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拉致被害者関係市連絡会から岸田首相に宛てて要望書を提出しました

記事ID:0033630 更新日:2022年1月11日更新 印刷ページ表示
拉致被害者の地元3市(新潟県佐渡市、新潟県柏崎市、福井県小浜市)で組織する「拉致被害者関係市連絡会」では、毎年、日本政府に対し拉致問題の一刻も早い解決を求めて要望書を提出しています。

令和4年(2022)年の10月には、佐渡市の曽我ひとみさん、柏崎市の蓮池薫さん・祐木子さん夫妻や、福井県小浜市の地村保志さん・富貴恵さん夫妻が、帰国を果たされてから20年目の節目を迎えますが、曽我さんの母親であるミヨシさんや新潟市の横田めぐみさんをはじめ、5人を除く拉致被害者全員が帰国を果たされていない厳しい現実があります。

拉致被害者関係市連絡会では、月日の経過とともに、この問題に関する国民や市民の関心が低下・風化していくことを危惧し、それを防止するための取り組みを進めてきました。

20年目の節目を迎える来年度、連絡会としての取り組みを更に強化していく決意と、この問題の解決に向けた日本政府の強いリーダーシップ発揮を要望するため、令和3年(2021)年12月23日に、岸田首相に宛てて、要望書を郵送提出しました。

大切な家族が離れ離れになり40年以上の年月が経っています。私たちは、一刻も早い拉致被害者の帰国を心から願っています。

要望書

政府拉致問題対策本部
本部長 内閣総理大臣 岸田 文雄 様

日頃、岸田内閣総理大臣には、拉致問題等の早期全面解決に向けた不断の取り組み、帰国拉致被害者への支援に多大なるご尽力を賜り、深い敬意と謝意を表すものであります。

拉致問題につきましては、日本政府のご努力により平成14年10月に5人の拉致被害者が帰国を果たすことができました。

現在、帰国拉致被害者およびご家族は、健やかで、充実した生活を送られており、これもひとえに国民の皆様、政府の温かいご支援の賜物と存じ、心より感謝申し上げます。

一方、5人の拉致被害者の帰国から19年が経過し、来年、令和4年10月には、日朝平壌宣言から20年の節目を迎えることとなりますが、その後、北朝鮮に残された12人の拉致被害者の帰国は実現しておらず、誠に遺憾な状況が続いております。

拉致被害者関係市連絡会の3市(柏崎市・佐渡市・小浜市)で生活する帰国拉致被害者は、帰国後、長年に渡り、曽我ひとみさんのお母様であるミヨシさんを含め、未帰国の皆様の安否を日々祈り続けると共に、国内で未帰国者の帰還を年老いながら待ち侘びてきた親世代を始めとするご家族の皆様の苦悩・不安等に心を痛めつつ、自らの家族を守るため、毎日を懸命に暮らされてきました。

この間、3市の連絡会としましても、帰国拉致被害者の皆様に寄り添いながら、各種取組を展開してきたところですが、本年度は、特に、家族会や救う会の皆様が4月3日に発出された金正恩委員長に対する2回目のメッセージで「期限切り」を明言した上で、改めて問題の早期解決を訴えた不退転の決意を重く受け止めたところです。

このことから、その趣旨に沿い、それを支援する思いを込めた内容で構成した金正恩委員長へのメッセージを6月30日に3市長名でインターネット発信したほか、8月25日に在日本アメリカ合衆国大使館を訪問し、バイデン大統領に宛てた拉致問題解決に向けた支援要望メッセージを手交する取組を実施してきたところです。

さて、3市の連絡会としては、近年、5人の拉致被害者の帰国以降に生まれた世代が増えたことや、問題解決に向けた進展が見られない中で、国民意識における拉致問題の風化(無力感、諦め感など意識の希薄化や無関心等)が増えてきているのではないかと危惧・懸念するところです。

その意味で、日朝平壌宣言から20年を迎える令和4年度は、改めて、国民にこの重大な人権侵害である拉致問題の早期解決を訴え、国民の総力を挙げて、北朝鮮政府を交渉の場に着かせるという機運を高めていく上で、重要な節目の一年になるものと考えます。

岸田内閣総理大臣をはじめ、政府拉致問題対策本部におかれましては、既にあらゆる方面から、この問題解決に向け、日々、ご尽力いただいているところではございますが、5人の拉致被害者の帰国後20年目を迎える来年度に向けて、改めて、国民の総力を結集させ、早期解決に向けた取組を力強く展開いただきますようお願い申し上げます。

つきましては、政府におかれましては、下記の各事項について特段のご配慮を賜りますよう要望いたします。

1.日朝直接交渉による拉致問題の全面解決について

5人の拉致被害者は帰国を果たしましたが、他の拉致被害者の帰国は、未だに実現していません。12人の未帰国の拉致被害者および拉致被害者ご家族は、高齢化し、拉致問題の解決には一刻の猶予もない状況です。早期に日朝首脳会談等を実現し、全ての拉致被害者の即時帰国、拉致問題の全面的解決を図っていただきますようお願いいたします。

2.引き続き帰国被害者への配慮について

帰国された拉致被害者の生活は、比較的安定的なものになってきておりますが、将来の生活への不安は、20年以上の拉致期間を考えれば、完全に払拭されておりません。引き続き、きめ細やかなご支援をお願いいたします。

3.若年層に対する拉致問題教育の推進について

拉致問題が長期化する中、拉致問題に対する国民の意識の希薄化が懸念されるところであり、特に若年層への啓発が重要な課題となっています。
政府においては、「北朝鮮当局による拉致問題に関する映像作品の活用促進」、「北朝鮮による日本人拉致問題に関する教員研修会」の実施等、教育現場における拉致問題教育の推進に取り組んでいただいておりますことに感謝申し上げます。
拉致被害者5人が帰国されてから19年以上経過しており、高校3年生以下は、5人の帰国後に誕生するなど、拉致問題を知らない若い世代が多くなってきています。
世代を超え、国民が一丸となり拉致問題の解決に向け取り組んでいくため、若年層に対する更なる拉致問題教育の推進に努めていただくようお願いいたします。

4.特定失踪者等の真相究明について

現在、日本政府が認定している拉致事案は、12件、17人となっていますが、これ以外にも特定失踪者問題調査会による「特定失踪者」が約470人、警察による「拉致された可能性が排除できない失踪者」が873人いるとされています。
特定失踪者ご家族は、理由なき失踪に苦悩され、長期の安否不明を心痛されています。
こうしたことから、特定失踪者等についても調査を進め、早急に特定失踪者等の真相究明を図っていただくようお願いいたします。

5.政府・地方自治体の連携・協力による取組の展開について

日朝平壌宣言や5人の拉致被害者の帰国から19年が経過する中で、この問題を未解決のまま風化させてはならないという危機意識は、政府同様、全国の自治体の中でも非常に高まってきています。本年、8月26日には、新潟県において、県内全30市町村が参加した「北朝鮮による拉致問題に関する新潟県市町村長の会」が新たに組織されました。また、3市連絡会でも、この問題に影響力を持つ米国等への要望活動に初めて取り組みました。
北朝鮮当局は、この問題の解決に向けた日本国民の関心や世論が高まっていくことに敏感となっていることからも、20年目となる来年、地方自治体でも様々な知恵を絞り、これまで着手してこなかった取組などあらゆる可能性を模索し、積極的に展開していくものと推察します。
このため、日本政府からは、地方自治体の取組に対する支援を改めてお願いいたします。

具体的には、

  1.地方で展開されている様々な問題解決に向けた取組が、国民に共感を与え、共有さ
   れていくよう、報道等を通じ、全国に発信されていくための連携・支援策を講じていただ
   くこと
  2.国民の関心を高めていくために、国・地方自治体の垣根を越えて、家族会や救う会
   の皆様も含めたオールジャパン体制で展開する新たな取組を提起願いたいこと

以上、御検討いただきますようお願いいたします。

  2021年12月23日


                                 柏崎市長   櫻井 雅浩
                                 佐渡市長   渡辺 竜五
                                 小浜市長   松崎 晃治

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