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指定種別(員数) | 建造物(1棟) |
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指定年月日 | 昭和50年3月29日 |
所在地 | 佐渡市宮川 |
所有者または管理者 | 慶宮寺 |
慶宮寺の前方、台地先端部に建てられている。建物は3間四方(約5.5メートル)の裳階(もこし)付で、屋根は宝形造・桟瓦葺(旧こけら葺)、棟飾りも整えた重層の五間堂である。また、堂内の方形の内陣には八角形の回転式厨子が備わり、厨子は重層で、上層に金輪仏頂を祀り、中に八祖像を安置する。
慶宮寺は、大同2年(807)快空法印による開基と伝わる真言宗の古刹。「慶宮寺」の寺号は承久3年(1221)に佐渡配流となった順徳上皇の第一皇女慶子女王(よしこじょおう)に由来する。この仏堂が中世宮浦城の最先端郭にあたるこの場所にいつ建立されたかは定かでないが、寺の記録によると、文化9年(1812)に祖師堂再建と記されており、現在の建物の建築様式と年代が符合する。
指定の仏堂は全体的に唐様の様式に統一され、細部に絵様、彫刻を付け加え、斗栱(トキョウ)の形式や木割に古風な地方色を残しているなど、江戸時代末期における佐渡の建築技術の水準をよく示している。