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指定種別 | 天然記念物 |
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指定年月日 | 平成16年3月1日 |
所在地 | 佐渡市沢根 |
所有者または管理者 | 個人蔵 |
この崖は佐和田地区沢根の質場から相川地区二見に至る約2kmの海岸線、通称「一番崖」から「四番崖」と呼ばれる連続した急崖の露頭で、その地層からは貝類化石が多数検出されている。
沢根周辺の地層は研究が進むにつれて層序が何度か書き換えられており、当初は鶴子の貝立と河内付近を含め、鮮新世の沢根層として一括されていたが、昭和40年代から沢根層の下部を河内層、中部を貝立層、上部を質場層と各部を呼び分けるようになり、この崖は現在、鮮新世最上部の質場層に位置付けられ、その模式地とされている。質場層は陸に近い浅い海に堆積した地層であり、寒冷な海流に洗われ、陸水や暖流の影響により、内湾に移行するような環境下で形成されたと考えられている。
沢根の貝立層とともに貝類化石の多産地として全国的に知られている。近年は有孔虫化石・珪藻化石・珪質鞭毛虫類化石についての調査も行われるなど、化石研究において重要な役割を担っており、同一の地層を2kmにわたって追跡できることから、地層堆積の仕組みを研究する上でも重要である。