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指定種別 | 天然記念物 |
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指定年月日 | 昭和38年3月22日 |
所在地 | 佐渡市山田 |
所有者または管理者 | 長福寺、佐渡市 |
佐和田地区山田地内、大佐渡山脈のスカイライン上、大平高原近くの林道の600メートルほど先、海抜560メートル地点に位置している。周囲の地形は小起伏をなし、ブナ・ミズナラの自然林を主とする落葉広葉樹林が池と浮島を取り囲む。新潟県内にはいくつかの深山の天然池があるが、周囲が高木の自然林に囲まれ、浮島が存在するものはこの乙和池だけであり、山の浅い所に存在する点も大変珍しい。
樹林の林床には、高木層にミズナラを優占種とするブナ・ハウチワカエデ・ヤマモミジがあり、その下にハイイヌガヤ、草本層にはミヤマカンスゲが多く見られ、池と周囲の落葉広葉樹林全体では約200種もの植物が確認されている。
また、浮島は面積が約400平方メートル、ノハナショウブ・サヤヌカグサ・エゾミソハギなどの草木群落と2〜3メートルの腐食層からなる。島の中央には「井戸」と呼ばれる穴があり、島が浮揚する役目を果たしているとされる。
なお、乙和池には、池の主の大蛇に見初められて入水した娘「乙和」の伝説が語り継がれており、神秘的な場所としてもよく知られている。