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熱中症に気をつけましょう
例年、気温が高い日に、熱中症による救急搬送が多くなっています。中でも、高齢者の搬送が多い状況にあります。熱中症は適切な予防をすれば防ぐことができます。一人一人が熱中症に気をつけ、涼しくなっても、急に暑くなったときや湿度が高いときなど、油断せず適切な対応をとりましょう。
<目次>
・熱中症警戒アラート・熱中症特別警戒アラートの発表状況
・熱中症予防のための行動
・熱中症の症状とは
・熱中症が疑われたときの応急処置
熱中症警戒アラート・熱中症特別警戒アラートの発表状況
「熱中症警戒アラート」は、熱中症の危険性が極めて高くなると予測された際に、危険な暑さへの注意を呼びかけ、熱中症予防行動をとっていただくよう促すための情報です。令和6年4月から熱中症警戒アラートの一段上の「熱中症特別警戒アラート」が新たに創設されました。過去に例のない危険な暑さが予測され、健康に係る重大な被害が生じる恐れがあります。
事前に登録いただくことで、LINEやメールにて情報を受け取ることができます。
環境省 熱中症警戒アラート・熱中症特別警戒アラートの発表状況(全国)<外部リンク>
環境省 熱中症警戒アラート・熱中症特別警戒アラートの発表状況(新潟県)<外部リンク>
発表の基準
発表には、熱中症との相関が高い「暑さ指数」が用いられます。
「熱中症警戒アラート」は暑さ指数の値が33以上と予測される日の前日17時または当日5時に、
「熱中症特別警戒アラート」は暑さ指数の値が35以上と予測される日の前日14時に都道府県ごとに発表されます。
熱中症警戒アラート・熱中症特別警戒アラートが発表されたら…
・まずは、エアコン等を使用し、涼しい環境で過ごしましょう。
・その上で、こまめな休憩や水分補給・塩分補給をしましょう。
・高齢者、乳幼児等の方は熱中症にかかりやすいので特に注意し、周囲の方も声かけをしましょう。
・暑さ指数を確認した上で、涼しい環境以外では、原則運動は行わない等の対策をしましょう。
熱中症予防のための行動
1 暑さを避けましょう
・エアコンを利用するなど、室温28度を目安に部屋の温度を調整しましょう。
・暑い日は無理な外出をしないようにし、予定を調整しましょう。
・首やわきの風通しのよい涼しい服装や、吸湿・速乾性のある素材の服装にし、日傘や帽子で直射日光を避けましょう。
・急に暑くなった日は特に注意しましょう。
・子どもを絶対に自動車内に取り残さないこと、またベビーカーは地面からの熱にさらされるのでこまめに様子をみましょう。
2 こまめに水分補給しましょう
・のどが渇く前に水分補給をしましょう。
・水分は、三食の食事のほかに、1日あたり1.2リットル必要です。(運動などで発汗量が多いときはもっと必要です)
・大量に汗をかいた時は塩分も取りましょう。(水1リットルに食塩1~2グラムを溶かすのが目安です)
3 日頃から健康管理をしましょう
・睡眠不足は熱中症のリスクを高めます。暑い部屋だと身体は体温調節を優先するため、覚醒して、眠りにくくなります。快適に眠れる室温の上限は28度です。
・食事抜きも熱中症のリスクを高めます。三食でしっかりと水分・塩分・栄養を取りましょう。
・熱中症にかかりやすい条件の人は十分気をつけましょう。(例:発熱や下痢や過度のアルコール摂取などで脱水状態の時、高血圧症など自律神経や循環機能に影響を与える薬を飲んでいる人、小児や高齢者、肥満の人など)
4 暑さに備えた体づくりをしましょう
・暑くなり始めの時期から、適度に体を暑さに慣らしましょう。これを暑熱順化といい、「やや暑い環境」で「ややきつい」と感じる運動を毎日30分程度継続します。開始から数日後から順化がはじまり、2週間程度で完成します。すると循環血液が増加し汗のかきはじめも早まり、効果的な体温調節ができるようになります。
5 急に暑くなる日・続く暑さに注意しましょう
・暑くなり始めの日、厳しい暑さが続くとき、熱帯夜の翌日など、より注意してください。
6 声をかけあい、協力して見守っていきましょう
・近所の高齢者や子ども、屋外で長時間作業をしている人、夏でも厚着をしている人、一人暮らしの人などに、ひと声かけて、熱中症予防を促してください。
・団体行動の場合は、参加者の体調に随時注意を払うとともに、無理をさせず、こまめな休憩や水分補給等を取り入れてください。
熱中症の症状とは
熱中症の症状は、次のとおりです。
こんな症状があったら、熱中症を疑ってください。
軽度の症状(現場での応急処置で対応できる)
めまい、立ちくらみ、筋肉痛、汗がとまらない
中等度の症状(病院への搬送が必要)
頭痛、吐き気、体がだるい(倦怠感)、虚脱感
重度の症状(入院して集中治療の必要性がある)
意識がない、けいれん、高い体温である、呼びかけに対して返事がおかしい、まっすぐに歩けない・走れない
熱中症が疑われたときの応急処置
熱中症が疑われた時には、死に直面した緊急事態であることをまず認識しなければなりません。重症の場合は救急隊を呼ぶことと同時に、現場ですぐに体を冷やし始めることが大事です。
1 涼しい環境への避難
風通しのよい日陰や、できればクーラーが効いている室内などに避難させましょう。
2 脱衣と冷却衣
服を脱がせて、体から熱の放散を助けます。皮膚に水をかけて、うちわや扇風機などで扇ぎ、体を冷やします。体温の冷却はできるだけ早く行う必要があります。重症者を救命できるかどうかは、いかに早く体温を下げることができるかにかかっています。
3 水分・塩分の補給
冷たい飲み物を飲ませます。冷たい飲み物は、胃の表面で熱を奪います。
大量の発汗があった場合には、汗で失われた塩分も適切に補えるスポーツドリンクなどが最適ですが、食塩水(1リットルに1~2グラムの食塩を入れたもの)でもよいです。
呼びかけや刺激に対する反応がおかしいなど意識障害がある場合には、窒息する危険があること等から、口から飲ませることはやめましょう。
4 医療機関へ運ぶ
自力で水分の摂取ができないときは、緊急で医療機関に搬送しましょう。