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佐渡市景観審議会(平成26年度 第2回)の議事録など

記事ID:0002066 更新日:2021年3月1日更新 印刷ページ表示

本ページの目次

日時・場所・出席者

日時

平成26年12月2日(火曜日)、午前10時〜11時15分

場所

市役所 本庁舎 3階 大会議室

出席者

佐渡市景観審議委員

会長
  • 高橋 保(有識者)
委員
  • 本間 友子(一般市民)
  • 森 恵子(一般市民)
  • 知本 チサ(一般市民)
  • 末武 加奈恵(一般市民)
  • 山本 利雄(一般市民)
  • 計良ミハル(一般市民)
  • 野口 忍(一般市民)
  • 波塚 泰一(関係行政機関 佐渡地域振興局地域整備部計画調整課長)
  • 横山 松美(関係行政機関 佐渡地域振興局農林水産振興部農村計画課長)

欠席者 計良(武)委員、中野委員、濱田委員、長谷川委員

佐渡市役所

  • 建設課職員 4名
  • 世界遺産推進課職員 2名

計16名

審議会次第

  1. 開会
  2. 議事
    1. 相川の文化的景観特別区域指定に伴う景観計画の一部変更について
    2. 世界遺産バッファゾーンについて
  3. その他
  4. 閉会

議事録

開会

建設課長あいさつ

議事

事務局 本日4名の委員が欠席ですが、規則で定めるとおり過半数を超えておりますので、会が成立しますので、これより議事に移りたいと思います。議事の進行については、規則により会長よりお願いしたいと思います。

会長 皆さま、ご苦労様でございます。本日は第2回ということで審議していただくことになりますが、前回の審議の延長上になります。これから(1)の説明をお願いします。

世界遺産推進課から、「(1)相川の文化的景観特別区域指定に伴う景観計画の一部変更について」について説明。

会長 今ほど世界遺産推進課からの説明で何かありましたら。

委員 住民説明会をやったとおっしゃいましたけど、それに対するこの変更点を説明してお話をされたのでしょうか。それに対しての反応とかはいかがでしょうか。

世界遺産推進課 基本的には変更点も含め説明しています。11月17日の業者向け説明会では、相川下町の区域の基準が現在軒高9mということで、3階建てまで建てられるのですが、それを2階建てまでに抑えるということはかなり住民のほうから反発がくるのではないかとか、あるいは3階建てに住みたいという方もいらっしゃるので、その要望をどうするのかといった意見がありました。

それから、住民説明会で上町・下町共通して出た意見ですが、今問題となっている空き家をどうするのかという話がありまして、それについては地域振興課でも空き家バンクなどいろんな制度がありますし、また空き家を活用して何か商売をしたいといった方を募ったり、空き家対策事業をどうするかということを世界遺産に向け一緒に検討していかなければならない事項ということで、住民の方々と一緒に取り組んでいきたいという回答しかできなかったのですが。

委員 あまり土地勘がないので、あの通りというのは京町通りとか寺町とかで理解していたのですが、あの一直線の道を上町というふうに。

世界遺産推進課 京町通りと言ってしまいますと、相川の拘置所から下の京町という町屋の通りだけをさしてしまいまして、もう少し上には新五郎町や大工町といった町が広がっておりますので、そういったところも含めて地元では鉱山と奉行所を結ぶ通りを上町、それ以外を下町と言っています。

会長 大体わかりましたでしょうか。

委員 はい。

委員 何世帯ぐらいあるのでしょうか。

世界遺産推進課 現在、世帯数は200世帯くらいあるのですが、そのうち4割くらいが空き家で、現在住んでいるのが120世帯くらいです。

委員 120世帯。それが上町。

世界遺産推進課 はい。

委員 町場になるともっと。

世界遺産推進課 町場になるともっと増えますね。市の全戸配布の件数でいうと、1000件くらい相川市街地全体であります。

会長 この変更に関わるものについて何かありますか。住民説明会では大体これで了承してもらっているのですか。

世界遺産推進課 そうですね。なかなか説明会を開いても人数が少なかったのもありまして、住民の総意というわけでもないのですが。

委員 一般の人は何人くらい出席されたのですか。

世界遺産推進課 20日の下町は2名。25日の上町は30名くらい。日中と夜の2回開催しました。

委員 あとこの間、寄れっ茶屋みたいなところに行って展望した時に、上町から町場に下りていく坂道とかの素材、コンクリートで坂道をやるのかとか、路肩の側溝とか、そこのところもせっかくだからある程度色彩なり素材を規定するとか、それは建設課の仕事になるのかもしれないけど、市道・県道の路肩のコンクリートの素材なんかをもうちょっと工夫していただいたほうが。

建物の景観基準は設けて、道路の路肩はコンクリート丸出しというのも、ちょっといかがなものかなと。坂道の素材も配慮していただくと。

世界遺産推進課 そのあたりは、ここ4〜5年の間に県と市の開発部局等に年1回工事調査というものを出しておりまして、世界遺産や文化財に関係する工事については、事前協議させてほしいという体制をとっております。その中で、道路についてもガードレールやガードパイプはダークグレーにしてほしいとか、そういった色や素材等について事前協議の中で対応をしているところですので、少しずつ更新されていけば、変わっていくのではないかと考えています。

委員 ここは、県でかなり応援していただいているようですので、集中的に依頼をかけるというのは可能なのでしょうか。

世界遺産推進課 だいぶ工事調査で予定をあげていただいておりますので、その中での対応を徹底していきたいと考えています。ただし、無理に古く見せるということは考えておりません。基本的に相川の町というのは、400年続いた鉱山町で、普通、鉱山町というのは採掘をやめると人がいなくなってゴーストタウンになってしまうのですが、相川は姿を変えて今も町として残っています。その変化自体に価値があると我々はとらえていますので、一律コンクリートをやめましょうという話ではなく、擬木をやめましょうという話はしています。擬木は古くなるとコーティングが剥がれて非常に見た目がよろしくないと思いますし、ガードパイプを作るにしても色やデザインなどでカバーしましょうとか、基本的にはそういうことになります。

会長 まだ変更点についてありますか。駐車場についてはどうですか。

世界遺産推進課 駐車場については、先ほどお答えしなかったのですが、上町の説明会の中で、セットバックして駐車場を前に設けないというのは厳しいのではないかというご意見がありました。それについては、なるべく既にある駐車場を使ってもらうとかそういったことでお願いしたいと考えています。基準になるべく壁面とか連続性に一体した配置にするということで、道路に面して見えるように駐車場を作ってほしくないということで、お願いする事項になっていますので、個別協議の中でやむを得ない場合は必要最小限にするとか、その辺は案件ごとに調整するしかないと考えています。

全国の町並み保存を行っている場所でも、そういった問題があって、地域の方に理解していただいて、駐車場はなるべく通りとは離れた場所に作るとか、そういった事例やいろいろな方々との意見交換などを進めながらご理解していただくような方向で考えています。

会長 一軒当たりの敷地面積が少ないですから、どう利用するか非常に厳しいところがあるかもしれませんが、理解していただくしかないですかね。

委員 高齢化社会になると、駐車場が離れた場所になると厳しいですよね。住めなくなりますよね。

委員 京町の駐車場、崖側の。そこなんか逆にいうと徹底的に駐車場にしたらどうですかね。

世界遺産推進課 あそこは、実は観光客向けの市営駐車場なのですが、観光客以外の方が止めているということがあるようでして、有料化するなどいろいろと検討しているようです。あとは、建物が2階建てであれば1階部分を車庫にしてもらうとか、セットバックしなくてもいいようなやり方もありますので、先進事例を参考にできればと思います。

委員 駐車場のど真ん中にある記念碑を失礼で申し訳ないのですが、場合によっては移したうえで、外壁をやってあげたほうが。あの辺りも一連の雰囲気としてそれなりの外壁を作ってあげたらいいのかなと。

会長 それでは、先ほど説明していただきました一部変更については一旦これで終了して、(2)世界遺産バッファゾーンについての説明を。

世界遺産推進課から、「(2)世界遺産バッファゾーンについて」について説明。

会長 来年あたりに向けて、こういう計画を進めているということで。それで、新穂は今回入っていないのですか。

世界遺産推進課 新穂については、いろいろと調査をしていたのですが、世界遺産推薦書を作成する中で近年世界遺産の審査が非常に厳しくなっておりまして、いろいろなコンセプトを考えていたのですが、その中で日本の場合は既に石見銀山が登録されていて、やはり石見との差別化を図らなければいけないだろうということで、金を中心にというコンセプトに今回はしました。

相川は当然入るのですが、鉱石から金を採っていた相川、それから砂金から金を採っていた西三川の砂金山、鶴子銀山については鶴子を掘っていた山師が相川を見つけた歴史的なつながりですとか、技術的な連続性もあるということで、鶴子は銀山ですが含めると。あくまでも世界遺産登録に向けた戦略上の判断。決して文化財としての価値がどうこうという話ではございません。それで新穂銀山も佐渡を代表する銀山ですし、文化財的な価値は非常に高いと考えておりますが、世界遺産の構成資産からは今回は含めないことにしたのですが、国の史跡としての価値はあると我々は考えておりますので、今後は国の史跡指定に向けた調査、それから指定に向けた作業というものを進めていく予定でおります。

会長 (2)の今の説明も含めて何かご質問・ご意見がありましたら。

委員 今ほどバッファゾーンの説明の中で、色の薄いところはちょうど景観計画の農漁村及び森林区域にするという話がありましたが、相川地区をみるとバッファゾーンで示された範囲が赤で囲んだ区域よりだいぶ広いのですが、今後広げていくということでしょうか。

世界遺産推進課 今回の重要文化的景観の文化財指定の範囲は赤で終わりになるのですが、今後、緑色の農漁村及び森林区域の基準をさらに外へ広げていく予定です。相川は重要文化的景観と景観計画の特別区域という規制が二重に掛かっていますが、鶴子は景観計画の特別区域のみということで差が出てきます。ちょっとややこしいのですが、そういった考えになります。

会長 何かご意見ありませんか。せっかくの機会ですので。

事務局 この後のスケジュールの中で、住民説明会の出席者が下町は2名程度ということで地区に十分な周知が必要になってくるわけですが、予定の中でパブコメ等もあり、本日の会議での審議内容とかそういったものについて十分住民に周知が必要になってくると考えるのですが、そういったことはやるわけですよね、このあとに。

世界遺産推進課 先ほど申し上げませんでしたが、上町については一軒一軒ローラー作戦で全戸回っています。うちの職員が2名がかりで120軒くらいあるのですが、夏に1回、これからもう1回、回ることになっておりますので、この地区については少なくとも住んでいる方には十分周知できていると理解しております。下町については、これから考えます。

事務局 それを踏まえてローラー作戦をやって、いろいろまた新たに意見等出てくる中で、最終的に先ほど世界遺産推進課で言ったように、国や県の機関等からいろんな意見が出てくるでしょうし、その場合はもう一度最終的にこの内容が変更になるときには、本年度中に景観審議会の開催が必要になってくるわけですよね。

世界遺産推進課 そうですね。

事務局 ということですので皆さんよろしくお願いします。

委員 申し訳ないのですが、バッファゾーンのところにどういった制限がかかるのですか。

世界遺産推進課 バッファゾーンについては、基本的には農漁村及び森林区域という基準をそのまま適用というかたちになります。さらに公共事業につきましては、年1回の工事調査の中で事前協議対象の範囲ということになります。そのあたりも、今後、県が主催する世界遺産の学術委員会、それから文化庁や専門家の先生方等のご意見を含めてですが、この基準で世界遺産を守っていけるのかというところの審査も今後入ってきますので、そういったところで必要があればまた更に基準を追加・検討するということもありますが、基本的には最近世界遺産になった富士山や平泉については、ほとんど景観条例の中で規制している内容がバッファゾーンになっています。

ほかには自然公園法などの既存の法令がありますので、そういったものでカバーできるのであれば、それで十分でないかと考えています。

委員 相川地区の地権者で、森林等の伐採の項目は周知をしていただかないと、町場で2名くらいだと全然聞いてなかったという話になっても。

事務局 面積が大きいのは届出が必要になります。あとは森林組合の団体なりに周知が必要になってくるかと思います。建設業界、各団体に相川地区については、世界遺産登録の維持管理も含めて周知が必要になってくるかと。

事務局 先ほど委員がおっしゃった伐採の関係ですが、新しい基準ですと面積が300平方メートル以上伐採する場合には届出が必要になります。

会長 周知をして理解していただくということで。

委員 変更点とは直接関係ないかもしれませんが、先ほど空き家の問題が出ましたけど、そこで空き家の中でも廃屋に近い建物の処理、それが取り壊された後の更地になった部分の景観は今後どのように対応していくのでしょうか。

会長 これは以前、景観審議会でも話がありました。

事務局 情報ですが、11月19日に国のほうで「空家等対策の推進に関する特別措置法」が成立しまして、このあと公布日から6か月以内に国から基本的な指針が示されまして、それから市に空き家・廃屋に対する計画の策定が義務付けられます。佐渡市にすれば、このあと官民連携の中で計画の策定をしていきたいと考えています。空き家に対して調査権、所有者に対しての助言・指導が可能になります。最終的にはその空き家を利用して、公共用地に使うことも可能になるかと思います。

環境対策課と従前の空き家の対策については検討していたのですが、先ほど申し上げました法が成立したことで、新たに来年度中にはそれに着手するような方向になるかと思います。

まだ国・県の指針が示されていませんので詳しい説明はできませんが、それをもって佐渡市でも計画の策定はしなければいけない、これは義務になりますから必ずやることになります。

委員 この上町にもこういうところがありますよね。

世界遺産推進課 ありますね。やはり見ていても、地域の方の生活上危険だというものについては取り壊しになるものもあるかもしれません。壊した後、また無理に同じものを建てるということではなく、また、宿根木のようなある一定の時代の建物にそろえて直すということも相川では考えておりませんので、歴史の流れというものがあり、それは古い家もあれば建て替えて新しい家もある、そういった鉱山とともに生きてきた町並みというものを活かして、文化財にしていこうというのが本来の文化的景観の趣旨でありますので、そういうところでいうと、空き家の利用とか撤去した後の空き地の利用とか、地元の人とも相談しながら進めたいと考えています。

会長 ほかに何かありますか。なければ、その他に進めさせていただきます。

その他

パブリックコメントについて説明。

閉会(11時15分)


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