○佐渡市外山ダム管理規則
平成24年9月28日
規則第24号
(趣旨)
第1条 この規則は、佐渡市ダム管理条例(平成20年佐渡市条例第48号)第6条の規定に基づき、外山ダム(以下「ダム」という。)の操作の方法のほか、ダム及び貯水池の管理について必要な事項を定めるものとする。
(管理主任技術者)
第2条 ダムに河川法(昭和39年法律第167号。以下「法」という。)第50条第1項に規定する管理主任技術者を1人置く。
2 管理主任技術者は、部下の職員を指揮監督して、法及びこれに基づく命令並びにこの規則の定めるところにより、ダム及び貯水池の管理に関する事務を誠実に行わなければならない。
(ダム及び貯水池の諸元)
第3条 ダム及び貯水池の諸元その他これに類するダム及び貯水池の管理上参考となるべき事項は、次のとおりとする。
(1) ダム
ア 高さ 46.1m(フィル部10.0m)
イ 堤頂の標高 EL.246.10m(フィル部EL.247.00m)
ウ 越流頂の標高 EL.242.60m
エ 洪水吐
(ア) 型式 堤体流下式(正面自由越流型)
(イ) 規模 幅67.0m 越流水深1.9m
オ 設計洪水量 330m3/s
(2) 貯水池
ア 集水地域の面積(直接集水面積) 7.7km2
イ 湛水区域の面積 19.40ha
ウ 設計洪水位 H.W.S 244.50m
エ 常時満水位 F.W.S 242.60m
オ 最低水位 L.W.S 223.90m
カ 有効貯水容量 2,250,000m3
(貯留期間及びかんがい期間)
第4条 貯留期間及びかんがい期間は、次のとおりとする。
(1) 貯留期間 1月1日から12月31日まで
(2) かんがい期間 4月1日から9月30日まで
(洪水及び洪水時)
第5条 この規則において「洪水」とは、貯水池への流入量(以下「流入量」という。)が28.0m3/s以上であることをいい、「洪水時」とは、洪水が発生している時をいう。
(洪水警戒時)
第6条 この規則において、「洪水警戒時」とは、ダムに係る集水区域を対象として大雨警報又は洪水警報が発令される等洪水が発生するおそれが大きいと認められるに至った時から、これらの警報が解除され、又は切り替えられ、かつ、洪水の発生するおそれがないと認められるまでの間をいう。
(貯水位の算定方法)
第7条 貯水池の水位(以下「貯水位」という。)は、貯水池内に取り付けられた水位計の読みに基づいて算定するものとする。
(流入量の算定方法)
第8条 流入量は、これを算定すべき時を含む一定の時間における貯水池の貯水量の増分と当該一定の時間における貯水池からの延べ放流量との合算量を当該一定の時間で除して算定するものとする。
河川名 | 基準地点 | 基準河川流量 | 期間 |
羽茂川 | 外山ダム地点 | 0.040m3/s | 3月1日から6月30日まで |
0.035m3/s | 7月1日から2月28日まで | ||
羽茂川 | 天神橋上流地点 | 0.250m3/s | 3月1日から11月30日まで |
0.210m3/s | 12月1日から2月28日まで |
(ダムからの放流)
第10条 ダムからの放流は、次の各号のいずれかに該当する場合に限り、行うことができる。
(1) 下流における他の河川の使用のため、必要な河川流量を確保する必要があるとき。
(2) 第21条各号の規定により貯水池から放流するとき。
(3) ダムその他貯水池内の施設若しくは工作物の点検又は整備のため必要があるとき。
(4) 前各号に掲げるもののほか、やむを得ない事情があるとき。
(放流等の開始及び放流量の増減の方法)
第11条 維持放流管及び緊急放流管からの放流は、下流の水位の急激な変動を生じないよう別図第2に定めるところによって行わなければならない。ただし、洪水及び洪水に達しない流水が洪水吐から自然越流する場合は、この限りでない。
(放流の際の関係機関に対する通知)
第12条 法第48条の規定による通知は、ダムの洪水吐からの越流、放流管からの放流又は注水管からの注水(以下「ダム放流」という。)により、下流の水位が急激に上昇するおそれがある場合に、ダム放流開始(ダム放流の中途におけるダム放流量の著しい増加を含む。)の少なくとも1時間前に、別表第1(一)に定めるところにより行うものとする。
2 前項の通知をするときは、ダム放流の日時のほか、ダム放流量の見込みを示して行うものとする。
(放流の際の一般に周知させるための措置)
第13条 法第48条の規定による一般に周知させるため必要な措置は、ダム地点から下流に急激な水位上昇が生じると予想される備附橋地点までの区間についてとるものとする。
(1) ダムに設置されたサイレンによる警告にあっては、ダム放流の開始約30分前に約3分間
(2) ダム以外の地点に設置されたサイレンによる警告にあっては、ダム放流により当該地点における羽茂川の水位の上昇が開始されると認められる時の約30分前に約3分間
(3) 警報車の拡声器による警告にあっては、前項の区間に含まれる各地点について、ダム放流により当該地点における羽茂川の水位の上昇が開始されると認められる時の約15分前から、水位が上昇又は下降し警報実施の必要がなくなるまでの時間
(1) 操作の理由
(2) 開閉したゲート又はバルブの名称、その1回の開閉を始めた時刻及びこれを終えた時刻並びにこれを終えた時におけるその開度
(3) ゲート又はバルブの1回の開閉を始めた時刻及びこれを終えた時刻における貯水位、流入量並びに放流管からの放流に係る放流量並びに使用水量
(4) 放流管からの放流に係る最大放流量が生じた時刻及び最大放流量
(5) 取水量又は注水量の変更(取水又は注水の開始及び終了を含む。)があった時は、その時刻及びその直後における取水量並びに注水量
(点検及び整備)
第16条 管理主任技術者は、ダム及び貯水池並びにこれらの管理上必要な機械、器具及び資材を定期に及び時宜にその点検及び整備を行うことにより、常時良好な状態に維持しなければならない。
2 洪水又は暴風雨、地震その他これに類する異常な現象で、その影響がダム又は貯水池に及ぶものが発生したときは、その発生後速やかにダム及び貯水池の点検(貯水池付近の土地の形状の変化の観測及びダムに係る地山からにじみ出る水の量と貯水位との関係の検討を含む。)を行い、ダム又は貯水池に関する異常な状態が早期に発見されるようにしなければならない。
(地震発生後のダム等の臨時点検及び報告)
第17条 管理主任技術者は、外山ダム周辺観測地点での気象台において発表された震度階4以上である地震が発生した時及び外山ダム地震計の加速度計測値が25gal以上となる場合は、発生後において直ちに、別表第5の事項について目視による外観点検を主とした1次点検を行い、3時間以内に報告書を提出しなければならない。
3 前2項の報告書の提出先は、新潟県土木部河川管理課とする。
(異常かつ重大な状態に関する報告)
第18条 管理主任技術者は、ダム又は貯水池に関する異常かつ重大な状態が発見された場合には、直ちに、別表第1によりその旨を報告しなければならない。
(監視カメラによる監視)
第19条 管理主任技術者は、放流量等の監視を行う監視カメラにおいて、計測放流量と見た目の放流量が異なる場合、放流口の放流水の勢いが普段と異なる場合等の異常が確認された時には、放流口を視認するものとする。
(洪水警戒時における措置)
第20条 洪水警戒時においては、次に掲げる措置をとらなければならない。
(1) 洪水時において、ダム及び貯水地を適切に管理することができる要員(気象等の情報収集並びに関係機関への連絡及びダム操作で1人、ダム等の観測・測定及び記録作成で1人、警報準備及び警報活動で1人の最低3人)を確保すること。
(2) 新潟地方気象台が行う気象の観測の成果を的確かつ迅速に収集すること。
(3) 別表第1(一)に掲げる関係機関に連絡すること。
(4) ダム管理に関する記録を作成すること。
(6) 前各号に掲げるもののほか、ダム及び貯水池の管理上必要な措置
(洪水処理等)
第21条 管理主任技術者は、洪水及び洪水に達しない流水の処理は、次のとおりとする。
(1) 水位が常時満水位以下の場合は、維持放流管及び緊急放流管から放流すること。
(2) 水位が常時満水位を超える場合は、常用洪水吐からの自然放流又は維持放流管及び緊急放流管から放流すること。
(洪水時における措置)
第22条 洪水時においては、前条に掲げる措置のほか、次に掲げる措置をとらなければならない。
(1) 法第49条の規定による記録の作成をすること。
(2) 前号に掲げるもののほか、ダム及び貯水池の管理上必要な措置
(洪水警戒体制の解除)
第23条 管理主任技術者は、洪水警戒体制を維持する必要がなくなったと認める場合は、これを解除しなければならない。
2 管理主任技術者は、洪水警戒体制を解除したときは、別表第1(一)に掲げる関係機関に連絡するものとする。
(その他)
第24条 この規則に定めるもののほか、必要な事項は、別に定める。
附則
この規則は、平成25年4月1日から施行する。
別表第1(第12条、第17条、第18条、第20条、第23条関係)
通知の相手方 | 通知の方法 | ||
名称 | 担当機関の名称 | ||
(一) | 新潟県知事 | 土木部河川管理課 | 加入電話 |
佐渡地域振興局長 | 地域整備部治水課 | ||
佐渡西警察署長 | 地域課 | ||
赤泊駐在所 | |||
(二) | 新潟県知事 | 土木部河川管理課 | |
農地部農地計画課 | |||
佐渡地域振興局長 | 地域整備部治水課 |
別表第2(第13条関係)
警報局名称 | 警報局の位置 | 警報局の構造又は能力 | 摘要 |
農林外山ダム警報局 | 佐渡市上川茂771番地1 | サイレン0.75KW スピーカー50W×2 下流方向 | スピ-カー併設 |
農林上川茂警報局 | 佐渡市上川茂県道敷 | サイレン0.75KW スピーカー50W×2 上・下流方向 | スピ-カー併設 |
農林川茂警報局 | 佐渡市上川茂488番地1 | サイレン0.75KW スピーカー50W×2 上・下流方向 | スピ-カー併設 |
農林茶屋警報局 | 佐渡市下川茂504番地1 | サイレン0.75KW スピーカー50W×2 上・下流方向 | スピ-カー併設 |
農林下川茂警報局 | 佐渡市下川茂2827番地2 | サイレン0.75KW スピーカー50W×2 上・下流方向 | スピ-カー併設 |
農林備付警報局 | 佐渡市下川茂県道敷 | サイレン0.75KW スピーカー50W×2 上・下流方向 | スピ-カー併設 |
別表第3(第15条関係)
観測すべき事項 | 観測施設 | 構造又は能力 | 観測の回数 | 摘要 | ||
名称 | 位置 | |||||
貯水位及び流入量 | 外山ダム貯水池水位観測所 | 佐渡市上川茂(外山ダム) | 水晶式水位計 | 毎日1回 (洪水時及び洪水警戒時においては1時間1回以上) | 流入量は第8条の規定に基づき算定する。 | |
降水量 | 外山ダム 雨量観測所 | 佐渡市上川茂 | 転倒ます式雨量計 | 毎日1回 | ||
河川流量 | 天神橋上流地点 | 佐渡市羽茂 | 人力による計測 | 毎日1回 | ||
気象 | 天候 気温 | 外山ダム気象観測所 | 佐渡市上川茂 | 気象観測装置 | 毎日1回 | |
水象 | 取水量 | 取水設備 | 佐渡市上川茂 | 超音波式流量計 | 毎日1回 | |
注水量 | 取水設備 | 水晶式水位計 | ||||
放流量 | 放流設備 | 超音波式流量計 | ||||
越流量 | 取水設備 | 水晶式水位計 | ||||
ダムの状況 | 変形 間隙水圧 揚圧力 | 外山ダム | 佐渡市上川茂 | 視準測量 間隙水圧計 ブルドン管式圧力計 | 少なくとも毎四半期1回 | |
漏水量 | 外山ダム | 佐渡市上川茂 | 三角堰90° | 少なくとも毎月2回 | ||
貯水池内及びその末端付近の堆砂の状況 | 横断測量 | 少なくとも3年に1回 |
別表第4(第15条関係)
観測又は測定をすべき事項 | 観測又は測定の回数 | |
気象 | ダム地点における天気、降水量 | 毎日 |
水象 | 貯水位 | 毎日 |
ダムの状況 | 変形 | 少なくとも毎四半期1回 |
漏水量 | 少なくとも毎月2回 | |
揚圧力 | 少なくとも毎四半期1回 |
別表第5(第17条関係)
1次点検
(1) 地震発生時間と地震計により観測された震度又は気象庁震度階
(2) 目視によるダム状況
2次点検
(1) ダム本体
ア 漏水の有無及び漏水量の変化
イ コンクリートの表面ひび割れ
ウ ダム天端のひび割れ
エ 表面遮水壁及びリップラップの変化
オ その他
(2) 取水部周辺地山及び貯水池周辺地山
ア 漏水
イ 亀裂
ウ 崩落
エ 地滑り
貯水位~貯水量曲線