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令和3年度:教育行政方針

記事ID:0026104 更新日:2021年4月1日更新 印刷ページ表示

本ページの目次

はじめに

令和3年第2回(3月)佐渡市議会定例会の開会に当たり、佐渡市教育委員会所管に関する教育行政方針について申し上げ、ご理解とご協力をいただきたいと思います。

近年佐渡市においては、少子化や核家族化による家族形態の変容、家庭と地域の教育力の低下、いじめ・不登校の問題、ICTの急速な進展など様々な課題があります。このような急速に変化し予測困難な社会において、子どもたちが自立的に生き、社会の形成に参画するために求められる資質・能力をより一層確実に育成するため、教育の果たす役割は極めて重要であります。

令和2年度はコロナ禍により、多くの制限を受けながらも新たな教育大綱及び教育振興基本計画のもと教育施策を進めてまいりました。その中で明らかになった課題を受け、令和3年度の方針について説明いたします。

基本目標1 学ぶ意欲を高め確かな学力等を育成する教育の推進

「施策1 学ぶ意欲を高め確かな学力を育成する教育」として、学力等に関する各種調査結果をもとに、佐渡市及び各小中学校の課題を明らかにするとともに、ICT活用支援、教員研修の充実に重点をおき、課題解決を目指します。

令和2年度は佐渡市においてもGIGAスクール構想に基づく教育環境整備を急ピッチで進め、令和2年度末には市内小中学校における一人一台端末の整備、各校での遠隔授業のための機器整備が終わりました。

令和3年度はこれらの教育環境を活用し、児童生徒一人一人に合った個別最適な学びが保障されるよう新潟県教育委員会、市内小中学校長会や小中学校PTA連合会等と連携して各学校の支援を行います。

また、新学習指導要領の全面実施により、教員には「主体的・対話的で深い学び」の視点に立った授業改善が求められています。「授業力向上研修」等の佐渡総合教育センター主催の研修を充実させるとともに、指導主事が全小中学校に訪問し、授業参観・指導を行う「学校支援訪問」を実施し、教員の授業力向上を目指します。さらに、家庭学習や、授業以外の補充学習の取組についても各校の実態を把握し、より一層指導・支援を行います。

また、教員の働き方改革により教員の業務の明確化・適正化を進め、教材研究時間の確保や児童生徒へのきめ細やかな指導の実現を目指します。県内市町村では学籍・成績・保健管理等の情報を一元管理・共有することができる校務支援システムの共同導入が検討されており、当市においても積極的に連携し、導入に向けて検討を進めていきたいと考えています。

「施策2 豊かな心、倫理観、規範意識をはぐくむ道徳教育」として、特別の教科「道徳」において「考え、議論する道徳」の定着を図ります。佐渡総合教育センターを拠点に、いじめの未然防止や自己肯定感の醸成など、市の課題を踏まえた指導法や資料活用方法等の研修を行います。

「施策3 健康でたくましい心身をはぐくむ教育」として、令和2年度は中止となった体力テストを、感染防止対策を万全にして実施し、コロナ禍による市内児童生徒の体力状況の変化とその課題を明らかにするとともに、各校で取り組む「体力向上のための1学校1取組」を支援します。

食育を通して、児童生徒が望ましい食習慣を身に付けられるようにするとともに、佐渡の食材による地産地消を推進しながら安全な学校給食の提供に努めます。

「施策4 一人一人の教育的ニーズに応える特別支援教育」として、関係機関と連携しながら、幼児児童生徒一人一人の教育的ニーズを把握し、適切かつ必要な指導・支援体制の整備に努めます。

また、一人一人の実態に応じた適切な指導を行うために作成する「個別の指導計画」については、令和元年度にすべての市内小中学校で作成済みとなりました。令和3年度はすべての市内小中学校で医療、福祉、雇用等の関係機関と連携し、「個別の教育支援計画」の作成を目指します。

「施策5 人間性や社会性の基礎を身に付ける幼児教育」として、幼児の発達や義務教育への学びや生活の連続性を踏まえ、生きる力の基礎を育む幼児教育を子ども若者課と連携して推進します。

幼児の実態を把握し、小学校への円滑な接続ができるよう、関係機関と連携して適切な就学支援を行います。

基本目標2 郷土愛を軸にしたキャリア教育の推進

「施策6 佐渡を知り、愛し、誇りとするキャリア教育」として、佐渡への愛着と誇りをもった児童生徒を育成するため、佐渡の自然・歴史・文化への理解を深め、体系化した「佐渡学」を中核とする郷土学習を推進します。現在「佐渡学」の実施は、100%であり、すべての学校で総合的な学習の時間等に位置付けられ実施されています。今後も継続した取組を推進していきます。

令和2年度は、すべての中学校で課題解決型職場体験に取り組み、389人の生徒が117の事業所の協力のもと、取り組むことが出来ました。

また、この取組に佐渡中等教育学校や羽茂高校とも連携して取り組むことが出来ました。今後も、中学校における職場体験活動を充実させるため、課題解決学習を取り入れた指導への支援と受入企業の拡充を進めます。

「施策7 世界と共生する人材を育成する教育」として、グローバル化が進展する中で、教科化された小学校英語を活かした中学校への接続を意識した英語教育や国際理解教育の充実とコミュニケーション能力の育成に努めます。新型コロナウイルス感染症の拡大により外国との交流が制限されているところですが、外国語指導助手や英語専科教員等、人材の確保に努めます。

また、情報化社会に的確に対応できる人材を育成するため、情報教育の充実やICT機器の効果的活用を推進します。

基本目標3 安全・安心な学校づくり

「施策8 安全な学校環境づくり」として、学校、家庭、地域が協力して、幼児児童生徒を見守る体制づくりを進めます。

また、老朽化する校舎の長寿命化工事や耐力度調査を計画的に行い、児童生徒が安心して学べる環境づくりに努めます。

「施策9 安心して学べる学校づくり」として、『佐渡市いじめ防止基本方針』に基づき、いじめをしない、許さない、命を大切にする意識を醸成するとともに、いじめの未然防止、早期発見、即時対応を図るために、学校との情報共有を強化し、組織的な体制づくりを支援します。

不登校児童生徒への的確な対応を進めるため、新潟県が示す「子どもとともに1(ワン)・2(ツー)・3(スリー)運動」、佐渡市共通の「心の健康チェックアンケート」の活用を徹底するとともに、教育支援センターを整備して相談支援体制を充実させ、適応指導教室や訪問指導員との連携を図ります。

基本目標4 高等教育・研究機関等との連携の強化

「施策10 大学や研究機関を活用した教育」として、大学や研究機関と連携し、その関連施設や職員を活用した教育活動を推進していきます。令和2年度には新型コロナウイルス感染症のためにこれまで展開されてきた大学等との交流が大きく制限されました。令和3年度はICT機器を活用してオンラインによる交流活動も進めます。

「施策11 大学・大学生等との交流」として、大学関係者や大学生等を、佐渡市に積極的に招致し交流する教育活動を広げます。

基本目標5 一人一人が学び続ける学習環境づくり

「施策12 公民館の利用促進」として、市民の暮らしが充実し、家庭や地域における課題解決のきっかけとなるよう、学習機会を提供するとともに、自主講座の活動支援も行うなど、公民館を生涯学習の拠点施設と位置付け、様々な教室や講座を開催します。

また、社会教育事業の一環として、キャンプなどの自然体験活動を通した青少年の社会性や人間性を育む活動や、家庭教育学級などでの親子の触れ合いを大切にした取組も行います。

地域の集う場、学ぶ場、つなぐ場である公民館分館の活動を推進し、運動会等を行い、居場所づくりや生きがい対策に努めます。

「施策13 スポーツの推進」として、佐渡市スポーツ推進委員や佐渡市スポーツ人材バンクを活用し、さまざまなニーズに対応できるスポーツ環境の充実を図ります。特に学童期のスポーツの習慣化を図るため、親子スポーツ教室を開催するほか、中高年がスポーツをする機会の充実・コロナ禍における高齢者のフレイル予防を目的とし、ヨガ教室、ストレッチ教室、ウォーキング教室など気軽に参加できるスポーツ教室を開催します。

また、スポーツを通じて世代間の交流を深め、市民相互の理解と連携・協力体制を築きます。

「施策14 佐渡の人づくりを支える、地域の学びの拠点としての図書館運営」として、幅広い年代の市民が読書に親しみ、それぞれのライフステージにおいて学習できるよう、児童書、郷土資料、参考資料などの充実や団体貸出の拡充に努めるとともに、利用者端末の設置などの環境を整備し、誰もが安心して快適に利用できる図書館を目指します。

市民との協働による図書館運営を推進し、市内の図書館及び県内外の公共図書館や大学図書館と連携し、市民の課題解決に必要な資料を提供します。

また、地区公民館等との連携・協力により、図書館の魅力を発信し、利用者増を目指します。

「施策15 佐渡が誇る資産を活用した学習の推進」として、幅広い年代の市民が博物館等で佐渡の歴史・民俗・産業・芸術・自然科学等に関する資料を見て、触れて、楽しみながら郷土を学び合う場を提供します。

また、佐渡市の未来を担う人材を育成するため、子どもたちがワークショップ等の体験事業を通じて佐渡の歴史、文化などの魅力を知り、知的好奇心を高めてもらう機会づくりとして小・中学校への出前講座を行うほか、ジュニア学芸員育成事業として、創造性や発想力、コミュニケーション力などの、子どもたちの考える力を育み、歴史・文化・風土を体験できる連続講座を通した将来の学芸員を目指すための機会を提供します。

あわせて、佐渡金銀山の世界文化遺産登録に向け、博物館等の文化観光施設におけるインバウンド対策の必要性が見込まれることから、佐渡に関する資料の収集及び調査研究活動に加え、展示解説の多言語化などグローバルな視点から佐渡を知る機会を提供し、国内外から来館するお客様の知的好奇心を満足させる博物館を目指します。

日本ジオパークに認定されている貴重な資産をいかして、市民向け講座、親子体験、学校等での出前授業、ガイドの養成など幅広い教育活動を行い、郷土愛の醸成に努めます。

「施策16 文化・芸術の振興」として、誰もが文化・芸術に親しみ、文化活動に参加し担い手となるよう、さまざまな文化事業等を充実させます。

また、各地区公民館講座において、絵画や版画等の講座を開講し、芸術に触れる機会の充実を図ります。

基本目標6 家庭・地域の教育力の充実

「施策17 家庭や地域の教育力向上のための取組」として、児童生徒の健全育成と学習習慣の確立を目指し、PTAや公民館等において家庭教育の啓発活動を推進するとともに、貧困の連鎖を防止するための学習支援を子ども若者課と連携して進めます。

令和2年度にはすべての小中学校が学校運営協議会を設置しました。今後、学校運営協議会と地域学校協働本部が連携し、学校と地域の課題を共有し、「地域の子どもは地域で育てる」という視点を重視した取組を進めます。具体的には令和2年度までに「放課後子ども教室」等の「放課後学習支援」は6校で実施されています。令和3年度は10校に拡大する予定です。

「施策18 虐待や貧困から子どもを守るための関係機関との連携強化」として、子ども若者相談センターや児童相談所等と連携して、虐待の予防と早期発見・対応に努めます。

就学支援が、必要とされる家庭に行き届くよう努めます。

おわりに

佐渡市教育大綱』の基本理念に基づき、学校・家庭・地域が連携し、課題を共有するとともに、『佐渡市教育振興基本計画』に掲げる施策を着実に実施していくため、指標として掲げる令和6年度目標値の達成に向け、推進してまいります。

また、少子化の進行、児童生徒数の減少に伴い複式学級が増加しており、教育環境の整備が急務となっています。このため「新たな学校教育環境整備計画」の策定に向けて検討を進めてまいります。

本市の教育の充実・発展のため、各取組に対する議員並びに市民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げ、令和3年度の教育行政方針といたします。

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