本文
太刀
免許状
指定種別(員数) | 歴史資料(15点) |
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指定年月日 | 平成16年3月1日 |
所在地 | 佐渡市羽茂本郷 |
所有者または管理者 | 個人蔵 |
刀剣類の制作者は羽茂地区羽茂本郷の刀匠氏江元彦で、その内容は大刀(刃わたり73.4cm)・中刀(同54.3cm)・小刀(同32.3cm)・薙刀(同46.8cm)・槍(同31.5cm)の刀剣類5点と免許状などの書跡9点、御用札1点である。
氏江元彦は江戸時代の佐渡における唯一の刀匠である。文政8年(1811)19歳のときに出府し、刀匠の大慶直胤(たいけいなおたね)について刀鍛冶の技を修めた。その後佐渡に帰り、実家の農業と鍛冶業を継ぐが、禁制の頼母子(たのもし=金銭の融通を目的とする互助組織)を始めたかどで天保14年(1843)に国払いとなり、江戸に出た。江戸では農機具店山城屋を開くとともに、刀匠の伊賀守藤原金道(きんみち)について刀鍛冶の技を磨き、禁裏・公儀御用刀鍛冶の免許を受けたとされる。
10年後佐渡に戻った元彦は、再開した鍛冶業の表看板を刀剣鍛冶としたが、実際は改良型湾形稲扱き「羽茂稲扱きせんば」の製造・販売が中心であり、革新的な企業家として島外でも知られるようになった。