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平成28年度:教育行政方針

記事ID:0001392 更新日:2021年3月1日更新 印刷ページ表示

本ページの目次

はじめに

平成28年第2回佐渡市議会定例会の開会に当たり、佐渡市教育委員会所管に関する教育行政方針について申し上げます。

少子高齢化が進行する中、地方創生の柱として人材育成が重要視されています。

佐渡市まち・ひと・しごと創生総合戦略」においても「本市における地方創生のためには、"佐渡の未来を担う人づくり"が最重要事項である」と謳われています。

本市では、平成27年の教育委員会制度改革に伴い、総合教育会議において、「佐渡市教育大綱」を策定しました。そして、この大綱の理念を具現化するため、平成28年度末までに『佐渡市教育振興基本計画』を定めます。

したがいまして、平成28年度の教育行政は、新計画実施までの移行期間と位置付けます。

策定された教育大綱の基本理念「明日の佐渡を創る人、世界に羽ばたく人の育成:一人一人の自己実現を目指した教育の推進」や3つの基本方針のもと、6つの基本目標に沿って、学校教育、社会教育、家庭教育・地域教育を推進します。

具体的な施策については、これまでの教育行政の中核であった「佐渡市学校教育基本構想」「佐渡市生涯学習推進計画」の成果と課題を踏まえながら進めていきます。

1 学ぶ意欲を高め確かな学力等を育成する教育の推進

学力の向上については、全国学力・学習状況調査結果における児童生徒の学力実態は、小学生は全国平均とほぼ同程度で、中学生は全国平均には達していませんが徐々に全国平均に近づきつつあります。平成28年度も、学力実態調査の分析とそれに基づく研修会の開催や、指導主事による学校支援訪問に力を入れ、各学校の課題に応じた学力向上が実現するよう指導・支援を行います。平成27年度から、特に課題のある中学校数学について、担当指導者の授業力向上を目指した研修の1つとして「数学学力向上プロジェクト」の取組を始めました。平成28年度も引き続きこの事業を継続します。また、数学と同様に学力に課題のある英語についても平成28年度から「英語力向上プロジェクト」を新規事業として実施し、英語担当指導者の授業力の向上に努めます。

豊かな心、社会性の育成の面では、道徳教育において、小学校では平成30年度、中学校では平成31年度から全面実施となる「特別の教科 道徳」へのスムーズな移行を目指して、考え・議論する道徳授業について教員研修を進めます。また、平成27年度から始めたあいさつ運動を引き続き行います。毎月初めに学校教育課職員が各学校を訪問し、PTAや地域住民とも連携しながらあいさつ運動を展開します。この活動を通して、子どもから大人まで明るいあいさつが響き合う島づくりを目指します。

健康増進・体力向上については、毎年実施している体力テスト結果から児童生徒の体力課題を明らかにし、バランスのとれた体力向上に取り組みます。また、食育を通して、児童生徒が望ましい食習慣を身に付けられるようにするとともに、地産地消を一層推進しながら安全な学校給食の提供に努めます。

特別支援教育では、障がいのある幼児・児童・生徒それぞれの教育的ニーズを把握し、適切かつ必要な指導・支援をより一層進めるため、介助員を増員します。また、「個別の教育支援計画」の作成を進め、一人一人の将来設計を見据えた教育の充実に努めます。

幼児教育では、幼児の発達段階を踏まえ、様々な人々との交流や体験を通して、人間形成の基礎を培う教育の推進に努めます。また、小学校への円滑な接続ができるよう、幼稚園・保育園と小学校及び関係機関と連携を密にしながら適切な就学支援を行います。また、保護者の負担軽減のため、幼稚園授業料の減免額を拡大し、小学校3年生以下の児童の2人目以降の弟・妹の幼稚園授業料については無料化します。

なお、教育の機会均等を一層推進するため、現在の佐渡市奨学金制度に代わる、新たな就学支援制度を構築します。

2 郷土愛を軸にしたキャリア教育の推進

キャリア教育では、佐渡の未来を担う人づくりを目指して、夢と誇りをもって自立する児童生徒の育成を推進します。そのために、佐渡を知り、愛し、誇りに思えるよう、引き続き佐渡の豊かな自然と固有の文化・歴史・芸能を学ぶ「佐渡学」の充実に努めます。さらには、平成27年度に策定した「佐渡市学校教育におけるキャリア教育のグランドデザイン」に基づき、佐渡の素晴らしさや課題及び地域産業についての理解を深める教育活動を、幼児から高等学校まで連続して取り組めるよう努めます。平成28年度は、キャリア教育の研究校を中学校2校に増やし、内容の充実を図るとともに、小・中学校向けの「キャリア教育プログラム」を完成させ、授業で使える具体的な実践事例を紹介できるよう取り組みます。なお、小学校6年生については、新たに作成したキャリア教育用教材「みらいずノート」で、自分と佐渡の未来を考える学習を実施します。

3 安全・安心な学校づくり

安全な学校づくりのため、学校施設の環境整備を計画的に進めます。大規模なものとしては、相川小学校グラウンド・プールの改修、高千小学校の校舎外壁改修、学校統合に伴う河崎小学校の校舎等改修を行います。

安心な学校づくりでは、生徒指導体制の充実に努めます。中でも、本市の喫緊の課題である不登校児童生徒への対応について、重点的に取り組みます。新たな不登校児童生徒を生み出さないため、本市共通の「心の健康チェック」アンケートを、小中連携校を除くすべての学校で実施します。集計・分析に担当指導主事も積極的に関わることで、不登校傾向を示す児童生徒の早期発見と即時対応に努めます。小中連携校については、極小規模校という特徴に合わせ、見取りや教育相談といった方法でチェックします。また、現在不登校となっている児童生徒へも適切な施策を行うため、適応指導教室、不登校訪問指導員等の活用を促進するとともに、関係機関との連携をより一層強化します。

いじめについては、各校が「佐渡市いじめ防止基本方針」に基づき、確かな校内体制のもと適切な対応が図られているかを点検・指導するとともに、いじめ防止啓発ポスターを作成し、いじめを許さないという意識の醸成や、人権感覚の育成を目指します。

4 高等教育・研究機関との連携の強化

市内の研究機関や大学の施設・人材を、小・中学校の学習により一層活用するため、総合教育センターや理科教育センターにおいて活用方法についての研修を行います。上越教育大学と連携協力を図り、テレビ会議システムによる教員研修を実施します。また、児童生徒が、大学や大学生との交流ができるような体制づくりを進めていきます。平成28年度はグローバル人材育成を推進するため、高等学校と連携し、南魚沼市の国際大学の学生やAfs日本協会の留学生を受け入れます。

5 一人一人が学び続ける生涯学習の充実

支え合う人づくりとしては、地区公民館を地域の活動拠点として、運動会や芸能祭を始めとする活動を地区公民館事業活性化支援隊を活用し、人と人とのつながりによる地域の活性化や担い手となる人材の育成を目指します。

地域の資源を活用した学びの充実を図るため、博物館・資料館については、収蔵されている佐渡を中心とした歴史・芸術・民俗・産業・自然科学等に関する資料を活用し、子どもたちや市民が見て、触れて、楽しみながら郷土を学ぶ機会を提供します。

佐渡ジオパークについては世界文化遺産とGIAHSの取組と連携しながら、持続可能な地域づくりを目指します。そのために、平成28年度も引き続きガイドの育成やジオサイト整備等に努めます。また、本年の7月には県内3地域のジオパークを世界に発信するため、新潟市を会場に「ジオパーク新潟国際フォーラム」を開催します。このイベントを通して、佐渡のジオパークの充実を図ります。

生涯学習の環境づくりとしては、「誰もが、いつでも、どこでも」学ぶことができるよう、家庭教育学級や高齢者学級、市民大学講座など市民のニーズに沿った講座を積極的に開設し、生涯学習の機会を提供します。また、その成果を発表する場として、地域で芸能祭や文化祭、生涯学習フェスティバルを開催し、学習活動の普及・啓発を図ります。

文化振興として、図書館運営では、郷土資料や暮らしに役立つ図書を増冊するとともに、分散して管理している重要書籍の整理をさらに進めます。また、文化会館では市民の教養を高め、豊かな情操を育むため教育講演会や音楽・演劇等の公演を実施します。

スポーツの振興については、佐渡市総合体育館を活用した市内大会の開催はもとより、全国・全県規模の大会及び合宿の誘致に努め、スポーツ交流による市民への普及や競技力の向上、更には地域経済の活性化につなげ、スポーツの島としての認知度を高めます。また、市民スポーツの振興を推進するため、ニュースポーツの普及を図るとともに、一般財団法人佐渡市スポーツ協会と連携・協力をし、総合型地域コミュニティクラブの立上げに取り組みます。

6 家庭教育・地域教育充実のための取組の推進

家庭や地域の教育力向上については、保護者・地域住民と協力しながら進めていきます。各地区では、子育ての不安や悩みを共有しながら子育てを学ぶ「子育ち親育ち学級」の開催をはじめとして、親子の絆を深めるため親子で料理やニュースポーツを体験する「親子ふれあい教室」を実施します。また、各地区青少年健全育成協議会や佐渡市小中学校PTA連合会、佐渡市子ども会連絡協議会などの関係団体が行う家庭教育講演会などの事業開催を支援します。

全国的にも課題となっている、ゲーム機・スマートフォンに関わる問題については、平成27年度に小中学校PTA連合会と協力して、本市としての利用ルールを定めました。平成28年度は学校と家庭が連携し、この利用ルールが各家庭に普及する取組を進めます。

地域との連携については、現在一部の学校で取組を始めている「学校支援地域本部事業」や「放課後子ども教室」を拡充させるとともに、コミュニティ・スクール設置について検討を始めます。

おわりに

本市の教育の充実・発展のためには、「佐渡市教育大綱」の理念に基づき、学校、家庭、地域が連携し、課題を共有しながら、教育の質の向上に努めることが重要です。

議員並びに市民の皆さまのご理解とご協力をお願い申し上げまして、平成28年度の教育行政方針といたします。

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