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平成29年度:財政援助団体等監査結果(一般財団法人 赤泊振興公社)

記事ID:0001626 更新日:2021年3月1日更新 印刷ページ表示
本ページの目次

佐監公表第5号
平成30年3月16日

佐渡市長、三浦基裕様
佐渡市議会議長、岩崎隆寿様

(「崎」は、正式には「たつさき」です。)

佐渡市監査委員、渡部直樹
佐渡市監査委員、猪股文彦

地方自治法第199条第7項の規定により実施した財政援助団体監査の結果について、同条第9項の規定に基づき別紙のとおり報告します。

監査の種類

地方自治法第199条第7項の規定による財政援助団体等(出資団体)に対する監査

なお、出資団体とは佐渡市が資本金、基本金その他これらに準ずるもの(出捐及び寄付を含む)の4分の1以上を出資している法人をいう

監査の期間

平成29年8月7日から平成30年3月16日まで

監査委員の氏名

渡部直樹
猪股文彦

監査の対象

監査の対象

出資団体が行う会計処理及びその他の事務

対象団体名及び出資額等

団体名

一般財団法人 赤泊振興公社

出資額

1億250万円(*1)

出資比率

94.9%(*2)

所管課

産業観光部農業政策課

  1. 出資額は、佐渡市(旧赤泊村)の出捐及び寄付の合計額
  2. 出資比率は、他団体からの寄付を含めた出資額に対する割合

監査の場所

団体事務所及び佐渡市役所監査委員室

監査の着眼点

出資団体

  1. 設立目的に沿った事業運営が行われているか
  2. 事業が定款に基づき、適正かつ効率的、効果的に運営されているか
  3. 会計処理及び財務諸表等の作成が法令等に準拠して適正に行われているか
  4. 出納関係帳簿の整備、記帳は適正に行われているか

所管課

  1. 出資団体への指導及び監督は適切に行われているか
  2. 出資団体の経営状況等を十分に把握し、事業の適正性、経済性、効率性及び有効性を検証しているか

監査の方法

出資団体及び所管課に対し、関係資料及び諸帳簿等の提出を求め書面による調査を行うとともに、団体の理事及び職員並びに所管課職員からの説明聴取を行った。

出資団体の概要等

一般財団法人赤泊振興公社の概要

一般財団法人赤泊振興公社(以下「公社」という。)は、佐渡市内における農業の担い手育成、高齢・兼業農家等の農地管理、体験学習を通じた都市農村交流及び青少年の健全育成に関する事業を行うことにより、農業者の社会的・経済的地位の向上を図り、農業振興と地域活性化に寄与すること、及び青少年の健全育成活動を振興し、心身ともに健康な青少年の育成を図ることを目的に、平成13年3月に財団法人として設立され、新公益法人制度改革関連3法の施行に伴い平成25年4月に一般財団法人に移行した団体である。基本財産は、平成13年3月の公社設立時に38,000千円、平成14年4月に70,000千円増額され、総額108,000千円となった。

なお、主な事項は、次のとおりである。

定款に掲げる事業

  1. 高付加価値作物及び新技術実証等に関する事業
  2. 地域農産物を原材料とした加工品に関する事業
  3. 農地保全に関する事業
  4. 農作業支援に関する事業
  5. 地域における生産・社会・生活条件の維持向上に関する事業
  6. 体験学習を通じた都市農村交流及び青少年の健全育成に関する事業
  7. その他前各号に関連する事業

組織

主たる事務所を佐渡市三川2915番地に置き、理事9名、監事2名及び評議員7名と職員6名で構成されている。

運営に関する事項

公社は、定款に掲げる事業を実施するに当たり、農業振興部を税務上の非収益事業、宿泊施設部を税務上の収益事業に区分し経理している。

農業振興部は、苺の苗・果実の販売と柿の出荷・加工販売、水稲用農業機械のリース、その他農作業の受託などを行っている。

宿泊施設部は、佐渡市の赤泊農林漁業体験宿泊施設サンライズ城が浜(以下「サンライズ城が浜」という。)及び赤泊温泉保養センターあかどまり城が浜温泉(以下「城が浜温泉」という。)の管理運営を指定管理者として受託しており、民話の語り部体験やそば打ち体験などの体験学習も行っている。

財務に関する事項

平成28年度末における全体の財政状況は、資産の部合計145,113千円、負債の部合計10,596千円であり、資本の部の合計は134,517千円となっている。基本財産としての資本金は86,000千円であり、平成14年4月末の残高から22,000千円減少している。また、基本財産の内訳は、全て定期預金である。

なお、各部の財政状況及び基本財産の推移は、別紙表1及び表2のとおりである。

平成28年度における全体の収支状況については、営業利益は△34,692千円となっているが、営業外収益37,463千円が計上されたことにより、税引前当期利益は2,771千円となっている。営業外収益の主なものは、指定管理の受託収入11,019千円、市からの補助金9,223千円及び基本財産の取崩益9,000千円である。

なお、各部の収支状況は、別紙表3のとおりである。

千円未満は四捨五入している。

佐渡市と公社の関係

出資額の推移

旧赤泊村は、平成13年3月の公社設立時に32,500千円を寄付、平成14年4月には70,000千円を出捐して、出資額の合計は102,500千円となった。

なお、佐渡市は、平成16年3月1日の市町村合併により、旧赤泊村から公社の出資額を引き継いでいる。

理事の選任

佐渡市が推薦した副市長が、公社の理事に選任されており、平成26年6月までは理事長に就任していた。

補助金の交付

佐渡市は、農林水産業振興事業補助金交付要綱に基づき平成28年度農業用機械及び装置、備品の購入に係る費用合計9,223千円に対し、その全額を補助している。

公の施設の管理運営

佐渡市は、佐渡市赤泊農林漁業宿泊体験施設の設置及び管理に関する条例及び佐渡市赤泊温泉保養センターの設置及び管理に関する条例に基づき、サンライズ城が浜及び城が浜温泉の管理運営について、公社を指定管理者として業務を委託している。

なお、指定管理料は、別紙表4のとおりである。

監査の結果

監査の結果、事業の運営については、公社設立の目的に沿っておおむね適正に行われていると認められたが、事務及び会計処理については、次のとおり不適正な事項が見受けられた。

なお、軽微な指摘事項については、所管課を通じて口頭で改善を促した。

出資団体に対する指摘事項

  1. 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律では、「理事、評議員の辞任、就任等の登記事項に変更が生じたときには、2週間以内に変更の登記をしなければならない」と規定されているが、平成27年度及び28年度の評議員会で、理事・評議員の改選が決議されていたにもかかわらず、変更の登記がされていなかった。
  2. 定款第5条第2項では、「基本財産の一部を処分又は除外若しくは担保に供する場合には、あらかじめ理事会及び評議員会の承認を得なければならない」と規定されているが、平成26年度において基本財産の処分が理事会及び評議員会の承認を事前に得ないまま処分されていた。
  3. 公社の会計規程(以下「会計規程」という。)について、一般財団法人への移行時に必要な改正が行われていないことから、定款との不整合が見受けられた。
  4. 公社の職員給与規程において、「佐渡市職員の例に準ずる」と規定しながら、市の条例が改正されているにもかかわらず、変更適用していなかった。また、役員会で承認を得たとして、規程を改正することなく手当等を支給していた。
  5. 決算の認定について、会計規程第60条では、「毎事業年度終了後50日以内に監事の監査を受け、理事会の承認を得なければならない」と規定されているが、平成24年度決算以降、定められた期間内に監事の監査及び理事会が開催されていなかった。
  6. 会計規程第14条に必要な補助簿として規定されている現金出納帳及び基本財産明細帳が作成されていなかった。また、農業振興部においては、日々の取引ごとに仕訳帳を作成していないことから、総勘定元帳が正規の簿記の原則に従って作成されていなかった。
  7. 農業振興部の減価償却資産について、会計規程第50条では、「固定資産のうち、減価償却資産は、減価償却資産の耐用年数等に関する省令(昭和40年大蔵省令第15号)に定める耐用年数により、毎事業年度末において減価償却を行う」と規定されているが、平成20年度の税制改正により減価償却の耐用年数が改正されているにもかかわらず、変更適用していないことから、減価償却費の計算に誤りが見受けられた。
  8. 多くの償却資産を保有しているにもかかわらず、地方税法の規定に基づいた固定資産税の償却資産申告書を市に提出していなかった。
  9. 農業生産組合への水稲用農業機械のリースについて、リース期間が終了しているにもかかわらず、契約に基づいて機械を返却させることなく、再リース契約も締結しないまま無償で機械を使用させていた。

農業政策課に対する指摘事項

農業政策課は、公社の経営状況を示す決算報告書の内容を十分確認しないまま地方自治法の規定に基づき議会に報告をしていた。

監査委員の意見

公社は、定款に掲げた事業を実施することで地域雇用を創出し、地域活性化の一翼を担っていることが伺えたが、その事務及び会計処理については、指摘事項で述べたとおりであり、長年にわたり不適正な処理が行われていたことは極めて遺憾であり、法人としての信用を失墜するものである。

理事は、公社の業務の執行を適切に行うとともに、指摘事項について早期に関係法令に基づき適正に対応されたい。

農業政策課は、公社の運営に関しては指導監督する権限を有しないとして関与しない姿勢であるが、地方自治法の規定では、市は出資団体に対する調査権を有しており、決算報告に対し内容を十分に確認したうえで責務を果たすべきである。公社の過去の決算報告について、速やかに調査を行い、適切に指導及び処理されたい。

また、今回の監査結果を真摯に受け止め、公社の事務及び会計処理の状況について定期的に調査を行い必要に応じて指導されたい。

別紙

表1 財政状況

貸借対照表(平成29年3月31日現在)

(単位:円)
科目 農業振興部 宿泊施設部 合計
資産の部      
流動資産 1,220,319円 11,881,409円 13,101,728円
固定資産 45,883,186円 86,127,735円 132,010,921円
有形固定資産 45,835,936円 33,235円 45,869,171円
無形固定資産 47,250円 94,500円 141,750円
基本財産 0 86,000,000円 86,000,000円
資産合計 47,103,505円 98,009,144円 145,112,649円
負債の部      
流動負債 3,745,507円 6,850,478円 10,595,985円
固定負債 0 0 0
負債合計 3,745,507円 6,850,478円 10,595,985円
資本の部      
資本金 0 86,000,000円 86,000,000円
剰余金 43,357,998円 5,158,666円 48,516,664円
資本合計 43,357,998円 91,158,666円 134,516,664円
負債及び資本合計 47,103,505円 98,009,144円 145,112,649円

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表2 基本財産の推移

(単位:円)
科目 平成14〜25年度 平成26年度 平成27年度 平成28年度
定期預金 108,000,000円 104,000,000円 95,000,000円 86,000,000円
増減 - △4,000,000円 △9,000,000円 △9,000,000円

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表3 収支状況

損益計算書(平成28年4月1日から平成29年3月31日まで)

(単位:円)
科目 農業振興部 宿泊施設部 合計
売上 19,958,499円 54,645,889円 74,604,388円
売上原価 0 19,167,724円 19,167,724円
売上総利益 19,958,499円 35,478,165円 55,436,664円
販売費及び一般管理費 31,307,222円 58,821,421円 90,128,643円
営業利益 △11,348,723円 △23,343,256円 △34,691,979円
営業外収益 13,727,284円 23,735,878円 37,463,162円
営業外費用 0 0 0
経常利益 2,378,561円 392,622円 2,771,183円
税引前当期利益 2,378,561円 392,622円 2,771,183円
法人税等充当額 0 70,000円 70,000円
法人税等控除後当期利益 2,378,561円 322,622円 2,701,183円
前期繰越利益 40,979,437円 4,836,044円 45,815,481円
当期未処分利益 43,357,998円 5,158,666円 48,516,664円

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表4 指定管理料

(単位:円)
平成26年度 平成27年度 平成28年度
11,019,000円 11,019,000円 11,019,000円

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