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「佐渡市デジタル活用構想(1.0版)」を策定しました
「佐渡市デジタル活用構想」を策定しました
令和5年6月、本市におけるデジタル社会の実現に向けた取組を迅速かつ着実に推進するため、基本的方針を示す「佐渡市デジタル活用構想」を策定しました。
「佐渡市総合計画」に掲げる施策の実現に貢献するため、また、総務省が示す自治体DX推進計画が掲げる重点取組事項※1等の実行に貢献するための基本的方針として、本市が目指すデジタル技術活用社会を明確化し、市民と共有するための構想です。
※1:自治体DX推進計画に掲げられている重点取組事項
(1)自治体情報システムの標準化・共通化
(2)マイナンバーカードの普及促進
(3)自治体行政手続きのオンライン化
(4)自治体のAI・RPAの利用促進
(5)テレワークの推進
(6)セキュリティ対策の徹底
以下に本構想の全文を掲載するとともに、ページ最下部からはPDF版及び「2030年、デジタル技術を取り入れた佐渡市が目指す未来のありたい姿(ビジョンマップ)」をダウンロードいただけます。
佐渡市デジタル活用構想(1.0版)
目次
■実現したいこと(Vision)、取り組まなければならないこと(Mission)、大切にしたいこと(Value)
■基本目標1:データに基づくマネジメントで、豊かな自然と共生した安全で快適なまちづくり
■基本目標2:組織間の情報連携で、一人ひとりが活躍しいきいきと暮らせるまちづくり
■基本目標3:時間・空間の制約を越えた、郷土の誇りと未来への希望を育むまちづくり
■基本目標4:情報が集まるシカケとコラボで、地域の活力と賑わいあふれるまちづくり
■基本目標5:デジタルネットワークを活かした、心豊かで明るい暮らしを未来に繋げるまちづくり
第1章:はじめに
■今、なぜデジタルが求められているのか ~ 地方創生×デジタルの必要性 ~
現在、日本の人口は、2008(平成20)年をピークに減少しており、2050(令和32)年には、2008年比約80%である1億192万人になるとの推計があります。
供給が需要に合わせる経済へ
人口増加の局面では「需要が供給に合わせる」経済が成り立っていましたが、人口減少の局面では「供給が需要に合わせる」経済が必要になってきます。
例えば、これまでは「バス停に来るバスを待つ」といったことが、「バスが顧客の都合に合わせて動く」ことになります。
このようなことを実現するためには、需要と供給をリアルタイムで把握し、供給側の意思決定の確認を待たずに先にものやサービスを動かすような、デジタル基盤が必要になってきます。
ものづくり中心の経済からサービス中心の経済へ
人口増加期には、拡大する国内市場を前提に、製造業を中心とした長いサプライチェーンに依存する「ものづくり中心の経済」を形成してきました。
しかし、人口減少期では、シェアードエコノミーなども積極的に活用した「サービス重視の経済(サーキュラーエコノミー)」への移行が必要になってきます。
進まない製造業の立地とサービス業の生産性低迷に悩む地域経済においても、デジタル技術を活用し、共助のビジネスモデルも取り入れながら、積極的に新たな生活・経済モデルを構築していくことが必要になってきます。
【引用:デジタル庁第2回デジタル田園都市国家構想実現会議資料(2021.12)】
共助のビジネスモデルの必要性
市場の拡大期は、民間事業者が個別にデジタル投資を行っても投資回収ができましたが、市場の縮小期は、個別にデジタル投資を行うと投資回収できない恐れがあります。
しかし、特定の民間事業者が利用するデータ連携基盤などには、公的部門は支援を入れにくい傾向にあるため、民間事業者は、こうした基盤への投資を進めるためには共同で投役立てることが必要となります。
共助が支える新たなデジタル生活基盤とまちづくり
多様な生活ニーズや価値観に寄り添うサービスをデジタル技術によって磨いていくためには、複数のサービスが積極的に協力し支え合う、共助のビジネスモデルを土台としたデジタル生活基盤の構築が必要となります。
そのうえで、市民のまちづくりへの積極的な参画により新たな生活サービスを創出し、Well-Beingの向上に向けたまちづくりの好循環を生み出すことが必要となります。
佐渡市においても、今後、人口減少が進むことが予想され、市民・民間事業者・行政が連携し、デジタル活用による地方創生に取り組む必要があります。
■佐渡市におけるデジタル活用の考え方
本構想におけるデジタル活用の考え方については、人口減少社会の地方創生に取り組むにあたり、デジタイゼーション、デジタライゼーション、デジタルトランスフォーメーションを問わず、デジタル技術の活用を図ることとします。
デジタイゼーション(Digitization)
アナログ・物理データのデジタルデータ化
・アナログ情報をデジタル情報に変換
・部分的なデジタル化
ITシステムの導入により業務をデジタル化し、業務フローを部分的・局所的にデジタル化することです。
業務効率化の実現が主な目的であり、これまで紙で行ってきた業務をデジタル化すること等が挙げられます。
家庭では、手書きの家計簿をパソコンで入力して電子データ化することなどがあげられます。
デジタライゼーション(Digitalization)
個別の業務・製造プロセスのデジタル化
・システムにより業務プロセスを最適化
・業務全体のデジタル化
システムにより特定の業務・製造プロセスをデジタル化し、プロセス全体を最適化することです。
プロセス全体を通してデジタル化することで、新たな価値やビジネスモデルを生み出すことが目的となります。
家庭では、買い物のレシートをカメラで読み取り電子データ化することなどがあげられます。
デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)
組織横断/全体業務・製造プロセスのデジタル化
・顧客起点の価値創出のための事業やビジネスモデルの変革
個別の業務・製造プロセスだけでなく、組織全体をデジタル化することで、ビジネスモデルや組織そのものを変革させていくことです。
デジタル技術でビジネスモデルや組織のあり方そのものを変革することが目的となります。
家庭では、決済サービス等の利用履歴から家計簿が自動生成され、家計の分析・改善につなげることなどがあげられます。
【引用:経済産業省Dxレポート2中間取りまとめ(概要)】
■佐渡市の特徴
位置・地形
本市は新潟県のほぼ中央の日本海上に位置する、市域面積約855平方キロメートル、人口5万37人(2023(令和5)年4月30日現在)の離島の都市です。
北側の大佐渡山地と南側の小佐渡丘陵の二列の山地と、これに挟まれた国中平野により形成されており、東には両津湾、西には真野湾があります。大佐渡、小佐渡を通じて数段に及ぶ海岸段丘が発達しており、島を取り巻く海岸線は約280kmに及びます。
島の大部分が国定公園や県立自然公園に指定されており、豊かで美しい自然環境に恵まれています。
文化
本市の文化は、佐渡に配流となった貴族がもたらした貴族文化や、金銀山の発展により奉行や役人たちが江戸からもちこんだ武家文化、商人や船乗りが運んだ町人文化など、三つの文化が渾然一体となって独自の文化を育んでおり、「佐渡は日本の縮図」といわれています。また、特別天然記念物に指定されたトキが野生下で繁殖し生息するなど、トキと共生する島として知られているほか、江戸時代には国内随一の産出量を誇る金銀の採掘地として栄え、現在も多くの文化財が残されています。
2022(令和4)年5月には、こうした文化的背景を含め、経済・社会・環境の三側面における新しい価値創出を通して持続可能な開発を実現するポテンシャルが高い都市・地域として、「SDGs未来都市」に選定されています。
産業
本市の産業は、農業では、トキとの共生を目指し、生物多様性保全を重視した「生きものを育む農法」による米作りのほか、おけさ柿やル レクチエなどの果樹栽培、アスパラガスなどの園芸栽培が盛んです。漁業では、脂がのった一番おいしい時期に水揚げされる寒ブリや、清浄で栄養豊富な深海に生息する南蛮エビやズワイガニなど、日本海を代表する魚介類が漁獲されています。また、観光では、世界文化遺産に推薦された「佐渡島の金山」をはじめ、世界農業遺産(GIAHS)、日本ジオパークに認定された自然、歴史、文化などの多様な地域資源を活用した滞在型観光を推進しています。
人口動態(2030年の人口予測)
■まちづくりのビジョン
本市では、2022(令和4)年度に新たな「佐渡市総合計画」を策定しています。
総合計画は、将来あるべき佐渡の姿と長期的な展望を市民と共有し、総合的かつ計画的な市政運営を図るための最上位計画です。
この総合計画をまちづくりのビジョンと捉え、デジタル技術の活用構想を策定します。
基本理念
歴史と文化が薫り 人と自然が共生できる持続可能な島
~子どもからお年寄りまで 誰もがいきいきと輝ける島~
将来像
- トキの舞う美しいしま
- 笑顔と長寿の明るい島
- 人情と優しさのあふれる島
- 文化の薫るおけさの島
- 輝く汗の光る島
基本目標
- 1:豊かな自然と共生した、安全で快適なまちづくり
- 2:一人ひとりが活躍し、いきいきと暮らせるまちづくり
- 3:郷土への誇りと未来への希望を育むまちづくり
- 4:地域の活力と賑わいあふれるまちづくり
- 5:心豊かで明るい暮らしを未来に繋げるまちづくり
■佐渡市デジタル活用構想・計画策定の背景・目的
まちづくりのビジョンの実現に貢献するための手段として、また、総務省が示す自治体DX推進計画に掲げられている重点取組事項等の実行に貢献するための基本的方針として、「佐渡市デジタル活用構想・計画」を策定します。
中長期的な視点により、佐渡市が目指すデジタル技術活用社会を明確化し、市民と共有するための構想及び計画とします。
また、デジタル技術の活用や社会実装に向けてコラボレーションすべき関係者や適応技術を考えるための指針になるものとします。
なお、今回策定する構想・計画については、地域課題の動向や日々進化するデジタル関連技術の動向を踏まえ、必要に応じて見直しながら更新を図るものとします。
■佐渡市デジタル活用構想・計画の位置づけ
「佐渡市総合計画」をもとに、佐渡市デジタル活用構想・計画を策定します。
また、「佐渡市まち・ひと・しごと創生総合戦略」の改定版となる「改定佐渡版総合戦略(仮称)」における地域ビジョンを兼ねるものとします。
■佐渡市デジタル活用構想の策定方針
「佐渡市総合計画」に掲げた施策・課題をもとに、デジタル技術の活用アイデアを抽出し、実現したい未来を描きました。
また、実現したい未来のイメージを抜粋した形でビジュアライゼーションし、ビジョンマップを作成しています。
この未来のイメージからバックキャストし、2031(令和13)年のありたい姿を実現するためのデジタル活用施策を明確化しています。
第2章:デジタル活用の推進方針
■実現したいこと(Vision)、取り組まなければならないこと(Mission)、大切にしたいこと(Value)
「佐渡市総合計画」に掲げる理念をデジタル活用におけるビジョンと捉えます。
ビジョン実現に向けて取り組まなければならないことを、市民、民間事業者、民間団体・NPO、行政などが一体となり、それぞれの役割や得意分野を生かしながら共助・協力して挑戦します。
大切にしたいことを関係者と共有しながら取組を進めます。
■デジタル活用により取り組まなければならないこと
デジタル技術の活用により、「佐渡市総合計画」に掲げる各基本目標の実現に貢献するとともに、持続可能な島を目指す地域循環共生圏の創出に繋げ、「日本の自立・分散型社会のモデル」として世界に誇れる佐渡島を実現します。
基本目標1:データに基づくマネジメントで、豊かな自然と共生した安全で快適なまちづくり
佐渡の資源や自然に関するデータを集め、データを共有・活用したマネジメントを実現することで、人々が安心して暮らせるまちづくりに貢献します。
基本目標2:組織間の情報連携で、一人ひとりが活躍しいきいきと暮らせるまちづくり
健康に関するデータを連携し、異なる組織で共有・連携することでシームレスな包括ケア体制を強化し、幸せで健康に暮らせるまちづくりに貢献します。
基本目標3:時間・空間の制約を越えた、郷土への誇りと未来への希望を育むまちづくり
いつでも、どこでも、いつまでも、世代を越えて学び合える空間を創出し、佐渡の文化を継承する仕組みづくりに貢献します。
基本目標4:情報が集まるシカケとコラボで、地域の活力と賑わいあふれるまちづくり
魅力ある佐渡のあらゆる資源を有効活用するために、データをつなげ、企業間・産業間をつなげ、活力と賑わいのあふれる産業振興に貢献します。
基本目標5:デジタルネットワークを活かした、心豊かで明るい暮らしを未来に繋げるまちづくり
市民にとって身近な行政であり、かつ、市民と市民がつながり、ともに協力し合って創る佐渡の未来にデジタル技術で貢献します。
■デジタル活用で実現したい未来のイメージ
基本目標1:データに基づくマネジメントで、豊かな自然と共生した安全で快適なまちづくり
佐渡の資源や自然に関するデータを集め、データを共有・活用したマネジメントを実現することで、人々が安心して暮らせるまちづくりに貢献します。
基本目標2:組織間の情報連携で、一人ひとりが活躍しいきいきと暮らせるまちづくり
健康に関するデータを連携し、異なる組織で共有・連携することでシームレスな包括ケア体制を強化し、幸せで健康に暮らせるまちづくりに貢献します。
基本目標3:時間・空間の制約を越えた、郷土への誇りと未来への希望を育むまちづくり
いつでも、どこでも、いつまでも、時間・空間の制約を越え、世代を越えて学び合える空間を創出し、佐渡の文化を継承する仕組みづくりに貢献します。
基本目標4:情報が集まるシカケとコラボで、地域の活力と賑わいあふれるまちづくり
魅力ある佐渡のあらゆる資源を有効活用するために、データをつなげ、企業間・産業間をつなげ、活力と賑わいのあふれる産業振興に貢献します。
基本目標5:デジタルネットワークを活かした、心豊かで明るい暮らしを未来に繋げるまちづくり
市民にとって身近な行政であり、かつ、市民と市民がつながり、ともに協力し合って創る佐渡の未来にデジタル技術で貢献します。
デジタルネットワーク(Digital Network)
デジタル技術を活かして実現する、人と人との繋がり。
例えば、市民、民間事業者、民間団体・NPO、行政などが相互に情報交換・共有でき、
さまざまなサービスの提供・享受が行われるための基盤。
■デジタル技術を取り入れた佐渡市が目指す未来のありたい姿
デジタル技術を取り入れ、2031(令和13)年に佐渡市が目指す未来のありたい姿をビジュアライゼーションするため、ビジョンマップとして作成しました。
実現したい未来のイメージのうち、象徴的なデジタル活用シーンを描いています。
市民、民間事業者、行政が、共通のイメージを持ち、連携して取り組むことを目的としています。
第3章:デジタル活用施策
■デジタル活用施策体系図
「佐渡市総合計画」における施策とデジタル活用により実現したい未来のイメージ及びデジタル活用施策の関係を示します。
第4章:デジタル活用推進体制
■デジタル活用推進体制
構想・計画の策定及び実行にあたっては、市長を最高責任者、副市長を最高情報責任者(Cio)とし、デジタル活用におけるビジョンの実現に向けて各推進担当チームが責任を持って推進する体制とします。
- 最高責任者 - 市長:
佐渡市のデジタル活用に関する最高責任者。
市が目指す方向性を示すとともに、構想・計画の策定及び実行など、デジタル活用に関する行動、成果物、予算等の最終決定・承認を行います。
- CIO - 副市長:
佐渡市のデジタル活用に関する戦略と調達マネジメントに関する責任と権限を有します。
策定した構想や基本目標に則り、有効な調達の予算査定及びマネジメントを一括して行います。
- CIO補佐 - デジタル政策主幹
構想及び計画の策定において、方針の明確化、計画のとりまとめを行います。
また、CIOの担務に関する助言・支援のほか、各種外部組織等に参画し、構想との整合性を図りながら、意見・助言・調整等を行います。
- デジタル活用推進責任者(各部長):
庁内の意思決定や部門間での調整を行うとともに、デジタル活用構想・計画を策定・実行していく上で、担当部門の実行責任を担います。
- デジタル政策室:
構想及び計画の策定・実行及びマネジメントを担います。
また、懇談会の運営、連携部門、各種関連コンソーシアム等との実務レベルでの調整を行うとともに、庁内各施策・取組に関する技術的な助言や推進を支援します。
-
デジタル活用推進担当チーム(各課、関係課)
デジタル活用計画に掲げた具体的な施策や取組(事業)を推進します。
チーム構成員は、関係課による庁内横串で組織し、関係課長より選出したチームマネージャーを配置します。
事業の実行にあたっては、デジタル活用推進責任者に意思決定を行います。
- ワーキンググループ
デジタル活用計画の実行にあたり、技術革新や新技術の利活用など、短期的に調査・検討、施策立案・事業化を行います。
グループ構成員は、デジタル政策室が中心となり、必要に応じて関係課に協力を求めます。
- パートナー企業・大学
本市の抱える地域課題の解決の支援。データ・ICTを活用した安心安全なまちづくりに向けた取組など。
・佐渡市と連携協定を締結しているデジタル・ICT関連企業
・佐渡市と連携している大学 など
- デジタル化推進検討懇談会
構想・計画の策定に関することや、本市のデジタル社会の構築に関し、必要に応じて意見交換や助言を行います。
デジタル技術の進展スピードが極めて速い昨今においては、日々新たな技術や概念が誕生しています。
こうした中で計画を実行に繋げるためには、これまでにない機動的な組織体制や、通常とは別系統のワークフローの構築が必要となります。
技術革新や新技術の誕生により、計画の変更や、推進中の施策・取組の転換ということも想定しなければなりません。
これら課題に柔軟に対応しながら本市のデジタル活用社会を実現するため、推進体制についても順次見直しを図ることとします。
■デジタル化推進検討懇談会
本市において、デジタル社会の構築に向けた取組を迅速かつ着実に進めていくため、基本的方針及び具体的取組を示す「佐渡市デジタル活用構想・計画」の策定にあたり、広く有識者等から意見・助言等を求めることを目的に「佐渡市デジタル化推進検討懇談会」を設置しています。
懇談会の活動内容は以下のリンク先をご参照ください。
デジタル人材の育成の考え方
進展スピードが極めて速いデジタル技術を活用し、地域課題の解決や行政サービスの効率化・高度化を図るためには、すべての職員が変革意識を持ちながら、デジタル技術を使いこなせるようになる必要があります。
本市では3つのカテゴリにおいて、デジタル活用を推進するための人材の育成・確保に努めます。