○佐渡市火災予防査察規程
平成16年3月1日
消防本部訓令第19号
目次
第1章 総則(第1条・第2条)
第2章 査察業務(第3条―第13条)
第3章 立入検査(第14条―第35条)
第4章 たき火又は喫煙の制限及び条例第23条の運用(第36条―第49条)
附則
第1章 総則
(趣旨)
第1条 この訓令は、消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)及び佐渡市火災予防条例(平成16年佐渡市条例第308号。以下「条例」という。)に基づき、立入検査及び火の使用に関する制限等に関し必要な事項を定めるものとする。
(1) 立入検査 法第4条又は第16条の5の規定に基づき、消防対象物又は貯蔵所等に立ち入り、その位置、構造、設備及び管理の状況並びに危険物の貯蔵、取扱いについて検査及び質問を行い、火災予防上の欠陥事項について関係者に指摘し、自主的な是正を促す作用をいう。
(2) 違反処理 警告、行政措置権、告発等によって、違反の是正若しくは火災予防又は出火危険、延焼拡大危険若しくは火災に係る人命危険(以下「火災危険」という。)の排除を図るための行政上の措置をいう。
(3) 防火査察 立入検査、違反処理及び火災予防のための措置を含む行政作用をいう。
(4) 政令対象物 消防法施行令(昭和36年政令第37号。以下「政令」という。)第6条に定める防火対象物をいう。
(5) 危険物製造所等 製造所等及び危険物を仮に貯蔵し、又は取り扱う場所をいう。
(6) 危険物運搬車両 危険物を運搬する車両をいう。
(7) 少量危険物貯蔵取扱所 危険物の規制に関する政令(昭和34年政令第306号)別表第3に定める数量の5分の1以上指定数量未満の危険物を貯蔵し、又は取り扱う場所をいう。
(8) 指定可燃物貯蔵取扱所 条例別表第8に定める数量以上の指定可燃物を貯蔵し、又は取り扱う場所をいう。
(9) 高圧ガス関係施設等 法第9条の2の規定に基づく高圧ガス、その他のガス、放射性物質、火薬類及び劇・毒物を貯蔵し、又は取り扱う関係施設をいう。
(11) 査察対象物 危険実態等に応じ、別表に定める査察対象物種別指定基準(以下「指定基準」という。)により区分した消防対象物及び貯蔵所等をいう。
(12) 査察員 防火査察に関する業務(以下「査察業務」という。)に従事する消防職員(以下「職員」という。)をいう。
(13) 予防査察員 査察員のうち、本部予防課及び各署の予防係、危険物係に所属する職員をいう。
(14) 小隊査察員 各消防中隊の長及び小隊の長並びに隊員で、予防査察員以外の者をいう。
(15) 特A区分立入検査 火災危険、人命危険から特別な対応を要する査察対象物で指定基準により区分した特A区分に該当する査察対象物に対して行う立入検査をいう。
(16) A区分立入検査 特に危険度の高い査察対象物で指定基準により区分したA区分に該当する査察対象物に対して行う立入検査をいう。
(17) B区分立入検査 危険度の高い査察対象物で指定基準により区分したB区分に該当する査察対象物に対して行う立入検査をいう。
(19) 会場管理立入検査 査察対象物の使用状態が、催物等の内容により平常時と異なり雑踏、混乱等が予想され、かつ、火災等の発生により多数の人命に危険を及ぼすおそれがあると認められる場合に行う立入検査をいう。
(20) 小隊立入検査 ポンプ車等の小隊をもって行う立入検査をいう。
第2章 査察業務
(立入検査権の行使)
第3条 消防署長(以下「署長」という。)は、火災予防の目的を達成するため、査察対象物の用途、収容人員及び管理状況等から火災危険等を判断し、行政上必要と認めた査察対象物に対し、適切に立入検査権を行使し、積極的に安全の確保を図らなければならない。
2 立入検査は、査察対象物の関係者が自らの責任において、自主的にその安全を図るべきであるとの認識に立って、法令義務の履行状況の確認等、自主管理の実効性に着目して実施するものでなければならない。
(改善指導及び行政措置権の行使)
第4条 署長は、立入検査によって発見した法令違反及びその他の不備欠陥事項(以下「不備欠陥事項等」という。)に対する改善指導に当たっては、当該内容を関係者に対して直接具体的に指摘するとともに、十分な指導を行い、関係者の理解と認識によって自主的な履行がなされるよう努めるものとする。
2 行政指導によっては、関係者の自主的な履行による安全確保が期待できないと判断する場合は、行政措置権を行使するものとする。
(署長の責務)
第5条 署長は、防火査察と行政責任とのかかわり合いを十分認識し、世論の動向等を洞察して、常に社会情勢に対応するよう努めるものとする。
2 署長は、常に管内の査察対象物の実態及び管内動向の情報を収集し、把握するよう努めるものとする。
3 署長は、第28条に定める立入検査結果通知書の指摘事項で、違反処理基準上の措置に該当する違反事案については、佐渡市火災予防違反処理規程(平成16年3月佐渡市消防本部訓令第18号)により、違反処理への移行時期、上位措置への移行等違反処理業務の進行管理に努めなければならない。
4 署長は、管内特性等を踏まえ、査察業務が計画的に執行できるよう予防査察員等の配置及び業務管理等の適正化に努めるものとする。
(情報管理)
第6条 消防長及び署長は、査察業務の効率的な執行を推進するため情報を管理し、システムの効果的な活用を図るものとする。
2 消防長は、システムを活用して、各消防署別の査察業務執行状況等に関する情報を把握し、必要により各署長に対し周知するものとする。
3 署長は、査察業務に係る情報を整備し、システムにより処理するとともに、機密の保持に十分配慮するものとする。
4 署長は、立入検査等により得た情報を適正に管理し、消防活動、消防行政に広くその活用が図られるよう努めなければならない。
5 署長は、立入検査計画等の査察業務関係情報がみだりに、関係者、防火管理者、危険物保安監督者、従業員等(以下「関係者等」という。)に漏れることのないよう機密の保持に十分配慮するものとする。
(資質の向上)
第7条 消防長及び署長は、査察対象物の複雑化及び多様化、関係者等の知識及び技術の高度化並びに違反処理の知識、技術への対応等のため、査察員に対する教養の徹底、研究会の開催及び自己啓発の助長等により、査察員の資質の向上を図るよう努めなければならない。
(査察員の責務)
第8条 査察員は、査察業務を行うために必要な知識技術を修得し、適正な業務の推進を図るとともに、行政に対する信頼を高めるよう努めるものとする。
(関係行政機関との連携)
第9条 署長は、立入検査において指摘した他法令の防火に関する規定の違反については、別に定めるところにより主管行政庁に通知し、是正促進を要請するとともに、十分な連絡を図り、その改善指導に努めるものとする。
2 署長は、他法令違反が存する対象物の違反是正措置等を講じる場合には、関係行政機関と十分な情報提供及び連絡調整を行うとともに、法第35条の13の規定に基づく照会を行うなど、適切な措置を講じるよう相互の連絡に努めるものとする。
3 署長は、違反処理につき関係行政機関から協力を求められたときは、火災の予防又は警戒に関する事項に限り必要に応じ協力するものとする。
(平21消本訓令9・一部改正)
(査察対象物関係の資料整備等)
第10条 署長は、査察対象物(法第10条第1項ただし書の規定により、危険物を仮に貯蔵し、又は取り扱う場所及び舟車を除く。)に関する資料について、別に定めるところにより査察対象物一覧表を整備し、政令対象物又は危険物製造所等の政令対象物ごとに台帳を整備しておかなければならない。
(立入検査証の管理、貸与)
第11条 消防長は、様式第1号に定める立入検査証貸与台帳を作成し、貸与又は返納等の都度必要事項を記録し、整理しておかなければならない。
2 立入検査証の貸与又は返納は、次に掲げるとおりとする。
(1) 立入検査証は、消防職員に貸与するものとする。
(2) 立入検査証は、別に定める事項に該当する場合は、返納し再貸与することができる。
(3) 貸与又は返納の手続は、事由発生からおおむね7日以内にすること。
3 所属長は、立入検査証管理責任者を指定し、適宜、立入検査証の管理の状況を確認させ、適正な管理に努めるとともに、所属職員が転勤したときは、その職員の立入検査証を速やかに転勤先の所属長に送付しなければならない。
(立入検査証の取扱い)
第12条 立入検査証を貸与された者は、次に掲げる事項に留意し、その取扱いに当たっては慎重を期さなければならない。
(1) 職務執行以外に使用しないこと。
(2) 他人に貸与しないこと。
(3) 所定外事項を記入し、又は所定事項を改ざん等しないこと。
(4) 破損、又は汚損しないこと。
(5) 紛失、盗難その他の事故防止に努めること。
2 立入検査証を紛失し又は盗難等の事故により忘失したときは、遅滞なく所属長に届け出なければならない。
3 所属長は、前項の規定による届出を受けたときは、消防長に速報するものとする。
4 消防長は、前項の規定による速報があったときは、当該立入検査証が無効である旨の公告をするものとする。
(査察器具の管理)
第13条 査察業務に使用する器具(以下「査察器具」という。)の管理は、別に定めのある場合を除くほか、次に掲げるとおりとする。ただし、消耗品については、この限りでない。
(1) 署長は、所管の査察器具が常に効果的に使用できるよう適正な管理に努めなければならない。
(2) 署長は、配置してある査察器具について機能の良否及び管理の状況を必要に応じて検査するものとする。
(3) 署長は、所管の査察器具が故障し、又は性能劣化等により適正な機能を要しなくなったときは、立入検査に支障がないよう速やかに必要な措置を講ずるものとする。
第3章 立入検査
(査察対象物の種別)
第14条 署長は、査察対象物を災害発生率等の危険度及び防火管理状況に応じて、指定基準により、特A区分査察対象物、A区分査察対象物、B区分査察対象物及びC区分査察対象物に区分する。
なお、火災統計の動向や災害状況等を考慮して、原則として、3年ごとに見直しを図るものとする。
(査察員の指定)
第15条 立入検査は、立入検査の種別に応じて、次に掲げる査察員が主として行うものとする。
(1) 特A区分立入検査 予防査察員
(2) A区分立入検査 予防査察員
(3) B区分立入検査 予防査察員
(4) C区分立入検査 小隊査察員(査察対象物の規模等を勘案し予防査察員とすることができる)
(5) 会場管理立入検査 署長が指定した者
(6) 小隊立入検査 小隊査察員
(立入検査計画の樹立要領)
第16条 署長は、査察対象物の危険実態、自主管理状況及び過去の立入検査結果を勘案して、立入検査の実施順位を定め、計画を樹立するものとする。
2 署長は、火災の発生状況又は社会的情勢等により必要と認めた場合は、既定計画を変更し、効果的に立入検査ができるよう配慮しなければならない。
(年度立入検査計画)
第17条 署長は、地域の特殊性及び季節的条件等を総合的に判断して年度立入検査計画を様式第2号に定める年度立入検査計画により樹立し、毎年4月20日までに消防長に報告しなければならない。
(月中立入検査計画)
第18条 署長は、前条の規定により樹立した年度立入検査計画に基づき、毎月末までに翌月の月中立入検査計画を樹立するものとする。
(事前準備)
第19条 立入検査に当たっては、別記1に定める立入検査の事前検討事項について事前に検討を行い、立入検査の効率的な執行を図るものとする。
(検査の着眼項目)
第20条 立入検査は、査察対象物の区分に応じて、別に定める検査の着眼項目(以下「着眼項目」という。)を活用して実施するものとする。
(1) 特A区分立入検査又はA区分立入検査は、該当する着眼項目に基づき査察対象物全体を捉えた総合的な検査とする。
(2) B区分立入検査又はC区分立入検査は、原則として、該当する着眼項目に基づき検査項目を特定した重点的な検査とする。
(立入検査要領の基本)
第21条 立入検査に当たっては、消防計画又は予防規程及び別記2に定める自主検査結果記録等に基づき、査察対象物の関係者等が行った自主管理状況の記録等を確認するものとする。
2 検査箇所は、出火危険及び人命危険に着目し、査察対象物の実態に応じて行うものとする。
3 消防用設備等・防火避難施設等の検査に当たっては、火災発生時を想定し、設備及び施設を関係者等に取扱いを求める等して、有効に活用し得るか否かを確認するよう努めなければならない。
4 着眼項目に示す内容に不備欠陥事項等があると認めたときには、関係者等に指導を行うものとする。
5 立入検査は、消防活動面に十分配慮して行うこと。
(立入検査時の留意事項)
第22条 立入検査に当たっては、次に掲げる事項に留意するものとする。
(1) 関係者に努めて立会いを求めること。
(2) 正当な理由がなく立入り、又は検査を拒み、妨げ又は忌避する者がある場合は、立入検査の要旨を十分説明し、なお応じない場合は、関係者等の忌避等の理由を確認して、立入検査を中止し、別に定める要領により対応すること。
(3) 機器の操作については、関係者等に操作を求めること。
(4) 関係者等の民事上の紛争に関与しないこと。
(走行中の移動タンク貯蔵所に対する停止措置等)
第23条 法第16条の5第2項の規定に基づく走行中の移動タンク貯蔵所に対する停止措置及び立入検査については、警察機関と密接な連絡をとり、別に定める走行中の移動タンク貯蔵所の立入検査要領により行うものとする。
2 常置場所が佐渡市消防本部の管轄区域外である移動タンク貯蔵所のうち、法令違反が認められるものについては、様式第3号に定める危険物輸送車両検査結果通知書とともに、立入検査結果通知書の写しを添えて、当該移動タンク貯蔵所の常置場所を管轄する市町村長等に通知するものとする。
(関係者に対する立入検査結果の通知、取扱要領)
第24条 査察員は、立入検査の結果を立入検査結果通知書及び違反指摘票(以下「立入検査結果通知書等」という。)により査察対象物の関係者に対して通知する場合は、次に掲げるとおり通知するものとする。
(2) 前号にかかわらず、立入検査結果通知書により法令違反を関係者に通知できる場合は、違反指摘票を省略できるものとする。
(3) 立入検査結果通知書等は、違反指摘事項の履行義務者になりうる関係者(事業所)ごとに作成する。
(令5消本訓令2・一部改正)
2 署長は、様式第8号に定める月中立入検査実施結果報告書を作成し、翌月20日までに消防長に送付するものとする。
(改修の報告)
第26条 関係者に通知した不備欠陥事項等については、様式第9号に定める改修(計画)報告書(以下「報告書」という。)により、関係者に次に掲げる事項について報告を求めるものとする。ただし、内容が軽易なものについては、口頭によることができる。
(1) 原則として、報告は違反改修の履行義務者に報告させる。
(2) 改修に一定期間を要するものについては、具体的な改修計画
(3) 改修が完了したものについては、改修した内容及び改修完了年月日
(4) 今後、改修を行う予定であることを報告する場合は、実現可能な方法による改修計画を記載させるとともに、改修計画に関する図書等を添付させる。
3 報告書が前項に定める期限内に提出されない場合は、提出するよう指導するとともに、時機を失することなく違反処理に移行する。
4 改修計画日が、社会通念上及び火災予防上妥当と認められない場合には、受付時、その場で履行義務者に対し指導を行うこと。
(不備欠陥事項等の確認、調査等)
第27条 署長は、立入検査により指摘した不備欠陥事項等については、違反是正の進行管理を図るとともに、査察員にその是正状況について確認又は調査させ、必要な措置を講ずるものとする。
(特異事項の調査、報告)
第28条 署長は、管轄区域内で、特異な事象等が発生した場合は、その状況を消防長に速やかに速報するとともにその内容を調査し、報告しなければならない。
(会場管理立入検査の実施範囲)
第29条 会場管理立入検査は、次に掲げる場合に実施するものとする。
(1) 社会的に重要な国家的、公的行事
(2) 雑踏、混雑等が予想される地域的行事、催物等
(3) 査察対象物の使用状態が平常時と異なる内容で行われる大規模な催物
(会場管理立入検査要領)
第30条 会場管理立入検査は、査察対象物を使用する関係者に対し、別に定める会場管理計画の計画事項に示す事項を盛り込んだ会場管理計画の提出を求めて行うものとするほか、前章の規定を準用するとともに、次に掲げる要領により行うものとする。
(1) 催物を行う査察対象物における自主管理状況を把握し、その状況に応じ関係者に対して指導するものとし、直接的な管理は行わない。
(2) 多量の煙火等を消費する催物等、屋外で行われる催物については、会場内の火災予防に重点をおいて実施する。
(小隊立入検査)
第31条 小隊立入検査は、警防的調査を踏まえ、避難障害等の有無、防火設備の閉鎖等の状況、防火管理に係る基礎的事項の確認、用途変更、増改築及び危険物貯蔵・取扱い状況の確認等について実施するものとする。
(小隊立入検査要領)
第32条 署長は、小隊立入検査を実施するポンプ車等の小隊を、管内の受持区域、対象物数及び各係業務量等を勘案して、効率的な立入検査を実施するものとする。
(資料提出)
第33条 法第4条及び第16条の5の規定による資料(査察対象物の実態を把握するために必要な既存の文書その他の物件をいう。以下同じ。)は、関係者に対し任意の提出を求めるものとする。ただし、これにより難い場合は、次に掲げる資料提出命令書により、署長が行うものとする。
(1) 法第4条の規定による報告 様式第10号その1に定める資料提出命令書
(2) 法第16条の5の規定による報告 様式第10号その2に定める資料提出命令書
(報告徴収)
第34条 前条の規定による資料以外のもので火災予防上必要と認められる事項については、関係者に対し任意の報告を求めるものとする。ただし、これにより難い場合は、次に掲げる報告徴収書により署長が行うものとする。
(1) 法第4条の規定による報告 様式第11号その1に定める報告徴収書
(2) 法第16条の5の規定による報告 様式第11号その2に定める報告徴収書
(資料及び報告書の受領、保管等)
第35条 資料又は報告書の提出については、関係者に対し、様式第12号に定める資料提出報告書(以下「報告書」という。)を2部作成すること及び資料の所有権放棄の意思表示を明らかにすることを求めるものとする。
3 前項の規定による提出資料保管書を交付した資料は紛失、き損等しないように保管し、保管の必要がなくなったときは、提出者に当該資料を還付するものとする。この場合、提出資料保管書に還付、受領した旨の署名等を求めるものとする。
4 資料提出命令書は、原則として当該関係者に直接交付し、様式第14号に定める受領書に署名を求めておくものとする。ただし、受領拒否等の事由により直接交付できない場合は、配達証明又は内容証明の取扱いにより郵送するものとする。
第4章 たき火又は喫煙の制限及び条例第23条の運用
(たき火又は喫煙を制限する基準)
第36条 法第23条の規定によるたき火又は喫煙の制限は、一定区域が特に火災の発生しやすい状態にあるとき又は火災が発生した場合に延焼拡大若しくは人命の危険が大きいと予想されるときで、かつ、制限の必要があると認められる場合に期限を限って行うものとする。
2 消防長は、前項の規定による指定の申請があったときは、これを決定し、告示するとともに、当該署長に通知するものとする。ただし、告示等手続を取るいとまのない場合は、必要な措置を講ずるものとする。
3 署長は、消防長から通知を受けた場合には、口頭又は様式第16号に定めるたき火又は喫煙禁止指定通知書により、関係者に対し禁止内容の周知を図るとともに、住民への広報について必要な措置を講ずるものとする。
(違反行為者に対する措置)
第38条 署長は、第37条の規定に基づき、指定された区域内において違反行為者を発見したときは、制止の勧告をするなどして火災の発生危険を排除するものとする。
(解除承認の基本方針)
第39条 解除承認は、査察対象物における火災予防及び人命安全に配慮し、当該行為に係る必要最小限の数量等について行うものとする。
(指定場所の取扱い基準)
第40条 次に掲げる防火対象物又はその部分は、別の防火対象物又はその部分とする。
(1) 防火対象物が開口部のない耐火構造(建築基準法(昭和25年5月法律第201号)第2条第7号に規定する耐火構造をいう。)の床又は壁で区画されているときは、その区画された部分
(2) 建築物と建築物とが渡り廊下等により接続されている防火対象物で、火災が発生した場合に相互に火災からの影響が小さいと認められるもの
(喫煙所の設置)
第41条 喫煙所は、原則として指定場所以外の部分に設けさせること。
2 喫煙所は、火災予防上安全で通行及び避難上支障のない位置に設けるものとする。
3 喫煙所の設置個数は、当該指定場所の規模、形態及び顧客の動向等に応じたものとする。
(申請の要領等)
第42条 佐渡市火災予防条例施行規則(平成16年佐渡市規則第214号。以下この項において「規則」という。)第3条の規定に基づく禁止行為の解除承認申請については、規則第1号様式の禁止行為の解除承認申請書(以下「申請書」という。)正副2通をもって行うことができる。
2 申請書には、必要により様式第17号に定める申請内容明細書等の添付を求めるものとする。
(解除承認書の交付等)
第44条 署長は、解除承認をする場合は、申請書に解除承認印を押印して処理するとともに、裸火の使用又は危険物品の持込みの解除承認については、様式第19号その1又はその2(恒常的な行為の解除承認の場合に限る。)に定める禁止行為解除承認証を添えて申請者に交付するものとする。
2 署長は、解除承認をしない場合は、申請者にその旨を通知するものとする。
(禁止行為解除承認証の掲出)
第45条 前条第1項により交付した禁止行為解除承認証は、承認期間中解除承認した場所の見やすい位置に掲出を求めるものとする。
2 署長は、解除承認の取消しを行った場合は、様式第20号の写しを添えて消防長に速やかに報告するものとする。
(禁止行為の制止に係る指導)
第47条 署長は、指定場所の関係者の積極的な管理意識の助長を図り、関係者がその管理する職員等に対して行う禁止行為の制止義務の履行に係る教育の徹底を指導するものとする。
(運用の特例)
第48条 署長は、特別の事情により、この章の規定によりがたいと認めるときは、消防長と協議のうえ、処理することができる。
第49条 本訓令中「別に定める」もの及びこの訓令の施行に関して必要な事項は、消防長が別に定める。
附則
(施行期日)
1 この訓令は、平成16年3月1日から施行する。
(経過措置)
2 この訓令の施行の日の前日までに、合併前の両津市消防職員の立入検査証に関する規則(昭和43年両津市規則第23号)又は解散前の南佐渡消防事務組合火災予防査察に関する規程(昭和61年南佐渡消防事務組合訓令第1号)の規定によりなされた手続その他の行為は、この訓令の相当規定によりなされた手続その他の行為とみなす。
附則(平成16年6月3日消本訓令第28号)
この訓令は、平成16年6月3日から施行する。
附則(平成21年10月30日消本訓令第9号)
この訓令は、平成21年10月30日から施行する。
附則(平成28年3月31日訓令第11号)
(施行期日)
1 この訓令は、平成28年4月1日から施行する。
(経過措置)
2 この訓令の施行の際現に残存するものは、所要の修正を加え、なお使用することができる。
附則(平成30年1月30日消本訓令第2号)
この訓令は、平成30年2月1日から施行する。
附則(令和3年3月29日消本訓令第1号)
この訓令は、令和3年4月1日から施行する。
附則(令和5年10月6日消本訓令第2号)
この訓令は、令和5年10月6日から施行する。
別表(第2関係)
査察対象物種別指定基準
区分 | 政令対象物 | 危険物施設等 |
特A区分査察対象物 | 1 社会情勢及び査察対象物の危険実態を考慮し、特に人命危険が高いものとして消防長が別に定める対象物 2 消防用設備等(自動火災報知設備、屋内消火栓設備、スプリンクラー設備に限る)が、その設置義務部分の床面積の過半にわたって未設置又は機能不良の防火対象物等で、前1以外で、特に火災危険が高いと署長が認めた対象物 3 小規模雑居ビルで、ソフト、ハード面で違反の対象物 |
|
A区分査察対象物 | 1 出火危険が高い防火対象物のうち、防火管理者選任義務があり、過去に防火管理者選任届、及び消防用設備等点検報告の双方若しくはいずれかがなされていない対象物 2 出火危険の低い防火対象物のうち、防火管理者選任義務があり、過去に防火管理者選任届、及び消防用設備等点検報告が双方ともなされていない対象物 3 自動火災報知設備、屋内消火栓設備、スプリンクラー設備が、一部未設置、機能不良の防火対象物等及びその他の消防用設備等で過半にわたる未設置又は機能不良の防火対象物 4 前各号以外で、定期点検報告制度に該当する防火対象物又はこれ以外で火災の発生に伴い被害や社会的影響が大きいと予測される対象物で署長が必要と認めたもの | 1 災害発生率等の高い危険物製造所等のうち、備考欄7の条件①(以下「条件①」という。)に2以上該当する対象物 |
B区分査察対象物 | 1 出火危険が高い防火対象物のうち、防火管理者選任義務があり、過去に一度は防火管理者選任届及び消防用設備等点検報告の届出がされた防火対象物 2 出火危険が高い防火対象物のうち、防火管理者選任義務がない対象物 3 出火危険の低い防火対象物のうち、防火管理者選任義務があり、過去に防火管理者選任届又は消防用設備等点検報告のいずれかがなされていない対象物 4 消防用設備等(自動火災報知設備、屋内消火栓設備、スプリンクラー設備以外の設備)が一部未設置、機能不良の防火対象物 | 1 災害発生率等の高い危険物製造所等のうち、条件①に1つ該当する対象物 2 災害発生率等の低い危険物製造所等のうち、条件①に2以上該当する対象物 3 災害発生率等の高い少量危険物貯蔵取扱所のうち、備考欄8の条件②(以下「条件②」という。)に1以上該当する対象物 4 災害発生率等の低い少量危険物貯蔵取扱所のうち、条件②の全てに該当する対象物 5 指定可燃物貯蔵取扱所のうち、紙類、木材、合成樹脂(発泡させたものを含む。)を貯蔵、取扱う対象物 |
C区分査察対象物 | 1 出火危険の低い防火対象物のうち、防火管理者選任義務があり、過去に一度は防火管理者選任届及び消防用設備等点検報告の届出がされた防火対象物 2 出火危険の低い防火対象物のうち、防火管理者選任義務のない対象物 3 消防用設備等の機能が損なわれない軽微な違反の防火対象物 4 その他の消防対象物(変電設備、避雷針設備で単独で存在するもの及びその他の工作物等をいう) ※その他の工作物等:人為的に地上又は地中に造られたものでトンネル(高速道路、鉄道軌道等)又は洞道(電力、電話、下水道等)等で工事中のものを含む。 | 1 災害発生率等の高い危険物製造所等のうち、条件①のいずれにも該当しない対象物 2 災害発生率等の低い危険物製造所等のうち、条件①に該当するものが1以下の対象物 3 災害発生率等の高い少量危険物貯蔵取扱所のうち、条件②のいずれにも該当しない対象物 4 災害発生率等の低い少量危険物貯蔵取扱所のうち、条件②に該当するものが1以下の対象物 5 指定可燃物貯蔵取扱所のうち、B区分査察対象物以外のもの 6 高圧ガス関係施設等 7 危険物運搬車両 |
備考 1 「出火危険の高い防火対策物」とは、火災危険が高い対象物で、火災が発生したならば、延焼拡大及び死傷者発生率の高い防火対象物であって、1項・2項イ、ハ・3項・4項・5項・6項イ・9項イ・10項・12項イ・13項イ・16項に該当する防火対象物をいう。 2 「出火危険の低い防火対象物」とは、「出火危険の高い防火対象物」以外のものをいう。 3 災害発生率等の高い危険物製造所等とは、移動タンク貯蔵所、給油取扱所及び一般取扱所をいう。 4 災害発生率等の低い危険物製造所等とは、災害発生率等の高い危険物製造所等以外のものをいう。 5 災害発生率等の高い少量危険物貯蔵取扱所とは、屋内貯蔵、塗装、印刷、洗浄、消費(ボイラー等)を行う施設及び少量危険物移動タンクをいう。 6 災害発生率等の低い少量危険物貯蔵取扱所とは、災害発生率等の高い少量危険物貯蔵取扱所以外のものをいう。 7 条件①とは、①定期点検が履行されていないもの、②埋設後20年以上の地下タンク又は地下埋設配管があるもの、③低引火点危険物等(引火点40℃未満の第四類危険物及び軽油・灯油をいう。)を貯蔵、取り扱うものをいう。 8 条件②とは、①埋設後20年以上の地下タンク又は地下埋設配管があるもの、②低引火点危険物等を貯蔵、取り扱うものをいう。 |
別記1(第19条関係)
立入検査の事前検討事項
1 過去における違反及び違反処理等の状況
2 消防用設備等に係る点検報告(総合点検等)
3 防火対象物点検並びに特例認定の状況
4 消防計画及び予防規程の作成内容と実践状況
5 危険物製造所等の許認可及び変更状況
6 建築物についての増改築及び用途変更に伴う法令の適用状況
7 建築同意時における指導事項
8 法令の特例適用及び経過措置の適用の有無
9 査察器具の活用の要否(検査器具、カメラ、メジャー、懐中電灯等)
10 過去における火災発生の有無
11 立入検査に要する人員と時間
12 その他立入検査に必要な事項(申請、届出様式類等の持参有無)
別記2(第21条関係)
自主検査結果記録等
第1 点検、記録保存が義務づけられているもの
1 消防用設備等に係る点検結果記録(法第17条の3の3)
2 防火対象物に係る点検結果記録(法第8条の2の2)及び特例認定の記録(法第8条の2の3)
3 危険物製造所等の定期点検記録(法第14条の3の2)
第2 防火管理業務として行う自主検査記録
防火対象物維持台帳
(1) 建築物関係検査票
(2) 電気設備検査票
(3) 危険物関係施設検査票
(4) 火気使用設備器具検査票
(5) 自衛消防訓練記録
(6) 従業員又は居住者の教育記録
(7) その他の記録
(平16消本訓令28・全改)
(令5消本訓令2・追加)
(令3消本訓令1・全改)
(平28訓令11・平30消本訓令2・一部改正)
(平28訓令11・平30消本訓令2・一部改正)
(平28訓令11・平30消本訓令2・一部改正)
(平28訓令11・平30消本訓令2・一部改正)
(令3消本訓令1・全改)
(令3消本訓令1・全改)
(平28訓令11・平30消本訓令2・一部改正)