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指定種別 | 天然記念物 |
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指定年月日 | 昭和15年7月12日 |
所在地 | 佐渡市戸中 |
所有者または管理者 | 佐渡市 |
平根崎海岸沿岸の約500メートル区間の、北部と南部の岩盤斜面に見られるおびただしい甌穴は、78個を数え、直径2メートル以上のものが14個、深さは約3メートルに達する。
波蝕甌穴は波浪による岩盤浸蝕現象である。波打ち際の岩盤が強い波浪を受け続けると、波の差し引きによって起こる渦巻きと水中の礫(れき=小石)により岩質の緻密な部分が浸蝕・研磨され、やがて小さな窪みが生じる。この窪みに礫が残ったまま岩盤がさらに波浪を受け続けると、窪みの浸蝕・研磨はさらに早められ、やがて直径数十cmから数メートルに及ぶ巨大なカメ型の窪み「波蝕甌穴」が形成される。
波蝕甌穴は相川の「台ヶ鼻」(県記念物)や「佐渡小木海岸」(国記念物)沿岸にも見られる現象であるが、指定の平根崎のものは佐渡最大の規模を誇っており、日本海の波浪のすさまじい営力を知ることができる。