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指定種別(員数) | 彫刻(1躯) |
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指定年月日 | 昭和25年8月29日 |
所在地 | 佐渡市二見 |
所有者または管理者 | 龍吟寺 |
承久3年(1221)に佐渡へ配流となった順徳上皇の持仏と伝承されるもので、二見半島の「台ヶ鼻」(県記念物)沖の双股岩に漂着した後、龍吟寺へと伝わった。
制作年代は平安時代初期と推定され、像高35.4cm、本体を一鋳し、右腕の肘から先と台座が別に鋳造されている。天衣・瓔珞(ようらく)・冠帯の飾りも別に鋳造して取り付け、全体に鍍金を施し、大きな宝髻(ほうけい)を結い、やや伏し目で優美な顔は貴公子を思わせる。また、左手は下げ、右手を曲げて掌を前に向け、両腕には三道(苦・感・業)を表す腕釧(わんせん)を付ける。胸飾りや瓔珞(ようらく)を付けた胴体部は少しくびれ、腰をかすかに右にひねり、つま先を開いて立つ異国的な容姿は8世紀前半頃の唐の造形様式を受け継ぐ。
唐の造形様式の影響を残す平安初期の作品であり、歴史的な美術品として貴重である。