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天ぷら油火災の原因と対策

記事ID:0003385 更新日:2021年3月1日更新 印刷ページ表示

天ぷら油火災はなぜ起こる?

天ぷら油火災はなぜ起こる?の画像

天ぷら油火災の多くは、天ぷらや揚げ物をしているときに、来客や電話等でその場を離れたときなど、ちょっとした油断が原因で多く発生しています。天ぷら油は、その温度が約360℃から380℃以上になれば、火種がなくても発火して燃焼をはじめます。家庭で使用する油量程度の天ぷら油を家庭用ガスこんろで加熱すると、約5分で揚げ物に適した温度(約180度)に達し、そのまま放置すると約10分で白煙が立ち始め、約20〜30分で発火します。また、一度使用するなど、揚げかす等がある場合には、それが灯心となって200度近くで発火することがあり、加熱してから短時間で発火することがありますので、注意が必要です。

こんな原因でも火災に?

  • 紙製の油吸着剤で天ぷら油の処理をしてごみ袋に捨てたところ、ごみ袋が燃える火災が発生した。
  • 揚げ玉を天ぷら油で大量に揚げ、積み重なったまま放置したところ火災が発生した。

実は、こんなことが起こっていたんです!!!!

最初の火災は、天ぷら油が熱いうちに紙製の油処理用品で処理したため自然発火したと考えられ、揚げ玉については、積み重ねて放置したことにより、酸化熱が発生し自然発火したと考えられます。

通常、油は酸素に触れると酸化反応を起こします。その時に熱が発生し、それが蓄積されていくと高温状態となり自然発火するのです。また、クッキングペーパーや雑巾に天ぷら油を染み込ませてごみ袋を密閉したり、ごみ箱に捨てたりすると、酸化熱が発生し自然発火する恐れがありますので注意が必要です。

あなたは、油処理をどうしていますか?

おいしい料理を作った後の油の処理は少々厄介と思っている方が多いと思います。でも、そのまま流しに捨てることは環境のことを考えてもできませんね。そこで、多くの方は油を固めるものや、シートなどに吸い込ませて燃えるごみとして捨てることができる油処理製品を使っていませんか。

そこで、油処理製品使用時の注意点!

各製品には、油の温度は何度以下で使用してください、または、冷たい温度専用等の注意書きがあります。必ず使用方法・使用上の注意を読んでから使用するようにしてください。これは、高温で使用した際には油は酸化しやすく、それをごみ箱やごみ袋に捨てた際に発生した酸化熱から自然発火することがあるためです。

天ぷら油火災を防ぐには

天ぷら油火災を防ぐにはの画像

  1. 天ぷらや揚げ物をするときは、その場を離れない。どうしても離れなければいけない時は必ず火を止める。
  2. 台所に消火器や住宅用自動消火装置を設置する。
  3. ガスコンロは、立ち消え安全装置、加熱防止装置などの付いた安全調理器具を選ぶのも一つの方法だと思います。

もし、火災になってしまったら

水、水分の多い野菜を入れると、急激に炎が大きくなり、周囲に油が飛び散って大変危険です。また、炎に包まれた天ぷら鍋を屋外へ搬出したり、窓等から屋外へ投げ捨てる例も見られますが、火傷を負うなどの危険がありますので注意が必要です。

覆いをして窒息消火する方法

濡れたバスタオル、シーツ等をかるく絞ってから鍋全体を覆う(隙間がないように。)しかし、あわてると鍋をひっくり返す可能性があるので注意する必要があります。

粉末消火器で消火する方法

消火した後、消火剤の放射を止めると再着火する恐れがあるので、充填されている全量の消火剤を油の中に入れる。この際、消火剤で視界をさえぎられ、火元を見失う恐れがあるので注意する必要があります。

強化液消火器で消火する方法

噴霧ノズル付強化液消火器は、粉末消火器と比較すると冷却効果があり油火災にもとても有効です。しかし、噴霧ノズル付以外の水系消火器は、油が飛び散り火災を拡大させる恐れがあり適しません。

エアゾール式簡易消火用具(小規模火災のみ有効)

エアゾール式簡易消火用具鑑定マーク(日本消防検定協会が実施する鑑定を受けたことを示すもの)があるものをお勧めします。

消火後にガスの元栓を閉める

消火後にガスの元栓を閉めること忘れずに行って下さい。