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指定種別(員数) | 有形民俗文化財(1棟) |
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指定年月日 | 平成23年10月1日 |
所在地 | 佐渡市吉岡 |
所有者または管理者 | 總社神社 |
真野地区吉岡の吉岡総社神社は、東西に走る主要地方道両津真野赤泊線から南に伸びる市道西側に位置する。能舞台は社殿に向かって左側、舞台脇正面を社殿に向けて配され、広い見所を備えている。
この舞台は切妻造妻入の桟瓦葺で、軒は一軒平行疎垂木、正面にはトタン葺の庇が付き、間口5.68メートル、奥行4.55メートルの本舞台と奥行1.82メートルの後座からなり、鏡板には松の絵が描かれている。また、舞台南側には奥行3.03メートル程の橋掛りが延び、鏡の間につながっている。舞台天井は後座まで一体の小屋組であった可能性があるが、鏡の間の柱は他の建物からの転用材であると思われる。
建築年代は、舞台に和釘の使用が確認できないことから明治中期頃と推定されるが、数多くの演能記録に加えて西三川派の定能場としての位置付けがあり、近年は鷲流狂言(新潟県指定無形文化財)の定期的な上演舞台にもなっている。さらには、社殿を正面とする舞台配置や地謡座を仮設とする佐渡の能舞台様式も有することから、民俗文化財として貴重である。