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令和4年6月17日(金曜日)に、国の文化審議会(会長 佐藤 信)が開催され、新穂地区に所在する「新穂銀山跡(にいぼぎんざんあと)」を国史跡佐渡金銀山遺跡へ追加指定するよう、文部科学大臣へ答申をしました。
「新穂銀山跡」は、中世の採掘形態である露頭掘り跡が特徴の文化財であり、この追加指定により、佐渡金銀山遺跡の更なる価値付けがなされたことになります。
なお、正式な指定は、答申後に行われる官報告示をもって今年の秋頃に決定する見込みです。
追加指定となる新穂銀山跡は、新穂地区の大野川ダムと新穂ダムに挟まれる山中に位置する鉱山跡です。
これまでの分布調査により、露頭掘り跡、間歩跡、テラス状遺構、石組遺構、古道など鉱山に関わる遺構が確認され、なかでも創業初期に採用される露頭掘り跡が広範囲に数多く分布していることが判明しました。また、鉱山絵図や図面、古文書等の文献史料のほか、鉱石粉成用の石磨や扣石等が残っています。
中世期の採掘形態である露頭掘りに特化した新穂銀山跡は、戦国時代末期に坑道掘りが導入される以前の佐渡の鉱山形態を知るうえで極めて重要な遺跡であり、今回国史跡への追加指定を図り、万全の保護を期そうとするものです。
新穂銀山跡追加指定範囲(北西から)
尾ノ口道沿いの露頭掘り跡
新穂村瀧沢銀山岡絵図
このたび、国の文化審議会におきまして、「新穂銀山跡」を国史跡佐渡金銀山遺跡に追加指定するとの答申が出されました。
新穂銀山跡は、中世期の採掘形態である露頭掘り跡が広範囲に数多く分布していることが特徴であり、戦国時代末期に坑道掘りが導入される以前の、佐渡の鉱山形態を知るうえで、極めて重要な遺跡であるといえます。
また、周辺には、関連する在地領主の城館跡、鉱山集落跡、古道、寺社などの文化財が点在しており、新穂銀山跡を軸とした地域の歴史を掘り起こし、新たな地域資源としての活用につなげるという点においても、非常に意義のあるものと受けとめております。
佐渡市では、今後とも地元住民との連携を深めながら、地域の宝である文化財の更なる保存活用を進めてまいります。