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指定種別(員数) | 建造物(1棟) |
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指定年月日 | 平成16年3月1日 |
所在地 | 佐渡市相川米屋町 |
所有者または管理者 | 佐渡市世界遺産推進課 |
佐渡では長らく、佐渡奉行所で一部の公事を取り扱っていたが、明治9年(1876)に設置された新潟地方裁判所第5支所が佐渡初の司法官署として、民事・刑事の両事務を取り扱うことになった。この旧裁判所の建物は、明治21年に建築されたもので、当時は堀をはさんで佐渡奉行所の建物と相対し、その偉容を誇っていた。
裁判所は越後府、新潟府、佐渡県、相川県と時代の推移とともに内部機構に多くの改革変遷があり、昭和44年(1969)には裁判業務全般が旧佐和田町に移管されたが、建物はほぼ当時の状態のまま残された。また、昭和の戦前までは、玄関破風の下に十六菊の紋章が掲げられていたが、この紋章は相川でもこの裁判所と御料局佐渡支庁(国記念物、現相川郷土博物館)だけが許されたものであった。
この建物は現在、佐渡版画村美術館として使用されており、広い庭に残された老松と見事な煉瓦塀とともに、今なお明治・大正・昭和の相川の歴史を静かに物語っている。