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佐渡市指定 民俗文化財:藤波友忠奉納絵馬

記事ID:0005146 更新日:2021年3月1日更新 印刷ページ表示

佐渡市指定 民俗文化財

藤波友忠奉納絵馬(ふじなみともただほうのうえま)

藤波友忠奉納絵馬の画像

指定種別(員数) 有形民俗文化財(1点)
指定年月日 平成16年3月1日
所在地 佐渡市北狄
所有者または管理者 胎蔵寺

相川地区北狄の胎蔵寺にあるこの絵馬は、流人の藤波友忠が赦免を祈願して奉納したもので、裏面には「万治四歳(1660)梅月吉辰」の銘がある。

藤波友忠は伊勢(三重県)の伊勢神宮の祭主であったが、位階昇進をめぐって朝廷と対立し、承応2年(1653)に佐渡へ流罪となった。佐渡では胎蔵寺で11年を過ごした後、寛文5年(1665)に赦免されて京都へ帰った。

この絵馬は縦61cm、横47cm、厚さ1cmほどのスギ材製で、表には山と太陽を背景に、左右の大きい木の根に手綱を結わえられた裸馬が大地を蹴ってもがく様子が蒔絵風に彫刻されており、漆や絵の具で部分的に金色の象嵌(ぞうがん)が施されている。

この絵馬には、「ある年の秋頃、毎夜何処からともなく1頭の裸馬が出て田畑を荒らし、村人の不安を募らせた。思案に余った村人が祭主に相談に行くと、祭主は心当たりがあるといい、奉納した絵馬を持ってこさせ、やおら筆を取ると1匹の放れ馬に口縄を書き添えた。以来、馬が出て田畑を荒らすことがなくなった」という逸話が残されている。