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令和6年度:定期監査等結果

記事ID:0069490 更新日:2025年3月28日更新 印刷ページ表示

本ページの目次


地方自治法第199条第4項及び同条第2項の規定に基づき、定期監査並びに行政監査を実施したので、同条第9項の規定により、その結果を公表します。

佐監公表第4号
令和7年3月26日
佐渡市監査委員  渡部 直樹
佐渡市監査委員  山本  卓

監査の期間

令和6年4月24日から令和7年3月26日まで

監査委員の氏名

渡部 直樹
山本  卓

監査の対象部署

総務部総務課、同デジタル政策室、企画部秘書広報課、財務部財産管理課、市民生活部市民課、同税務課、社会福祉部子ども若者課、同高齢福祉課介護老人保健施設すこやか両津、地域振興部移住交流推進課、農林水産部農業政策課、観光振興部世界遺産推進課、同文化財室、同交通政策課、同空港整備対策室、建設部建設課、会計課、選挙管理委員会事務局、両津支所、新穂行政サービスセンター、教育委員会社会教育課、同ジオパーク推進室、同東教育事務所、同中央図書館、消防本部、中央消防署、両津消防署

監査の対象範囲

 令和5年度を対象に、財務等に関する事務事業から抽出し、必要に応じて令和6年度の事務事業を対象とした。支所・行政サービスセンター等の出先施設は、現金の取扱いを重点に実施した。

監査の方法及び着眼点

 佐渡市監査基準に基づき、財務等に関する事務執行が、法令等の定めるところにより適正に行われているか(合規性)を基本とし、事務事業の経済性、効率性、有効性の観点から監査を実施した。
 監査に当たっては、関係書類等を調査するとともに、関係職員等から説明を聴取した。
 監査の着眼点は次のとおりである。

  1. 収入事務
    ​収入に係る手続及び時期は適正か
  2. 支出事務
    ​違法、不当又は不経済な支出はないか
  3. 契約事務
    ​契約に係る手続及び契約内容は適正か
  4. 補助金等交付事務
    ​補助金等交付に係る手続及び内容は適正か
  5. 財産管理事務
    ​公有財産、現金及び有価証券等の管理は適正に行われているか
  6. その他
    ​上記以外の行政事務は適切に行われているか

 

監査の結果

 監査の結果、事務事業はおおむね適正に執行されていたが、次の事項について改善の必要があると認められた。今後、チェック機能の徹底化を図るなど必要な措置を講じ、適正な事務執行に努められたい。

勧告事項

地域振興部 移住交流推進課

  1. 補助金等交付事務について
    ​ 佐渡市進出企業定着・地域活性化支援事業補助金について、当該補助金は、国のデジタル田園都市国家構想交付金のデジタル実装タイプの地方創生テレワーク型の進出企業定着・地域活性化支援事業による補助金であり、上限3,000万円のうち、国が4分の3、市が4分の1を負担しているものである。国の制度では、進出企業と地元企業等により地域資源を活用し、地域活性化に資するような取組について支援することとされており、支援対象事業の推進体制は、1者以上の進出企業と1者以上の地元企業等が参画していることとされている。
     佐渡市においては、佐渡市進出企業定着・地域活性化支援事業補助金交付要綱により、申請者の要件を「デジ田交付金を活用したサテライトオフィス等への進出企業であること」としているが、補助対象経費の領収書の宛名に地元企業の名前が記載されたものが散見され、施設整備等に要する経費を地元企業が支出している事例が見られた。佐渡市では申請者を進出企業に限定しており、地元企業が負担した経費を補助対象経費と認めることは、要綱上不適切である。さらに、申請者の適格性に抵触すると認められる者を補助対象者としている事例が見られた。補助金は公益上必要な場合に交付されるものであることから、厳格に取り扱われたい。

​​指摘事項

総務部 総務課・同デジタル政策室

  1. 契約事務について
     法律顧問業務委託の事務手続において、歳出執行伺(見積依頼)の決裁が完了する前に見積書提出の通知を行っていた。また、個別案件の業務委託において、歳出執行伺(見積依頼)を行っていなかった。事務の形骸化が見られることから、適正な事務執行に努められたい。
  2. 補助金等交付事務について
     ​姉妹都市等交流事業補助金の事務手続において、補助対象経費の領収書の宛名に申請者以外の名前が記載されたものが散見された。領収書は補助金の使用実績等を証明する根拠資料の一部であるため、厳正な事務手続に努められたい。

企画部 秘書広報課

  1. 収入事務について
     広報紙広告掲載料について、納入期限を経過しているにもかかわらず、財務規則に規定する督促の手続を行っていなかった。規則に則った適正な事務執行に努められたい。​

財務部 財産管理課

  1.  財産管理事務について
    (1) 行政財産目的外使用許可の使用料の事務手続において、佐渡市行政財産目的外使用条例第6条では「使用料は、土地及びその他のものについては年払、建物については月払とする。ただし、市長が必要と認めるときは、分割し、又はまとめて納めさせることができる。」と規定されている。しかしながら、建物について年払として事務処理をしているものにおいて、同条ただし書に基づく市長の決裁を受けるべきところ、決裁を受けていない事例が見られた。条例の規定に基づき、適正に事務を執行されたい。
    (2) 土地建物賃貸の貸付料の事務手続において、納入期限の猶予を債務者との口頭による協議により決定していたが、財務規則に規定する履行延期の特約等の手続に基づく債務者からの書面による申請を行わせていなかった。規則に則った適正な事務執行に努められたい。
    ​(3)​ 市有財産売払いの事務手続において、普通財産の売却は原則競争入札に付すべきところ、普通財産売払事務取扱要領第4条第1項第3号の「建物を所有する目的で有償貸付けを行った普通財産上に現に建物が存在する場合に当該建物の所有者に対して売払うとき」及び同項第5号の「現に10年以上貸し付けている普通財産について、当該普通財産の借受人に売払うとき」に該当するとして、財務規則第142条第3項第2号の競争入札に適さないものであるとし、随意契約により売却していたが、当該土地の借受人及び建物の所有者は法人であったにもかかわらず、法人の役員に対して売却をしている事例が見られた。要件に合致せず不適切である。契約手続は厳正に取り扱われたい。

社会福祉部 子ども若者課

  1. 収入事務について
    ​ 年額の行政財産目的外使用料は、年度当初に調定し4月末日を納期限として納入通知書を発行すべきところ、納期限については財務規則どおりに行っていなかった。規則に則った適正な事務執行に努められたい。
  2. 補助金等交付事務について
     医療・介護・福祉の人材育成及び確保事業補助金(定着支援事業(住宅支援))において、実績を確認してから補助金確定通知を行うべきところ、補助金交付決定兼額確定通知書により通知を行い、実績を確認することなく額の確定を行っている事例が見られた。事務の形骸化が見られることから、厳正な事務手続に努められたい。また、実績確認の資料として家賃支払額確認資料(通帳の写し等)が提出されているが、交付要綱には実績報告についての規定がない。佐渡市補助金等交付規準において、実績報告書等の補助事業等の成果を調査、確認できる事項を交付要綱で定めるように通達されていることから、補助金等交付規準に従い要綱を改正されたい。

農林水産部 農業政策課

  1. 補助金等交付事務について
    (1) 畜産振興事業補助金の事務手続において、補助金交付要綱第7条第1項の規定により補助金交付申請書の添付書類として納税証明書が必要であるところ、実績報告書の提出後に納税証明書が提出されている事例が見られた。交付要綱に則った適正な事務執行に努められたい。
    ​(2) 畜産振興事業補助金の事務手続において、国の補助金を受給している場合は、事業費から国の補助額を差し引いて市の補助金を算定すべきところ、国の補助対象を過少計上したため、結果的に市の補助金が過払いとなっている事例が見られた。書類の確認不足が原因であり、適正な事務執行に努められたい。
    ​(3) 佐渡産パワーアップ事業補助金の事務手続において、交付確定額を実績報告に基づいて、交付決定額を上回る額で認めている事例が見られた。交付申請を審査した上で補助金交付額を決定していることから、交付決定額を上回ることはない。補助金は公益上必要な場合に交付されるものであるので、厳格に取り扱われたい。

観光振興部 世界遺産推進課・同文化財室

  1. 収入事務について
    ​ 年額の行政財産目的外使用料は、年度当初に調定し4月末日を納期限として納入通知書を発行すべきところ、納期限については財務規則どおりに行っていなかった。規則に則った適正な事務執行に努められたい。
  2. 補助金等交付事務について
    ​ 重要文化的景観整備事業補助金の事務手続において、補助事業の内容の軽微な変更をするときは、補助金交付要綱第12条第3項の規定に基づき計画変更届出書の提出が必要となっているところ、当該届出書の提出がないまま実績報告書により変更を認めていた。交付要綱に則った適正な事務執行に努められたい。
  3. 財産管理事務について
    ​(1) 普通財産の貸付けにおいて、普通財産貸付料算定基準に基づく基準貸付料より低額の貸付料で契約している事例が見られた。地方自治法第237条第2項において、普通地方公共団体の財産は、条例又は議会の議決による場合でなければ、適正な対価なくしてこれを貸し付けてはならないと規定し、また、同法第96条第1項第6号において、条例で定める場合を除くほか、財産を適正な対価なくして貸し付けることは議会の議決事件と規定している。当該貸付けは、議会の議決を経ておらず、また、佐渡市財産の交換、譲与、無償貸付等に関する条例第4条に規定する時価よりも低い価額で貸し付けることができる要件に該当しないことから、不適切な処理である。
    ​(2) 新潟県佐渡地域振興局に対し、職員駐車場として行政財産の目的外使用を許可しているが、使用料については、佐渡市行政財産目的外使用条例に規定する「国又は地方公共団体が、公用又は公共用に使用するとき」に該当するとして、使用料を免除していた。職員駐車場は、条例に規定する公用又は公共用には該当しないものであり、議会議決により免除したものでもないことから、適正に取り扱われたい。

建設部 建設課

  1. 契約事務について(支所・行政サービスセンター所管)
    ​(1) 河川・海岸清掃委託の委託業務検査において、仕様書で報告事項とされている履行届及び業務実績書が未提出のまま検査調書を作成していた。事務の形骸化が見られることから、適正な事務執行に努められたい。
    (2) 河川・海岸清掃委託の事務手続において、通常の執行伺等によらず、一覧表の回覧によって契約締結や検査の報告等の事務処理を行っている事例が見られた。事務の形骸化が見られることから、適正な事務執行に努められたい。
    (3) 港湾施設維持管理委託の随意契約において、事業者から提出された見積金額のうち事務費分を消費税額と誤認し、予定価格の設定額及び随意契約調書の金額を誤記入していた。契約手続について慎重に扱われたい。

選挙管理委員会事務局

  1. 契約事務について
    ​ 新潟県議会議員一般選挙ポスター掲示場の撤去業務委託において、予定価格が50万円を超えているにもかかわらず、財務規則第142条第3項第1号を根拠に随意契約を締結していた。規則に則った適正な契約事務の執行に努められたい。

新穂行政サービスセンター

  1. 財産管理事務について
     ​窓口での市税等の公金受領において、現金出納簿と金融機関へ報告する公金領収済通知書が不一致となっており、現金出納簿の記載漏れであることが判明した。日々帳簿残高と現金残高の確認を行っていないことが原因であることから、公金の取扱いは慎重に行われたい。

教育委員会 社会教育課・同ジオパーク推進室

  1. 補助金等交付事務について
    (1) 青少年育成事業補助金の事務手続において、補助金交付申請書を提出する前に支払をしていた安全共済会加入金及び消耗品を補助対象経費として認めていた。交付要綱に則った適正な事務執行に努められたい。
    (2) 青少年育成事業補助金の事務手続において、実績報告等は完了の日から起算して20日以内又は3月31日のいずれか早い日までに報告しなければならないところ、期日を超過して提出されているものが見られた。交付要綱に則った適正な事務執行に努められたい。
    (3) 青少年育成事業補助金の事務手続において、補助事業の内容の変更(軽微なものを除く)をするとき又は補助対象費用の費目の合計の10分の2を超えて流用するときは、変更承認申請書又は計画変更届出書の提出が必要となっているところ、当該申請書等の提出がないまま実績報告書により変更を認めていた。交付要綱に則った適正な事務執行に努められたい。
  2. 財産管理事務について
     ​体育施設目的外使用料について、調定票の金額を誤入力し、過大徴収していた。適正な事務執行に努められたい。

検討事項

農林水産部 農業政策課

  1. 業務委託について
     佐渡産ブランド構築事業において、委託料に価格補てんを含めたもの、デザイン制作やメニュー開発を委託しておきながら、その成果が佐渡市に帰属していない事例が見られた。実質的には補助金と認めざるを得ないことから、業務委託の取扱いについて厳格に取り扱われたい。

監査委員の意見

補助金等の交付事務について

 監査の結果で述べたとおり、令和6年度の定期監査を含め、近年監査を実施する中で、補助金等交付事務については、交付要綱・要領に基づいた事務執行がなされておらず、合規性を著しく欠く不適正な事例が散見された。
 これは、自ら定めた交付要綱等に沿った交付事務手続が行われていないことであり、補助金の交付事務自体が形骸化していると言わざるを得ない。
 更に、交付要綱において、補助対象者の要件として「市税の滞納者」でないことが規定されているが、補助事業者が補助金の交付決定通知書を受領しているにもかかわらず、その後、佐渡市長に対して「法人市民税設立・設置・異動等申告書」及び「法人市民税申告書」を提出していない事例が散見され、補助金を交付するときにおいて、佐渡市に納税の義務を果たしていない事業者に対して補助金を支出していることに、驚きを隠せない。
 また、補助対象経費に関する取扱いについても、補助対象経費に係る領収書の宛名が補助事業者名でないものを認めている事例が散見され、当該補助対象経費の支出を補助対象者が負担しているか明らかでないものについても、補助対象経費として認めている事例が散見された。
 このような事業者に対して補助金を支出している事実を踏まえ、佐渡市が条例、規則及び要綱等において、どのような規定を定めるべきか、適正な事務執行をするために何をすべきか、今一度考えるべきである。

業務委託について

 委託業務の内容を確認すると、仕事の成果物・役務の提供が発注者である佐渡市に帰属していないことから、受託者に対して補助金として支出すべきところ、安易に業務委託として発注している事業が散見された。
 何を目的に業務委託を行うのか、それが佐渡市の業務なのかを十分検討し事業執行に当たられたい。

むすび

 監査の結果から、過去の監査で指摘したものと類似した事項も見受けられ、不適正な事務処理が繰り返されていることは、ガバナンスの機能不全と言わざるを得ない。
 事務の根拠となる法令、要綱等並びに公金等の取扱いや事務処理マニュアルの確認を各部署内で徹底するとともに、管理監督者による処理状況の確認を徹底することにより、不適正な事務処理が未然に防止されることを強く望むものである。