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指定種別 | 史跡 |
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指定年月日 | 昭和47年3月28日 |
所在地 | 佐渡市宿根木 |
所有者または管理者 | 称光寺 |
小木地区宿根木の裏山、通称「岩屋山」の頂にある。名称には石窟とあるが、地形学的には海蝕洞であり、かつては牡蠣の殻が附着していたため、「岩屋洞窟」とも呼ばれている。
洞窟の奥行きは不明であるが、伝説では外海府の岩谷口洞窟(佐渡海府海岸沿い、相川地区と両津地区の境付近)に続いていると伝わる。こうした伝説が神秘性につながり、洞窟内に摩崖仏・八十八仏・観音堂などが次々に築かれ、霊場として信仰を集めた。
また、洞窟内の観音堂は大正時代に現在の様式となったもので、八十八仏は佐渡の羽茂小泊・真野椿尾の石工の作と伝わる。定説ではないものの、摩崖仏は弘法大師(空海)の作と伝わるなど、北陸・東北地方では極めて珍しい由緒をもつ洞窟である。
また、洞窟は地形学的な観点からも注目されており、小木半島で最も規模の大きな琴浦段丘面形成の謎を解く有力な鍵と目されている。