた必要なサービスが提供されるよう調整する。

(3) 以下のアからエまでの事業実施に関する企画及び調整

ア 病院・介護保険施設等で認知症対応力向上を図るための支援事業

病院や介護保険施設等の職員の認知症への理解を深め、対応力を高めるために、認知症疾患医療センター等の専門医等が処遇困難事例に対しては事例検討を行い、個別支援を実施する。

イ 地域密着型サービス事業所・介護保険施設等での在宅生活継続のための相談・支援事業

認知症の人が可能な限り住み慣れた地域で生活を続けていくために、認知症対応型共同生活介護事業所、小規模多機能型居宅介護支援事業所、特別養護老人ホーム等が相談員を配置し、当該事業所等が有する知識・経験・人材を活用し、在宅で生活する認知症の人やその家族に対して効果的な介護方法等の専門的な相談支援等を行う。

ウ 認知症の人の家族に対する支援事業

市又は市が適当と認める者が、認知症の人やその家族を支えるつながりを支援し、認知症の人の家族の介護負担の軽減を図るため、次の取組を実施する。

(ア) 認知症の人とその家族、地域住民、専門職がカフェ等の形態で集う取組(以下「認知症カフェ」という。)等の開催

(イ) 認知症カフェ等を通じて顔なじみになったボランティアによる認知症の人への傾聴や見守り等の取組の実施

(ウ) 認知症人の家族向けの介護教室の開催等を行う。

エ 認知症ケアに携わる多職種協働のための研修事業

医療も介護も生活支援の一部であることを十分に意識し、医療と介護等が相互の役割・機能を理解しながら、統合的なケアにつなげていくため、認知症ケアにおける多職種協働の重要性等を修得する認知症多職種協働研修を実施する。

オ 認知症高齢者をはじめとする高齢者や若年性認知症の人の社会参加活動の体制整備事業認知症高齢者をはじめとする高齢者や若年性認知症の人が、地域において役割を担い、「生きがい」を持った生活を送れるよう、高齢者等の希望に応じ、これまでの経験や残された能力を活かして、農作業や商品の製造・販売、食堂の運営、その他の軽作業、地域活動等、社会参加活動を行うための体制を整備する。

1 実施主体

市が実施する。ただし(3)の事業の全部又は一部について、市が適当と認める者に委託することができる。

2 事業内容

(1) (2)の役割を担う「チームオレンジコーディネーター」を地域包括支援センター、市、認知症疾患医療センター等に1名以上配置するものとする。なお、認知症地域支援推進員がチームオレンジコーディネーターを兼務することも可能とする。

(2) チームオレンジコーディネーターの業務内容

地域の認知症の人やその家族の支援ニーズと認知症サポーター(認知症サポーター養成講座に加え、より実際の活動につなげるためのステップアップ講座(「認知症サポーター等養成事業の実施について」(平成18年7月12日老計発0712001号厚生労働省老健局計画課長通知)の別添「認知症サポーター等養成事業実施要綱」の3(3)に定める講座をいう。以下同じ。)を受講した者)を中心とした支援を繋ぐ仕組み(以下「チームオレンジ」という。)を整備し、その運営を支援する。

チームオレンジを整備するためのプロセスやチームオレンジの活動内容は、認知症の人やその家族の支援ニーズや社会資源等を勘案した上で設定をする。

3 認知症サポーター活動促進・地域づくり推進事業

認知症の人ができる限り地域のよい環境で自分らしく暮らし続けることができるよう、認知症の人やその家族の支援ニーズと認知症サポーターを中心とした支援を繋ぐ仕組みを地域ごとに整備し、認知症施策推進大綱(令和元年6月18日認知症施策推進関係閣僚会議決定)に掲げた「共生」の地域づくりを推進することを目的とする。

1 実施主体

市が実施する。ただし(3)の事業の全部又は一部について、市が適当と認める者に委託することができる。

2 事業内容

(1) (2)の役割を担う「チームオレンジコーディネーター」を地域包括支援センター、市、認知症疾患医療センター等に1名以上配置するものとする。なお、認知症地域支援推進員がチームオレンジコーディネーターを兼務することも可能とする。

(2) チームオレンジコーディネーターの業務内容

地域の認知症の人やその家族の支援ニーズと認知症サポーター(認知症サポーター養成講座に加え、より実際の活動につなげるためのステップアップ講座(「認知症サポーター等養成事業の実施について」(平成18年7月12日老計発0712001号厚生労働省老健局計画課長通知)の別添「認知症サポーター等養成事業実施要綱」の3(3)に定める講座をいう。以下同じ。)を受講した者)を中心とした支援を繋ぐ仕組み(以下「チームオレンジ」という。)を整備し、その運営を支援する。

チームオレンジを整備するためのプロセスやチームオレンジの活動内容は、認知症の人やその家族の支援ニーズや社会資源等を勘案した上で設定をする。

地域ケア会議推進事業

包括的・継続的ケアマネジメント業務の効果的な実施のために、介護支援専門員、保健医療及び福祉に関する専門的知識を有する者、民生委員その他の関係者、関係機関及び関係団体(以下「関係者等」という。)により構成される会議(以下「地域ケア会議」という。)の設置に努めなければならないこととされている。(法第115条の48第1項)

個別ケースを検討する地域ケア会議(地域ケア個別会議)は、地域包括支援センター等が主催し、医療、介護等の専門職をはじめ、民生委員、自治会長、NPO法人、社会福祉法人、ボランティア等地域の多様な関係者が協働し、介護支援専門員のケアマネジメント支援を通じて、介護等が必要な高齢者の住み慣れた住まいでの生活を地域全体で支援していくことを目的とするものである。なお、介護支援専門員の資質向上に資するよう、市内の全ての介護支援専門員が年に1回は地域ケア会議での支援が受けられるようにする等、その効果的な実施に努める。

また、市は、個別ケースの検討により共有された地域課題を地域づくりや政策形成に着実に結びつけていくことで、市が取り組む地域包括ケアシステムの構築に向けた施策の推進にもつながることから、市と地域包括支援センターが緊密に連携し、かつ役割分担を行いながら、取組を推進していくことが求められる。(法第115条の48第2項)

このように、地域ケア会議は個別ケースを検討する会議から地域課題の解決を検討する場まで一体的に取組んでいくことが重要であり、市等が開催する地域ケア会議(地域ケア推進会議)についても包括的支援事業の対象となる。また、個別ケースの検討に当たっては、必ずしも直接のサービス提供に関わっていない第三者を含めた多職種が協働する場であることから、当該第三者等の参加に係る旅費及び謝金等についても対象経費として差し支えない。これらの取扱いも含め、地域ケア会議の組織及び運営に必要な事項については、地域ケア会議において定める。(法第115条の48第6項)

4 任意事業

事業名

目的

対象者

事業内容等

家族介護支援事業

介護方法の指導その他の要介護被保険者を現に介護する者の支援のため実施するものとする。

要介護被保険者を現に介護する者、その他近隣の援助者等

要介護被保険者の状態の維持・改善を目的とした適切な介護知識及び技術の習得並びに外部サービスの適切な利用方法の習得等を内容とした教室の開催。

住宅改修支援事業

介護保険事業の運営の安定化及び被保険者の地域における自立した日常生活の支援のため実施するものとする。

介護支援専門員又は作業療法士、福祉住環境コーディネーター検定試験2級以上の者又はその他これに準じる資格を有する者など、住宅改修について十分な専門性があると認められる者として市長が認める者等が所属する指定居宅介護支援事業所等

介護支援専門員が行う業務のうち法第8条第23項に規定する居宅介護支援の利用の届出(契約)を行っていない者に対して行った法に基づく住宅改修費の支給申請に係る理由書の作成業務に関し、介護支援専門員が所属する指定居宅介護支援事業所等に対し理由書作成1件につき2,000円の助成を行う。

認知症サポーター養成講座

市民が認知症に関する正しい知識を持つことにより、地域及び職域において認知症の人及び家族を支援する認知症サポーター(以下「サポーター」という。)を養成し、認知症の人及び家族が安心して暮らし続けることのできる地域づくりを推進することを目的とする。

地域、職域、学校等において、認知症の人及び家族を支える意欲を持つ者であって、実施主体が適当と認めたものとする。なお、本事業は一般の住民等を対象としたものであることから、介護サービス事業所が従事者に対して実施する研修は、講座として位置づけることはできないものとする。

1 研修時間

研修時間は、概ね90分程度とし、「認知症サポーター養成講座」の企画・立案及び実施を行うキャラバン・メイトが研修を実施する。

2 研修内容は、次のとおりとする。

(1) 認知症の基礎知識(認知症とは何か、認知症の症状とは等)、早期診断・治療の重要性、権利擁護等

(2) 認知症の人への対応、家族の支援、サポーターとしてできること等

3 その他

(1) 「認知症サポーター養成講座」修了者には、キャラバン・メイトを通じ、サポーターの証を交付するものとする。

(2) キャラバン・メイトは「認知症サポーター養成講座」の終了後、サポーター養成数を把握し、市に報告するものとする。

ステップアップ講座

認知症サポーター養成事業の講座修了者の認知症に関する基礎知識・理解を深めるための講座等を通じて、チームオレンジの活動に参画するなど、より実際の支援活動に繋げることを目的とする。

認知症サポーター養成事業の講座修了者

認知症サポーターが目指す実際の支援活動の内容に応じて、具体的な研修内容や時間を設定するものとする。

介護給付等費用適正化事業

介護(予防)給付について真に必要な介護サービス以外の不要なサービスが提供されていないかの検証、本事業の趣旨の徹底や良質な事業展開のために必要な情報の提供、介護サービス事業者間による連絡協議会の開催等により、利用者に適切なサービスを提供できる環境の整備を図るとともに、介護給付等(指定事業者による介護予防・生活支援サービス事業も含む。)に要する費用の適正化のための事業を実施する。なお、介護給付等(指定事業者による介護予防・生活支援サービス事業も含む。)に要する費用の適正化のための事業のうち、主要な適正化事業は次のとおり。

・ 主要介護給付等費用適正化事業(厚生労働大臣が定める主要介護給付等費用適正化事業を定める件(平成20年厚生労働省告示第31号))

① 認定調査状況チェック

② ケアプランの点検

③ 住宅改修等の点検

④ 医療情報との突合・縦覧点検

⑤ 介護給付費通知

・ 上記の主要5事業のほか、以下の事業を実施することができる。

⑥ 給付実績を活用した分析・検証事業国保連合会で実施する審査支払いの結果から得られる給付実績を活用して、不適切な給付や事業者を発見し、適正なサービス提供と介護費用の効率化、事業者の指導育成を図るもの。

⑦ 介護サービス事業者等への適正化支援事業介護給付費の適正な執行は、受給者に対して真に必要とする過不足のないサービスを実施することを通じて、受給者や地域からの事業者の信頼を高め、事業者自身の健全な発展を推進することが重要である。このことから、研修や説明会等を通じて事業者と適正化事業の目的を共有し、その実現に向けて協働して取り組むよう事業者や事業者団体に対して働きかけるもの。

介護用品支給事業

介護用品支給事業実施要領(平成23年4月1日制定)の定めるところによる。

配食サービス事業

配食サービス事業実施要領(平成23年4月1日制定)の定めるところによる。

成年後見制度利用支援事業

佐渡市成年後見制度利用支援事業実施要綱(平成20年佐渡市告示第123号)の定めるところによる。

佐渡市地域支援事業実施要綱

平成18年8月25日 告示第149号

(令和5年4月1日施行)

体系情報
第8編 生/第1章 社会福祉/第4節 老人福祉
沿革情報
平成18年8月25日 告示第149号
平成18年12月25日 告示第187号
平成19年5月31日 告示第87号
平成20年3月31日 告示第73号
平成20年7月1日 告示第150号
平成21年2月18日 告示第29号
平成21年6月16日 告示第125号
平成22年3月31日 告示第62号
平成22年8月6日 告示第165号
平成25年10月15日 告示第136号
平成26年10月27日 告示第172号
平成28年3月31日 告示第163号
平成29年3月24日 告示第69号
平成30年3月15日 告示第49号
令和3年3月31日 告示第201号
令和5年3月31日 告示第94号