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指定種別 | 史跡 |
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指定年月日 | 昭和30年2月9日 平成17年3月25日追加 |
所在地 | 佐渡市羽茂小泊 |
所有者または管理者 | 佐渡市 |
羽茂小泊の海岸段丘上に点在する窯跡群で、大正時代の開田の際に多くの瓦などともに須恵器が発見され、佐渡国分寺へ瓦を供給した瓦陶兼業窯として知られるようになった。窯跡は現在24地点が把握されており、1地点に複数基の窯体が検出されることから、窯体の総数は100基を超えるものと推測される。
これらの窯跡は、昭和29年(1954)に実施されたカメ畑地域の発掘調査により、まず窯体3基が検出され、この内遺存状態の良好な2号窯が翌年県の史跡に指定された。また、平成5年(1993)以降の調査では、下口沢 (2基)・フスベ (4基)・カメ畑 (7基)の各地でも窯体が検出され、同17年にフスベとカメ畑が窯跡群として追加指定された。
なお、小泊産の須恵器には胎土や成形技法に特徴があることから、9世紀中頃から10世紀前半にかけて越後全域に流通していたと思われ、北信越・東北地方の遺跡からも小泊産と思われる須恵器が発見されている。
この窯跡群は、郡や国を単位として流通する古代窯業から広域流通を行う中世窯業への転換期の様相を示し、歴史上重要な意義をもつ遺跡である。