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防災拠点庁舎建設工事の進捗(しんちょく)状況をお知らせします。
11月は2階と3階の躯体工事が行われました。今回はその様子をお伝えしつつ、型枠を解体した1階の内部をお見せします。
(令和4年11月撮影 提供:中野建設工業・遠藤建設特定共同企業体、株式会社ユアテック)
現在の本庁舎側の工事区間では2階躯体のコンクリート打設が終わり、3階の柱配筋作業が始まりました。いよいよ最上階の躯体がつくられていきます。
佐渡総合病院側の工事区間では、2階躯体の配筋が終わり、これからコンクリート打設という段階です。写真奥では3階の躯体が立ち上がってきているのがわかります。
2階躯体のコンクリート打設工事です。お天気に恵まれ、順調に進みます。
こちらは1階内部の写真です。型枠の解体を10月から行い、上層階の躯体のPC工事が終わるのを待って、支保工を外しました。むき出しのコンクリートに囲まれた無機質な風景ですが、内装工事が始まるまでの間しか見ることのできない貴重なシーンです。(PC工事については、このあと詳しくご紹介します。)
クイズ、どこの写真だと思いますか? 答えは、このページの最後にあります。
上空から撮影した写真を時系列に沿って見ていきましょう。
(令和4年11月2日撮影)
(令和4年11月4日撮影)
(令和4年11月9日撮影)
(令和4年11月18日撮影)
(令和4年11月24日撮影)
佐渡市防災拠点庁舎では、その名のとおり災害に強い建物を目指し、躯体工事にPC工法を採用しています。ここではその工法について紹介します。(監修・写真提供:中野建設工業・遠藤建設特定共同企業体)
Prestressed Concrete(プレストレスト コンクリート)の略称で、Pre(プレ)前もって、stress(負荷)をかけるという意味から、直訳すると「あらかじめ応力を与えられたコンクリート」となります。PC工法により、「引っ張られる力に弱い」というコンクリートの最大の弱点を克服することができます。
コンクリートに「プレストレス」を導入するには、鉄筋の5~6倍の強度をもつ「PC鋼材」と呼ばれる高強度の材料を使います。プレストレストコンクリートをつくるためには、PC鋼材を引っ張って(緊張)、張力を与えた後にコンクリートを打設し、固定します。緊張により伸ばされたPC鋼材が元に戻ろうとする(縮もうとする)性質を利用し、コンクリートに圧縮力(ストレス)を与えます。PC鋼材の緊張をコンクリート打設の前に行うのが「プレテンション方式」で、後に行うのが「ポストテンション方式」です。この新庁舎建設においては後者の「ポストテンション方式」を採用しています。
コンクリートを打設し硬化した後に、シース管(※1)の中を通るPC鋼線をジャッキを使って緊張します。緊張力の保持はPC定着具が使われます。PC鋼材を緊張後、シース管内のPC鋼材の腐食防止及びコンクリートとの一体化のためにシース管内にグラウト(※2)材を充填します。
※1 PC工法において、コンクリートの強化と鋼線の防錆目的を兼ね、内部に鋼線を通して使用される金属製のチューブのこと
※2 建設工事において、空洞や隙間などを埋めるために注入する流動性の液体。グラウト材として「モルタル」が使われることが多い。
実際の作業を見てみましょう。
PC鋼線を挿入しているところです。
PC鋼線を引っ張る前の写真です。
PC鋼線をジャッキで緊張させています。
緊張が完了し、不要な鋼線を切断したところです。この後、このシース管にモルタル(グラウト材)を注入して完了です。
(令和4年8~11月撮影)
ドローンで上空から建設地を撮影した写真です。
(令和4年11月30日撮影 提供:中野建設工業・遠藤建設特定共同企業体)
クイズの答え 「エレベーター」 でした!