○佐渡市小倉ダム管理規則
平成20年12月1日
規則第62号
(趣旨)
第1条 この規則は、佐渡市ダム管理条例(平成20年佐渡市条例第48号)第6条の規定に基づき、小倉ダム(以下「ダム」という。)の操作の方法のほか、ダム、小倉ダム貯水池(以下「貯水池」という。)及び宮之河内頭首工(以下「頭首工」という。)の管理について必要な事項を定めるものとする。
(平24規則23・一部改正)
(管理主任技術者)
第2条 ダムには河川法(昭和39年法律第167号。以下「法」という。)第50条第1項に規定する管理主任技術者を1人置く。
(ダム、貯水池及び頭首工の諸元)
第3条 ダム、貯水池及び頭首工(以下これらを「ダム等」という。)の諸元その他これに類するダム等の管理上参考となるべき事項は、次のとおりとする。
(1) ダム
ア 高さ 64.0m
イ 堤頂の標高 EL.239.5m
ウ 越流頂の標高 EL.235.5m
エ 洪水吐
(ア) 型式 側水路型
(イ) 規模 幅70.0m 越流水深1.5m
オ 設計洪水量 260m3/s
(2) 貯水池
ア 集水地域の面積
直接集水面積 5.7km2
間接集水面積 3.3km2
イ 湛水区域の面積 0.252km2
ウ 設計洪水位 標高 237.0m
エ 常時満水位 標高 235.5m
オ 最低水位 標高 201.5m
カ 有効貯水容量 4,200,000m3
(3) 頭首工
ア 堰 高さ0.65mで幅6.40m(固定堰)
イ 取水ゲート 高さ1.10mで幅1.00mであるもの1門(鋼製スライドゲート)
ウ 導水トンネルゲート 高さ1.46mで幅1.80mであるもの1門(鋼製スライドゲート)
エ 余水吐き 幅6.00mで越流方式であるもの1門
オ 土砂吐き 高さ1.00mで幅1.00mであるもの1門(鋼製スライドゲート)
(貯留期間及びかんがい期間)
第4条 貯留期間及びかんがい期間は、次のとおりとする。
(1) 貯留期間 1月1日から12月31日まで
(2) かんがい期間 4月1日から9月30日まで
(洪水及び洪水時)
第5条 この規則において「洪水」とは、貯水池への流入量(以下「流入量」という。)が23.9m3/s以上であることをいい、「洪水時」とは、洪水が発生しているときをいう。
(洪水警戒時)
第6条 この規則において、「洪水警戒時」とは、ダムに係る直接集水地域の全部又は一部を含む予報区を対象として洪水警報又は大雨警報が行われ、その他洪水が発生するおそれが大きいと認められるに至った時から、これらの警報が解除され、又は切り替えられ、かつ、洪水の発生するおそれが少ないと認められる間で、洪水時を除く間をいう。
(貯水位の算定方法)
第7条 貯水池の水位(以下「貯水位」という。)は、貯水池内に取り付けられた水位計の読みに基づいて算定するものとする。
(流入量の算定方法)
第8条 流入量は、これを算定すべき時を含む一定の時間における貯水池の貯水量の増分と当該一定の時間における貯水池からの延べ放流量との合算量を当該一定の時間で除して算定するものとする。
河川名 | 基準地点 | 基準河川流量 | 期間 |
小倉川 | 小倉ダム地点 | 0.042m3/s | 1月1日~12月31日 |
小倉川頭首工地点 | 0.091m3/s | 4月1日~9月30日 |
河川名 | 基準地点 | 基準河川流量 | 期間 |
宮之河内川 | 宮之河内頭首工地点 | 0.024m3/s | 1月1日~12月31日 |
小倉川 | 小倉川頭首工地点 | 0.091m3/s | 4月1日~9月30日 |
(ダムから放流することができる場合)
第11条 ダムからの放流は、次に該当する場合に限り、それぞれ行うことができるものとする。
(1) 下流における他の河川の使用のため必要な河川の流量を確保する必要があるとき。
(2) 常時満水位を超えたとき。
(3) 第23条第6号の規定により貯水池から放流するとき。
(4) ダムその他貯水池内の施設又は工作物の点検又は整備のため必要があるとき。
(5) 前各号に掲げるもののほか、やむを得ない必要があるとき。
(放流等の開始及び放流量の増減の方法)
第12条 放流管からの放流は、下流の水位の急激な変動を生じないように別図第2に定めるところによって行わなければならない。ただし、洪水及び洪水に達しない流水が洪水吐から自然越流する場合は、この限りでない。
(河川放流管バルブの操作の方法)
第13条 ダムの放流管バルブは、第11条の規定により放流する場合又は放流管の点検若しくは整備のため必要がある場合を除くほか、開閉してはならない。
(取水の方法等)
第14条 頭首工における取水の方法は、通年毎秒0.938立方メートルの範囲内で取水する。
2 宮之河内導入路への取水量は、沈砂池に設置された自記水位計(以下「水位計」という。)の水位により算出する。
3 ゲート操作は、頭首工に設置された水位計の水位及び沈砂池に設置された水位計により、取水ゲートの開度を調整して行う。
(放流の際の関係機関に対する通知)
第15条 法第48条の規定による通知は、ダムの洪水吐からの自然流下及び放流管からの放流(当該放流の途中における放流量の著しい増加で、これによって下流に危害が生ずるおそれがあるものを含む。)の開始の少なくとも1時間前に、別表第1に掲げる関係機関に通知を行わなければならない。
(放流の際の一般に周知させるための措置)
第16条 前条の規定による場合、ダムでは一般に周知させるための措置として、ダム地点から下流に急激な水位上昇が生じると予想される日影地区地点までの区間及び河川内利用者が多い区間である日影地区地点から下流の小倉大橋地点までの区間について、警告を行わなければならない。
(1) 警報局による警告にあっては、ダム放流開始の約30分前
(2) 警報車の拡声器による警告にあっては、前項の区間に含まれる各地点について、ダム放流により当該地点における小倉川の水位の上昇が開始されると認められる約15分前
(ダム等の操作に関する記録の作成)
第17条 ダムの放流管のゲート又はバルブを操作した場合においては、次に掲げる事項を記録しておかなければならない。
(1) 操作の理由
(2) 開閉したゲート又はバルブの名称、その1回の開閉を始めた時刻及びこれを終えた時刻並びにこれを終えた時におけるその開度
(3) ゲート又はバルブの1回の開閉を始めた時及びこれを終えた時における貯水位、流入量、放流管からの放流に係る放流量及び使用水量
(4) 放流管からの放流に係る最大放流量が生じた時刻及び最大放流量
(5) 法第48条の規定による通知及び同法施行令第31条の規定による警告の実施状況
2 ダムの洪水吐から放流する場合においては、次に掲げる事項を記録しておかなければならない。
(1) 毎時の貯水位及び放流量
(2) 最大放流量が生じた時刻及び当該放流量
(3) 前項第5号に規定する事項
3 頭首工については、次に掲げる事項を記録しておかなければならない。
(1) 水位計の水位及び取水量
(2) 操作したゲートの名称及び日時
(3) 施設の点検整備記録
(4) 前3号に掲げるもののほか、特記すべき事項
(観測及び測定等)
第18条 ダムを適正に管理するために必要な観測は、別表第3に定めるところにより行うものとする。
(点検及び整備)
第19条 ダム等並びにこれらの管理上必要な機械、器具及び資材は、定期に及び時宜によりその点検及び整備を行うことにより、常時良好な状態に維持しなければならない。
2 洪水、暴風雨、地震その他これに類する異常な現象で、その影響がダム等に及ぶものが発生したときは、その発生後速やかにダム等の点検(貯水池付近の土地の形状の変化の観測及びダムに係る地山からにじみ出る水の量と貯水位との関係の検討を含む。)を行い、ダム等に関する異常な状態が早期に発見されるようにしなければならない。
(地震発生後のダム等の臨時点検及び報告)
第20条 地震動の最大加速度が25gal以上、又は新潟地方気象台において発表された畑野観測地点における震度4以上の地震が発生した時は、発生後1時間以内に地震発生時間と最大加速度又は気象庁震度階を報告し、その後別表第4の2の事項について目視による外観点検を主とした1次点検を行い、3時間以内に報告書を提出しなければならない。
(異常かつ重大な状態に関する報告)
第21条 ダム等に関する異常かつ重大な状態が発見された場合には、直ちに、別表第1によりその旨を報告しなければならない。
(ダム等及びその周辺の監視)
第22条 ダム管理主任技術者は、ダム等及びその周辺について監視を行い、その維持、保全及び危険防止に努めなければならない。
(洪水警戒時における措置)
第23条 洪水警戒時においては、次に掲げる措置をとらなければならない。
(1) 洪水時において、ダム等を適切に管理することができる要員を確保すること。
(2) 新潟地方気象台が行う気象の観測の成果を的確かつ迅速に収集すること。
(3) 別表第1に掲げる関係機関に連絡すること。
(4) ダム管理に関する記録を作成すること。
(6) 貯水池が常時満水位を超え、ダムの洪水吐から放流する場合は、自由越流により行うこと。
(7) 前各号に掲げるもののほか、ダム等の管理上必要な措置
(1) 法第49条の規定による記録の作成をすること。
(2) 前号に掲げるもののほか、ダム等の管理上必要な措置
(洪水警戒体制の解除)
第25条 ダム管理主任技術者は、第6条に規定する洪水警戒体制を維持する必要がなくなったと認める場合は、これを解除しなければならない。
2 ダム管理主任技術者は、洪水警戒体制を解除したときは、別表第1に掲げる関係機関に連絡するものとする。
(その他)
第26条 この規則に定めるもののほか、必要な事項は、別に定める。
附則
この規則は、平成21年4月1日から施行する。
附則(平成24年9月28日規則第23号)
この規則は、平成25年4月1日から施行する。
別表第1(第15条、第20条、第21条、第25条関係)
通知の相手方 | 通知の方法 | |
名称 | 担当機関の名称 | |
新潟県知事 | 土木部 河川管理課 | 加入電話 |
佐渡地域振興局 | 地域整備部 治水課 | |
佐渡地域振興局 | 農林水産部 農村計画課 | |
佐渡西警察署 | 生活安全課 |
別表第2(第16条関係)
警報局の名称 | 警報局の位置 | 警報局の構造又は能力 | 摘要 |
第1号警報局 | 新潟県佐渡市小倉字下畑甲612番地2 | サイレン 0.75KW スピーカー 上流 100W×3 中間 50W×1 下流 100W×3 | スピーカー併設 |
別表第3(第18条関係)
観測すべき事項 | 観測施設 | 観測の回数 | 摘要 | ||
名称 | 位置 | 構造又は能力 | |||
貯水位及び流入量 | 小倉ダム右岸 | 新潟県佐渡市小倉字西ヶ平甲568番地 | 水晶式水位計 | 毎日1回(洪水時、洪水警戒時においては60分ごとに1回) | 流入量は第8条の規定により算出する。 |
降水量 | 小倉ダム管理棟 | 新潟県佐渡市小倉字西ヶ平甲568番地 | 転倒ます型雨量計 | ||
放流量 | 小倉ダム管理棟 | 新潟県佐渡市小倉字西ヶ平甲568番地 | 水晶式水位計及び流量計 | 放流の都度(洪水時、洪水警戒時においては60分ごとに1回) | ダムコンにより算出する。 |
別表第4(第18条関係)
観測又は測定をすべき事項 | 観測又は測定の回数 | |
気象 | ダム地点における天気 | 毎日 |
水象 | 使用水量 | 毎日 |
ダムの状況 | 表面変位、間げき水圧 | 少なくとも毎四半期1回 |
漏水量 | 少なくとも毎月2回 | |
貯水池及びその末端付近の堆砂の状況 | 少なくとも3年1回 |
別表第4の2(第20条関係)
地震発生直後 | (1) 地震発生時間と地震計により観測された震度又は気象庁震度階 (2) 目視によるダム状況 |
臨時点検終了時 | (1) ダム本体 ア 漏水の有無及び漏水量の変化 イ コンクリートの表面のひびわれ ウ ダム天端のひびわれ エ 表面遮水壁及びリップラップの変化 オ その他 (2) 取付部周辺地山及び貯水池周辺地山 ア 漏水 イ 亀裂 ウ 崩落 エ 地滑り |
別図第1(第8条関係)
貯水位~貯水量曲線
別図第2(第12条関係)