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指定種別 | 天然記念物及び名勝 |
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指定年月日 | 昭和48年3月29日 |
所在地 | 佐渡市二見 |
所有者または管理者 | 佐渡市 |
相川地区二見の二見半島の東南端に突き出た丘陵先端部の岬である。この岬の東側の岸辺、長さ62メートル、最大幅12メートルの平坦な岩盤上には大小の波蝕甌穴があり、穴は最大のもので直径1.3メートル、深さ1.2メートルの大きさで、満潮時には水面下5cm、干潮時には水面上25cmの状態になる。「波蝕甌穴」は波浪による岩盤浸蝕現象である。波打ち際の岩盤が強い波浪を受け続けると、波の差し引きによって起こる渦巻きと水中の礫(れき=小石)により岩質の緻密な部分が浸蝕・研磨され、やがて小さな窪みが生じる。この窪みに礫が残ったまま岩盤がさらに波浪を受け続けると、窪みの浸蝕・研磨はさらに早められ、やがて直径数10cmから数メートルに及ぶ巨大なカメ型の窪み「波蝕甌穴」が形成される。当地の一群は「平根崎の波蝕甌穴群(国記念物)」に比べて規模は小さいものの、形成過程をよく残しており、学術上極めて貴重な資料である。
また、ここ台ヶ鼻は岩礁・地形・植物の景観にも優れ、真野湾を隔てた対岸の海岸線や日本海の眺望が美しい名勝地でもある。同岬の稜線上部には「台ヶ鼻古墳(県記念物)」も確認されている。