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指定種別 | 彫刻 |
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指定年月日 | 平成16年3月1日 |
所在地 | 佐渡市新穂潟上 |
所有者または管理者 | 牛尾神社 |
牛尾神社拝殿の彫刻は、材木にはケヤキ・アテビ・カヤなどがふんだんに用いられ、大胆かつ細やかな彫刻とともに材質の良さも特徴の1つとなっている。
牛尾神社は、延暦11年(792)出雲大社より勧請創建と伝えられる古社であるが、明治32年(1899)の火災で社殿・能舞台などを焼失した後、同34年から6年間かけて再建され、この彫刻も社殿の再建にあわせて同35年から5年間かけて施されたものである。
向拝周りと拝殿正面・側面・後面の扉上の羽目板や組物間に龍、虎、獅子、鯉、亀、鶴、兎などの霊獣や動物類が波や花などと共に多数彫られ、向拝虹梁組物間には順徳上皇の遷御や楠正成親子桜井の別れ、児島高徳桜に詩を彫るなどの物語風の人物彫刻もみられる。
なお、彫刻の作者は、社殿再建の棟梁であった潟上の関口文造をはじめ、三条の半藤逸我、新潟の長谷川吉蔵、沢根の明石近陽など当時の島内外の多数の名工による力作である。彫刻は社殿内部にも部分的に施され、天井の高さを十分に取った社殿においても存在感を示している。