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指定種別(員数) | 建造物(1棟) |
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指定年月日 | 昭和50年3月29日 平成18年3月13日追加 |
所在地 | 佐渡市長谷 |
所有者または管理者 | 長谷寺 |
棟札の発見により、貞享4年(1687)十八世長秀法印による再建が明らかとなった三間多宝塔である。弥陀・釈迦・大日・薬師・宝生の五智仏を安置することから五智堂とも呼ばれ、中央扁額には「五智殿」と記されている。
頂天に相輪の付いた宝形造銅板葺(旧こけら葺)の建物で、初重は基礎に亀腹、柱は円形、四方に切目縁を巡らし、縁長押、半長押、内法長押を付し、柱上頭貫、台輪、組物は二手先詰組、斗栱間に透彫り彫刻をはめ込む。軒は軒支輪、配付二軒、繁垂木、軒先こけら板軒付で、柱間装置は四方各面とも幣軸構え桟唐戸外開きである。
内部は拭板敷き、内陣平面は円形、柱は円柱8本を立て、柱上に頭貫・台輪、組物は平三斗組、斗栱間に透彫り彫刻があり、天井は鏡天井である。また、二重は円形亀腹、腰組廻縁高欄付で、柱は総円柱、内法長押、台輪を円形に廻し、組物は四手先尾垂木(平二重、隅三重)、軒支輪三段で、薄肉彫りの一枚板、軒は二軒繁垂木、こけら板軒付けである。
古風な内部構成で、透彫り彫刻の極彩色、天井の諸仏の彩画や矢羽根文などの意匠も珍しく、内陣の円形平面に大塔形式を踏襲している点も貴重である。