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指定種別 | 天然記念物 |
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指定年月日 | 昭和31年3月23日 |
所在地 | 佐渡市両津夷 |
所有者または管理者 | 関東財務局 |
このマツは両津湊の佐渡海上保安本署の敷地内に生育し、樹高約16メートル、幹囲約6メートルに達するクロマツの巨木で、幹は地上から数メートルの所で2つの大きな支幹に分かれ、27メートル四方に及ぶ枝張りは独特の傘形をなす。なお、呼称の「村雨」とは、明治34年(1901)に来島した詩人であり小説家の尾崎紅葉が、波のしぶきに濡れるこのマツを見て「村雨に濡れる風情あり」と命名したことに由来する。
また、江戸時代にはこのマツの隣に佐渡奉行所の番所であったことから「御番所の松」とも、また夷の諏訪神社の御旅所があることから「御旅所の松」とも呼ばれている。両津湾と両津橋の近くにあることから海上を航海する船の目標にされ、両津甚句には「松になりたや御番所の松に枯れて落ちても離れやせぬ」と歌われている。
このマツは両津港のシンボルであり、マツとしては全国屈指の巨木として、クロマツのレリック(遺存種)として貴重である。